【ファンタジーS】ラインクラフト圧勝、2歳女王へ一直線

ラインクラフトがファンタジーS優勝  福永祐一騎乗の2番人気ラインクラフトが好位追走から直線で弾け、レース最大着差となる4馬身差の圧勝。デビュー2連勝で重賞初制覇を飾った。タイム1分21秒6(良)。年末の阪神JFで無敗の2歳女王を目指す。トップブリーダーのノーザンファームはアルゼンチン共和国杯と合わせ生産馬が東西重賞V。1番人気ライラプスは4着に敗れた。〔写真:直線で一気に後続を突き放したラインクラフト。キャリア2戦目での重賞圧勝に、コンビを組む福永祐一騎手の期待も大きく膨らむ=撮影・岡田亮二

 見る見るうちに差が開いていく。レース史上最大となる、4馬身の着差(これまでは平成11年テネシーガールの3馬身)で他馬を完全に子供扱い。キャリアわずか1戦のラインクラフトが、出世レースを衝撃的な強さで制した。

 「ターフビジョンを見たら2番手以降が来そうになかったんで、最後は流しました。早めに抜け出す形になったけど、捕まらないと思いましたよ」

 拍子抜けするほどの強さだったが、福永祐一騎手はさも当然といった表情でレースを振り返った。発馬直後にスッと好位につける。多少、行きたがる素振りを見せたが、それも許容範囲。追い出されると瞬時に反応して、アッと言う間に勝敗は決した。

 「今の時点で強い2歳牝馬が集まった中で、これだけのパフォーマンスを見せてくれましたから。期待した以上の走りだし、本当にこれからが楽しみです」

 6年前のプリモディーネも、一昨年のピースオブワールドも、このレースを無傷で制してGI馬へと上り詰めた。思い入れの深い2頭より、1分21秒6の勝ちタイムはさらに速い。また、同じエンドスウィープ産駒で昨年のスイープトウショウも、やはりデビュー2戦目でここを勝ち、オークス2着、秋華賞制覇と出世している。前途は洋々と言っていい。

 「よく走ってくれたね。相手が強くなってどうかと思ったけど、落ち着きもあった。あとは好きなように書いておいてよ」

 普段は口数の少ない瀬戸口勉調教師も、思わず軽口が飛び出すほどご機嫌だ。ユーイチ、瀬戸口師ともに「特に注文はない」と完成度の高さには太鼓判を押す。次走の阪神ジュベナイルフィリーズ(12月5日、阪神、GI、芝1600メートル)はもちろん、来春の桜花賞制覇さえ有力視されるラインクラフト。5馬身、4馬身差をつけて圧倒し続ける無敗の進撃は、まだ止まりそうにない。

(黒田栄一郎)
★ラインクラフト
父エンドスウィープ、母マストビーラヴド、母の父サンデーサイレンス。鹿毛の牝2歳。栗東・瀬戸口勉厩舎所属。北海道・早来町のノーザンファームの生産馬で、馬主は大澤繁昌氏。戦績は2戦2勝。獲得賞金は3945万5000円。重賞初勝利。GIIIファンタジーSは、瀬戸口勉調教師は初勝利。福永祐一騎手は平成10年プリモディーネ、14年ピースオブワールドに次いで3勝目。

★モンローブロンド阪神JFで逆転狙う

 デビュー連勝中のモンローブロンドは4馬身差の2着。「走りますね。初めての(3角過ぎの)下りでフワッとしてモタついたが、直線でまた伸びた。勝った馬にさほど力負けした感じはない。着差ほど能力差はない」と病気の安藤勝騎手から乗り替わった佐藤哲三騎手は断言。安田隆調教師は「この後は暮れのGI(阪神JF)を使います。きょう勝った馬は強かったが、今度は(3角の)坂のない阪神ですからね」と“2歳女王”決定戦での逆転に闘志を見せていた。

★ライラプス末脚光るも4着

 1番人気に推されたフサイチエアデールの娘ライラプスは、後方から差を詰めたものの4着に押し上げるのが精いっぱい。武豊騎手は「位置どりが悪くなってしまったね。伸びてはいるけど…。距離ももう少しあった方がいいです」と残念そうだったが、絶望的な位置からの末脚は光っていた。松田国英調教師も「きょうの負けは致命的なものじゃない。クラシックにつながるようにやってくれました。収穫はありましたね」と今後に向けて光明を見出していた。

★戦い終わってひと言

◆川島信二騎手(リヴァプール3着) 「もう少し前につけたかったんですが、賢い馬だから、前走(サフラン賞)で前に行かない競馬を覚えてしまっていた感じでした」

◆幸英明騎手(エイシンハッピー5着) 「中団からの競馬は指示通り。前半から折り合いもついていたんですが、4角を回ってから少しずつモタれたのが惜しまれます」

◆角田晃一騎手(ツルマルオトメ6着) 「この距離でも、前半からかなりムキになって走っている。1200メートルの方が合っているだろう」

◆四位洋文騎手(ケイアイブーケ7着) 「末脚を生かす競馬だったんだけど、もう少し速い流れになってほしかった。この馬自身は良く伸びている」

◆小林徹弥騎手(マイネマリスタ8着) 「中団でまずまずの手応えだったが、直線は伸びもせずバテもせず。これからの馬だよ」

◆武幸四郎騎手(コスモキララ10着) 「ゲートを出て行かず、全く競馬をしていない。能力はあるんだが、本当に難しい馬」

◆柴原央明騎手(マルシゲシーキング11着) 「好位置でレースを運べましたが、あと1ハロンで息がもたなくなりました」



2004年5回京都2日( 11月 7日) 11R
第9回 KBS京都賞ファンタジーステークス(GIII)
サラ系2歳 1400m 芝・右 外
(混)牝(指) オープン 馬齢
本賞金: 3200、 1300、 800、 480、 320万円 発走 15:40
天候:晴  芝:良 
着順 馬番 記号 馬名 負担
重量
騎手 タイム 着差 馬体重 調教師 単勝
人気
1 3 3   ラインクラフト 2 54.0kg 福永祐一 1:21.6   452Kg -2 瀬戸口勉 2
2 5 6 (父) モンローブロンド 2 54.0kg 佐藤哲三 1:22.3 4馬身 442Kg -2 安田隆行 4
3 4 4 (父) リヴァプール 2 54.0kg 川島信二 1:22.6 1 3/4馬身 480Kg +2 田島良保 3
4 6 8   ライラプス 2 54.0kg 武豊 1:22.6 クビ 442Kg -2 松田国英 1
5 8 13 (市) エイシンハッピー 2 54.0kg 幸英明 1:22.7 クビ 450Kg -4 坂口正則 9
6 5 7   ツルマルオトメ 2 54.0kg 角田晃一 1:22.8 3/4馬身 464Kg +4 坂口正則 7
7 8 12 (父) ケイアイブーケ 2 54.0kg 四位洋文 1:22.8 アタマ 398Kg +2 加用正 5
8 4 5 (父)(市) マイネマリスタ 2 54.0kg 小林徹弥 1:22.8 ハナ 470Kg 0 目野哲也 10
9 2 2 (父) クロユリジョウ 2 54.0kg 松永幹夫 1:23.0 1馬身 478Kg -2 岡田稲男 8
10 1 1 (父)(市) コスモキララ 2 54.0kg 武幸四郎 1:23.3 2馬身 418Kg +2 中村均 6
11 7 11 (地) マルシゲシーキング 2 54.0kg 柴原央明 1:23.8 3馬身 404Kg -4 湯窪幸雄 13
12 7 10   ダンシングハート 2 54.0kg 本田優 1:24.5 4馬身 450Kg +2 昆貢 11
13 6 9   ヒードザコール 2 54.0kg 吉田稔 1:24.5 クビ 450Kg -10 松田博資 12

ハロンタイム  12.6 - 11.1 - 11.8 - 11.5 - 11.5 - 11.6 - 11.5
上り  4F 46.1 - 3F 34.6
3コーナー  (*2,7)(3,6)11(5,13)(8,10)(4,9,12)-1
4コーナー  (*2,7)3,6(11,13)5,8(4,10,12)9,1

<払戻金・給付金>
単勝 03 270円 2番人気
複勝 03 140円 2番人気
06 170円 4番人気
04 170円 3番人気
枠連 3-5 960円 5番人気
馬連 03-06 1,030円 5番人気
ワイド 03-06 420円 5番人気
03-04 370円 4番人気
04-06 550円 6番人気
馬単 03-06 1,570円 6番人気
3連複 03-04-06 1,540円 4番人気
3連単 03-06-04 6,270円 16番人気