『ソウル・フラワー・モノノケ・サミット/アジール・チンドン』

(SOUL FLOWER MONONOKE SUMIT/ASYL CHING-DONG)

《1995年発売,SOUL FLOWER RECORD SF-032》
  1.復興節/2.美しき天然/3.ラッパ節/4.聞け万国の労働者/
  5.デモクラシー節〜デカンショ節/6.貝殻節〜アランペニ/
  7.がんばろう/8.東京節/9.竹田の子守歌

 ソウル・フラワー・ユニオンのメンバーが、阪神・淡路大震災の被災
 地で出前ライヴをやりはじめたのが、このソウル・フラワー・モノノ
 ケ・サミットというプロジェクト。

 CDの帯にはロックとかジャズとかいう、いわゆる「ジャンル」が書
 かれている時がありますが、このソウル・フラワー・モノノケ・サミッ
 トの『アジール・チンドン』(1995)の帯には、「JAPANESE TRADITIONAL 
 CHING-DONG SOUL PUNK」と書いてあります。

 戦前戦後のはやり唄や労働歌、そして民謡という多様な曲をチンドン
 のアレンジにすることで、統一感を出しています。
 最後の「竹田の子守歌」以外はメドレーのように聞けてしまう。

 そこで思うのですが、トータル時間が30分弱というのが残念。
 CD時代になって必要以上にアルバムの収録時間が長くなる傾向も問
 題だが、こういうチンドンものには同じテイストの音がずっと続く金
 太郎飴的な魅力も欠かせないと思うので、できればもっともっと長い
 時間聞いていたいです。

 出前ライヴをやっているうちにレパートリーは50曲ぐらいになったと
 いうのだから、やはりもっと聞きたい。無茶を承知で言うと、どうせ
 なら出前ライヴをそのまま収録するぐらいの大胆さがあっても良かっ
 たのではないかと思います。


 歌詞の一部はメンバーによって書き換えられメッセージ色が強くなっ
 てます。

 労働歌というと私は先入観でダサい歌という感覚を持っていたのです
 が、チンドンにする事で暗さが無くなっているせいか、非常に楽しく
 聞けます。

 チンドンを導入したのには、大工哲弘の『OKINAWA JINTA(ウチナー・
 ジンタ)』の影響もかなりあるようで、囃子の入り方なども沖縄民謡
 の影響を感じます。また男女混合バンドの利点もこの編成には特に生
 かす事ができています。

 サウンドとしてはアコースティックなチンドンサウンドですので、ス
 タイルとしての「ロック」を期待して聞いた人の中には拍子抜けする
 人もいるでしょうから、バンド名をちょっと変えて別ユニットという
 事にしたのは納得できます。


 この活動の成果が、今月発売になる新作に現れているということで、
 メンバーも自信を持っているというソウル・フラワー・ユニオン名義
 の新作には非常に期待しています。


                    1996年10月10日 小林アツシ


○「アジール」「モノノケ」に関する考察はこちら
 『海賊版電子魂花時報』内の「FAQ of Soul Flower Union」
○ソウル・フラワー・モノノケ・サミットも出演したライヴ
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