『ストラーダ/山道』

(STRADA/YAMAMICHI)
《1995年発売、OFF NOTE ON-8》

1.記忘/2.身それた花/3.水辺のうた/4.忘れ酒/5.二十世紀旗手/6.ウィスパリング/7.祖国を追われた者の歌/8.山道/9.伝説列車/10.しあわせなユダヤ人/11.スウェーデンとルーマニア 二つの民謡/12.モナミ(わが友)/13.シーベックシーモア



篠田昌已名義のソロアルバム『COMPOSTELA』を発売後、バンドとして活動していたのがコンポステラというバンド。このバンドは篠田昌已、中尾勘二、関島岳郎という3人のメンバーで活動していた。そして、篠田氏が亡くなってその遺志を引き継いでいると言えるのが、このストラーダというバンド。

あまりコンポステラの事を出すのは現在活動しているストラーダに対して失礼かという気もするが、もともと『COMPOSTELA』というアルバムからその世界に入った僕はついその延長線上にとらえてしまう。アルバムでもライヴでもコンポステラ時代の曲を取り入れているから、本人達にも遺志を引き継ごうという気持ちはあるのだろう。

過去のすばらしいものの焼き直しに終わらずいかに現在においてすぐれた表現活動として成立させられるかが、ストラーダに付いてまわる課題だと思うが、このアルバムやライヴを聴く限り、かなりの線でクリアされていると思う。

メンバーは、コンポステラの中尾勘二(クラリネット、サックス)、関島岳郎(チューバ、トロンボーン)に、桜井芳樹(ギター、他)、久下恵生(ドラムス、他)の2人が加わっている。非常に単純に言ってしまうとコンポステラというバンドとストラーダとの違いはこの2人が加わっている事だ。ギターは時にはアコースティックで叙情的に、時にはエレキギターの特性を生かした大音響の迫力で勝負する。ドラムもおとなしい時と暴れる時との落差を曲に生かしている。つまり、叙情性とロックっぽい攻撃性との同居がストラーダの個性になっているのではないかと思う。

そしてなにより素晴らしいのは、このバンドオリジナルと思われるメンバー自作の曲に、実にいい曲が多い事だ。もちろん、各国のトラディショナルなどレパートリーに取り入れられている曲もストラーダによってたしかに消化されている。

コンポステラは素晴らしいバンドだったと思うし、過去の発掘音源をもとにしたいいアルバムも出ている。しかし、今、現在活動しているストラーダには、さらに期待したい。

1997年3月22日 小林アツシ

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