【阪神JF】吉田ユタカ、アタマ抜けてショウナン女王

ショウナンパントルが阪神JF優勝 吉田豊(29)騎乗の8番人気ショウナンパントルが、ゴール前3頭の激しい叩き合いをアタマ差制し、2歳女王の座を獲得した。タイム1分35秒2(良)。関東馬のワン・ツーは牝馬限定戦になった平成3年以降初めて。パントルは今後、厩舎の先輩でGI5勝馬メジロドーベルが勝てなかった桜花賞制覇に向けて調整される。函館2歳S馬アンブロワーズが2着、デビュー2戦を圧勝し断然人気に支持されたラインクラフトは3着に敗れた。〔写真右:ショウナンパントル=中央=がゴール前で力強く抜け出しGI初制覇。2歳女王に輝いた=撮影・山田喜貴。同下:吉田豊騎手はメジロドーベルに続き、阪神JF2勝目。レース後、笑顔が弾けた

 激戦を制した先に、名牝が取り忘れた桜の冠が見えてきた。2歳女王に輝いたのは、8番人気の関東馬ショウナンパントル。あのメジロドーベルと同じ大久保洋吉調教師、吉田豊騎手のコンビが、再びこの栄冠を手にした。

 「前の馬をかわせれば…と思って乗っていました。外から来た馬の間に挟まれる形になって、もうひと伸び。ゴールに入った瞬間、大丈夫だと思いました」

 アタマ、ハナの激戦となったゴール前でも、鞍上は勝利を確信した。GIは一昨年のオークス(スマイルトゥモロー)以来2年半ぶりで8勝目。久々に東のユタカの笑顔が弾けた。

吉田豊騎手は阪神JF2勝目 一躍、桜の有力候補に名乗りを上げたパントルは、牡馬相手に経験を積んできた。レース前、師弟の意見は一致していた。「桜花賞を意識していこう」。同じ阪神のマイル戦。そのタイトルは、偉大な先輩メジロドーベルが獲れなかった唯一の牝馬GIでもある。新潟2歳S2着で賞金上積みに成功して、余裕を持った臨戦過程を選択。レースでも、来春を見据えた指示が出された。好枠からインを追走していくうちに4コーナーで前が開き、絶妙のタイミングで外に持ち出す理想的な形。最後の叩き合いも見事にしのぎ切った。

 「ドーベルと比較?ここを勝ったことだし、してもいいと思います」

 大久保洋調教師が笑顔で胸を張った。デビュー前から素質を高く評価。何度となく、自ら育てた名牝を引き合いに出していたトレーナーは、それが正しかったことを証明した。馬房近くの騒音でイレ込んだ前走と違い、この日は落ち着きも十分。「きょうはあの馬らしかった」と本調子の愛馬に目を細めていた。

 「ドーベルのGIの穴が1つあるので、それを埋めてほしいと思います」

 トレーナーが桜に対する思い入れを口にすれば、愛弟子・ユタカも「ドーベルより扱いやすいですし、切れ味は一級品です」とキッパリ。今後は、放牧には出さずに美浦に滞在して、チューリップ賞(3月5日、阪神、GIII、芝1600メートル)から桜花賞(4月10日、阪神、GI、芝1600メートル)というドーベルと同じローテーションが予定されている。

 桜2着後、オークス、秋華賞、さらにエリザベス女王連覇とGI4勝した偉大な先輩の背中が見えてきたパントル。まずは桜の女王で1冠制覇が大目標となる。

(黒田栄一郎)
★ショウナンパントル
父サンデーサイレンス、母バブルウイングス、母の父インザウイングス。鹿毛の牝2歳。美浦・大久保洋吉厩舎所属。北海道・白老町の白老ファームの生産馬で、馬主は国本哲秀氏。戦績は4戦2勝で重賞初勝利。獲得賞金は8522万6000円。GI阪神JFは、大久保洋吉調教師、吉田豊騎手ともに平成8年メジロドーベル以来2勝目。

★白老ファームはこの秋GI4勝

 天皇賞・秋とジャパンC(ゼンノロブロイ)、JCダート(タイムパラドックス)に続いてGI4勝目。この秋、生産馬が大活躍の白老ファーム責任者の角田修男さんは「やりすぎですかね」と言いながらも、喜びを隠せない表情。「勝ったと思った瞬間はビックリしました。母バブルウイングスの血統は、なかなか活躍馬が出ていなかったから、牝馬でGIを勝てて、いい跡取りができました」と、牧場の明るい未来に笑いが止まらなかった。

★国本オーナーもガッツポーズ

 トップでゴールを突き抜けた愛馬ショウナンパントルを確認してから、オーナーの国本哲秀さん(61)=玩具メーカー・シナテック代表=は、高々とコブシを仁川の空へ突き上げた。

 「初めてGIを勝った高松宮記念(平成14年ショウナンカンプ)の時は頭の中が真っ白。でも、きょうは内心“やれる”感触があったんです。デビュー勝ちのあとGIを獲れる器だとみて、牡馬相手の重賞を2度続けて使ってもらったんですからね。GIもIIもIIIも、すべて大久保洋吉先生に勝たせてもらった。来春、もう一度この場所(表彰台)に来れるといいけどね」。オーナーの心は早くも桜の舞台に飛んでいた。

★入場人員減も売り上げは増

 阪神JFが行われた5日の阪神競馬場の入場人員は前年比89.2%の3万4322人。台風27号の影響による大雨が未明まで続いたこともマイナスとなった。ただ阪神JFの売り上げは、前年比103.9%の148億4510万6700円と増加。断然人気馬がいても高配当が見込める3連単の効果もあったと言えそうだ。5日の阪神競馬全体でも前年比101.0%の218億539万7900円と微増。前日発売があって伸びたJCダートと違い、秋のGIでは初の純然たる売り上げ増となった(春は高松宮記念、天皇賞・春、NHKマイルCが前年アップ)。

2004年5回阪神2日( 12月 5日) 11R
第56回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
サラ系2歳 1600m 芝・右
(混)牝(指) オープン 馬齢
本賞金: 6000、 2400、 1500、 900、 600万円 発走 15:40
天候:晴  芝:良 
着順 馬番 記号 馬名 負担
重量
騎手 タイム 着差 馬体重 調教師 単勝
人気
1 3 5   ショウナンパントル 2 54.0kg 吉田豊 1:35.2   446Kg +6 大久保洋吉 8
2 3 6   アンブロワーズ 2 54.0kg D.ホワイト 1:35.2 アタマ 484Kg +22 小島太 3
3 2 3   ラインクラフト 2 54.0kg 福永祐一 1:35.2 ハナ 452Kg 0 瀬戸口勉 1
4 4 7   ハギノコマチ 2 54.0kg 藤田伸二 1:35.4 1 1/4馬身 432Kg 0 鮫島一歩 12
5 7 14   デアリングハート 2 54.0kg 武幸四郎 1:35.5 1/2馬身 418Kg -8 藤原英昭 11
6 5 10   ジェダイト 2 54.0kg 柴田善臣 1:35.5 クビ 478Kg +2 池江泰郎 7
7 8 17   ライラプス 2 54.0kg 武豊 1:35.6 クビ 436Kg -6 松田国英 2
8 6 12 (父) リヴァプール 2 54.0kg 川島信二 1:35.6 クビ 474Kg -6 田島良保 4
9 1 2   エリモファイナル 2 54.0kg 内田博幸 1:35.7 1/2馬身 444Kg -10 大久保正陽 9
10 8 16 (父)(市) コスモマーベラス 2 54.0kg 長谷川浩大 1:35.8 1/2馬身 426Kg -2 中村均 16
11 1 1   カシマフラワー 2 54.0kg 松永幹夫 1:35.9 1/2馬身 438Kg 0 高市圭二 6
12 5 9 (市) エイシンハッピー 2 54.0kg 幸英明 1:36.2 1 3/4馬身 446Kg -4 坂口正則 15
13 7 15 (父) モンローブロンド 2 54.0kg 安藤勝己 1:36.2 クビ 436Kg -6 安田隆行 5
14 4 8   テイエムチュラサン 2 54.0kg 小池隆生 1:36.3 1/2馬身 458Kg +2 小島貞博 14
15 8 18 (外) キャントンガール 2 54.0kg M.デムーロ 1:36.5 1 1/4馬身 452Kg +4 岡田稲男 10
16 7 13 (父) クロユリジョウ 2 54.0kg 池添謙一 1:36.7 1 1/4馬身 478Kg 0 岡田稲男 18
17 2 4   マイネデセール 2 54.0kg 木幡初広 1:37.1 2 1/2馬身 452Kg +6 斎藤宏 13
18 6 11 (父) ミラクルコンサート 2 54.0kg 和田竜二 1:37.6 3馬身 476Kg -4 川村禎彦 17

ハロンタイム  12.4 - 11.1 - 11.7 - 12.4 - 11.8 - 11.7 - 11.6 - 12.5
上り  4F 47.6 - 3F 35.8
2コーナー  (8,*18)(1,4,6)(2,3,14)10,15(7,9,13)(5,11,16,17)12
3コーナー  18,8(2,1,4)-6(3,14)(7,10)15(5,9)17,13(12,16)-11
4コーナー  (*18,8)(2,1)(6,4)3(7,14)10,5(9,15,17)(12,13,16)-11

<払戻金・給付金>
単勝 05 2,230円 8番人気
複勝 05 350円 6番人気
06 300円 4番人気
03 120円 1番人気
枠連 3-3 8,130円 25番人気
馬連 05-06 8,520円 26番人気
ワイド 05-06 2,260円 27番人気
03-05 670円 5番人気
03-06 580円 4番人気
馬単 05-06 20,210円 58番人気
3連複 03-05-06 5,450円 17番人気
3連単 05-06-03 69,050円 191番人気