『篠田昌已/コンポステラ』

(SHINODA MASAMI/COMPOSTELA)

《1990年発売,VIVID SOUND CORPORATION puf-1》
【曲目】1.オーバー・チューン〜ニシキのまだ来ない朝/2.しあわせなユ
 ダヤ人/3.イディッシュ・ブルース/4.僕の心は君のもの(オペレッタ
 「ほほえみの国」より)/5.タンゴ・タンゴ/6.カティンカ/7.S−1
 /8.我方他方/9.同士はたおれぬ/10.耕す者への祈り/11.うす闇の
 子供/12.プリパ

元じゃがたらのサックス奏者、篠田昌已のソロアルバム。同名のバンドも 結成しており『1の知らせ』というアルバムを発表している。 長谷川宣伝社というチンドン屋の楽士としても活動していた人でもあり、 その成果は1992年に『東京チンドン』というアルバムで発表されている。 大工哲弘『ウチナージンタ』や、チンドンを導入したソウル・フラワー・ ユニオンの先駆的な存在のアルバムといえる。 壮大で重々しい1曲目に続き、一聴すると明るそうだがどこかもの悲しい クレツマー音楽、ウィーン・オペレッタ、タンゴ、ロシアのミリタリー・ マーチ、フォルクローレなどオリジナルも含めてさまざまなジャンルの音 楽が並んでいるが、非常に統一感があるアルバムになっている。 管楽器主体の味がある演奏で、歌詞がある曲もあるがそれほど言葉に重点 を置いたわけではないが、このアルバムを通して聴くと何か強いメッセー ジを感じずにはいられない。 チリの軍事政権によって殺されたヴィクトル・ハラの曲や、映画『山谷・ やられたらやりかえせ』の挿入曲が入っているからか、我々の社会の不条 理を憂い、音楽でわずかながらの抵抗を試みているかのように聞こえる。 チンドンの高田宣伝社の2人をフューチャーした最後の「プリパ」は感動 的である。                     1996年11月3日 小林アツシ

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