Stephen Bishop
Red Cab To Manhattan
Adult Contemporary
Release Date: 1980
Format: CD
Nr.Discs: 1
Length: 42:55
Index: 5382
Stereo; ADD
Red Cab To Manhattan (1980) (12 tracks)  42:55
01  The Big House  03:45
02  Don't You Worry  03:59
03  Thief In The Night  02:27
04  Send A Little Love My Way (Like Always)  03:48
05  Let Her Go  03:42
06  Little Moon  03:08
07  The Story Of A Boy In Love  05:02
08  Living In The Land Of Abe Lincoln  03:06
09  Red Cab To Manhattan  04:40
10  Sex Kittens Go To College  01:19
11  City Girl  04:58
12  My Clarinet  03:01
1980
Purchase Date: 2006/10/25
Store: HMV Japan
Studio: The Power Station
Producer: Mike Mainieri & Tommy LiPuma
Label: Vivid Sound Co.
Cat. Number: VSCD-3344

Stephen Bishopのベスト・アルバムを挙げろ、と言われれば間違いなく1stの"On And On"か2ndの"Bish"だと思いますし、私も1stの"On And On"がベスト・アルバムだと思っております。
1stと2ndはもちろんAORアルバムとしても傑作ですが、他のAORアーティストと違う点を挙げれば若干素朴な感じのどちらかと言うとシンガー・ソングライター的なアルバムだったと思います。
ところが、この3rd"Red Cab To Manhattan"は、それまでのアルバムに「洗練さ」が加わったアルバムとなっております。

それが1曲目の"The Big House"に集約されていると思います。
まさにこのナンバーには音にも「洗練さ」が加わり、紛れも無くとても良く出来たAORナンバーとなっております。
プロデューサーがMike MainieriとTommy LiPumaということもあるでしょうが、当時売れっ子のセッション・マンだったWillie Weeks (B)とAndy Newmark (Dr)のリズム・コンビが参加しているということも、あるかも知れません。

2曲目の"Don't You Worry"も同じ路線のナンバーで、これもかなりの出来のAORナンバーとなっております。

3曲目の"Thief In The Night"はオールド・スタイルのビッグバンド・ジャズ風のナンバーです。
なかなか面白いナンバーで、結構興味が惹かれます。

4曲目の"Send A Little Love My Way"はこのアルバムのハイライト的なナンバーです。
メロディアスなバラード・ナンバーで、バックのフェンダーローズの音がとても素敵です。
最高のAORナンバーだと思いますね。

5曲目の"Let Her Go"もそれまでのStephen Bishopのアルバムには無かったタイプのナンバーです。
Stephenといえば、アコースティカルというイメージがありましたが、このナンバーは結構テンポも速く、エキサイトしたナンバーに仕上がっております。
曲の出来も素晴らしいです。

6曲目の"Little Moon"はそれまでのStephen路線に沿ったナンバーですね。曲の前半部は"Madge"風ですが、途中から転調します。
曲の出来としてはイマイチかも。

7曲目の"The Story Of A Boy In Love"での曲の導入部のピアノはEric Clapton Bandでお馴染みのChris Staintonが担当しておりますが、これがとても美しくて良いです。
その後本編に入りますが、再び新生Stephenといった趣のナンバーとなっております。

8曲目の"Living In The Land Of Abe Lincoln"はそれまでのStephen節が聴けるナンバーとなっております。
メロディアスなナンバーで出来もそこそこです。

9曲目のタイトル・ナンバー"Red Cab To Manhattan"は4曲目に似たメロディアスなバラード・ナンバーです。このナンバーでは、隠し味として琴の音が入っております。また、Stephen自身が演奏するトロンボーンの音色が哀愁を誘ってくれています。

10曲目の"Sex Kittens Go To College"は曲の感じとしてはお遊びに近い内容ですが、Eric Claptonのブルージーなギターを聴くことが出来ます。

11曲目の"City Girl"は曲の感じはまるで違いますが、おそらく10ccの"I'm Not In Love"にインスパイアされたのではと感じるのは私だけでしょうか?
結構ハードなナンバーですが、かなりいけてますし、バックのBuzzy Feitenのギター・ソロがとてもカッコ良いです。

ラスト・ナンバーの12曲目"My Clarinet"は1stアルバムや2ndアルバムに入っていても良さそうなアコースティカルなバラード・ナンバーです。

この"Red Cab To Manhattan"ですが、長らく廃盤状態でしたが、2006年にVivid Soundから紙ジャケ・リマスターで再発されました。
Vivid Soundには、この調子でいろいろな音源について再発を期待したいです。
というか企画をしているAOR評論家の第一人者の金澤寿和氏に期待すると言った方が良いのかも。