LaLaDXインデックス2005
LaLa DX INDEX 2005

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 白泉社月刊LaLaの増刊、隔月刊のLaLaDXのインデックスデータ。その2005年版。独断と偏見に満ちた星取表(5点満点)と短評付き。


LaLaDX2005年11月号
表紙津田雅美「赤い実」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「ひたいに三日月」時計野はり読切 ★★★
「十二秘色のパレット」草川為読切 ★★★
「赤い実」津田雅美読切 ★★
「4ジゲン」にざかなギャグ ★★★
「花の名前」斉藤けん読切第九話★★★
「金色のコルダ」呉由姫読切特別編★★
「金色のコルダ全サCDハートビートな潜入レポート!!」響ワタル読切 
「八葉さんが行く!」カネチクヂュンコギャグ 
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★
「しにがみのバラッド」和泉明日香<原作ハセガワケイスケ&七草>読切〜きのうとあしたの其処らへん。〜★★★
「ドゥビドゥビ365」江咲×山吹ギャグ ★★
「飛べない魔女」川瀬夏菜読切 ★★★
「夏目友人帳」緑川ゆき読切 ★★★★
「ねこらぶ」米沢りかギャグ ★★★
「CLUSTER EDGE」小松田わん読切 ★★★
「嫁姑教室」柏屋キクゾーギャグ 
「波斗の海」柳原望読切 ★★
「三日月パン」ささだあすか読切11thパン★★★
「君とひみつの花園」林みかせ読切 ★★★
「火宵の月」平井摩利読切〜艶夜〜★★★★
「パンダ侍見参!!」宇野亜由美ギャグニャンニャカ忍法帖★★
「トリッキィ」ふじつか雪読切 ★★★
「ああ愛しの番長さま」藤方まゆ読切 
「シュガー☆ファミリー」萩尾彬読切 ★★
「魔女の仔」紫臣読切 ★★
「透明な世界」藤原ヒロ読切 ★★
「ライバル☆コンプレックス」蘭咲ルイ読切 
「夢☆来来」藤丘ようこ読切第39回LMGフレッシュデビュー賞★★
「柚原キョーダイ」綾菜充木読切第164回LMSベスト・ルーキー賞
「恋する人間学」モチダ読切第165回LMSベスト・ルーキー賞
「ろくでもナイトメア」中村硝子ギャグ第164回LMSギャグ特別賞
「The Sentimental Body Blow」矢倉まきギャグ 
「ヤクビョウヒメ」ことぶきつかさギャグ 
 そんなに特筆すべき点もないんだけど、強いていえば、米沢りかがここ数号持ち味を出しつつあるかなあ。緑川ゆき「夏目友人帳」も、妖怪と人間の立ち位置の違いを提示して、今後のシリーズ展開を期待させる内容ではあった。
 小松田わん「CLUSTER EDGE」は、アニメは観ていないんだけど、ようやくアニメと関連ありそうな内容になってきたらしい。しかしまあ、このプロジェクトの前の短編群のクセのある絵柄と作風からは、クロスメディア戦略への参画、というのは予想できなかったんだけど、原作がついたことで、マンガの作風もそれなりによい方向に変化しつつあるように見える、かな。
 そうそう、今回は★★★★つけてしまった平井摩利「火宵の月」は、暴力的に肉体関係を持っているうちに恋愛感情が……、というボーイズラブでは常套手段な展開を男女間でやってしまうと、非常にストレートなポルノになるなあ、という話(笑)。ただ、ボーイズラブで磨き抜いた演出テクニックがなかなかハマっているなあ、ということで評価してみました(笑)。(2006/01/29)


LaLaDX2005年9月号
表紙筑波さくら「よろしくマスター」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「Honey〜君は輝ける星〜」橘裕読切#35(最終回)★★★
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★
ドラマCDアフレコレポート槻宮杏  
「ヴァンパイア騎士」樋野まつり読切特別編「たまにはまったりした日だってあります。」★★
「4ジゲン」にざかなギャグ ★★★
「よろしくマスター」筑波さくら読切 ★★★
「花の名前」斉藤けん読切第八話★★★
「十二秘色のパレット」草川為読切 ★★★
「金色のコルダ」お楽しみ特別企画呉由姫   
「飛べない魔女」川瀬夏菜読切 ★★★
「ねこらぶ」米沢りかギャグ ★★★
「しにがみのバラッド」和泉明日香<原作ハセガワケイスケ&七草>読切〜傷跡の花。〜★★★
「嫁姑教室」柏屋キクゾーギャグ 
「ことのは」麻生みこと読切〜詩人の恋〜★★★★
「倫敦ロマンス」唐沢千晶読切 ★★★
「金魚奏」ふじつか雪読切 ★★★
「やくみガーデン」江咲桃恵ギャグ 
「三日月パン」ささだあすか読切10thパン★★★
「CLUSTER EDGE」小松田わん読切 ★★★
「ヤクビョウヒメ」ことぶきつかさギャグ 
「騎士の心得」蘭咲ルイ読切 ★★
「火宵の月」平井摩利読切〜切札〜★★★
「パンダ侍見参!!」宇野亜由美ギャグ ★★
「オレンジドロップ」桜井夕弦読切 ★★
「天上の果実」亜和ミチ読切 ★★
「おもいで屋」八島時読切 ★★
「The Sentimental Body Blow」矢倉まきギャグ 
「ホームランリング」藤方まゆ読切第39回LMGゴールドデビュー賞★★
「ラブモード」街田シカク読切第39回LMGフレッシュデビュー賞
「幸福タイプ発見術」十月もちこ読切第162回LMSベスト・ルーキー賞
「恋愛ビギナー」羽野ちせ読切第163回LMSベスト・ルーキー賞
 橘裕「Honey〜君は輝ける星〜」が最終回。童顔の保健教師と男子生徒の恋愛物で、ヒロインにトラウマがあったり、主人公と悪い政治家の父親の折り合いが悪かったり、エッチだったり、エグい展開があったり、よくも悪くも橘裕の特徴がたっぷり満喫できるシリーズではあった(笑)。しかし、隔月連載で、途中休載の号とか番外編とかもあって35回というのは、気がついてみるとけっこうな長期連載だったことではあるなあ(笑)。
 まあ、LaLaのメディアミックス戦略については今さら何をかいわんやだが、今回はちょっと前から進行していた小松田わん「CLUSTER EDGE」がアニメスタートにあわせてその導入部という位置づけのちゃんとストーリー性のある内容で、今まで発表されていたいくつかの短編よりずっと読ませる。さらに、「トカゲ王子」の和泉明日香に電撃文庫の売れ筋シリーズ「しにがみのバラッド」のコミカライズをさせていたのがまたびっくり。
 あと、★★★に留めたけど、ふじつか雪「金魚奏」が聴覚障碍者との恋愛というちょっとむつかしいネタを美味く料理していて、新人の中では注目株かも。(2006/01/22)


LaLaDX2005年7月号
表紙葉鳥ビスコ「桜蘭高校ホスト部」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「7時間目ラプソディー」田中メカ読切 ★★★
「桜蘭高校ホスト部」葉鳥ビスコ読切〜常陸院家の事情〜★★
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★
「金色のコルダ」呉由姫読切(特別編ショート)★★
「十二秘色のパレット」草川為読切 ★★
「花の名前」斉藤けん読切 ★★★
「Honey〜君は輝ける星〜」橘裕読切#34★★★
「夏目友人帳」緑川ゆき読切 ★★★★
「4ジゲン」にざかなギャグ ★★★
「アイリス」いちようかゆ読切 ★★
「祈りに世界は咲いて」あきづき空太読切 ★★★★
「飛べない魔女」川瀬夏菜読切 ★★★
「ねこらぶ」米沢りかギャグ ★★★
「東京モダンガール」六本木綾読切 ★★★★
「パンダ侍見参!!」宇野亜由美ギャグ ★★
「青色図書館」林みかせ読切 ★★★
「三日月パン」ささだあすか読切9thパン★★★
「火宵の月」平井摩利読切〜錯覚〜★★★
「メドモワゼルバタフライ」小椋アカネ読切 ★★★
「ラジカルスプラッシュ」久賀琉読切 ★★
「くらくら×方程式」天乃忍読切 ★★★
「ドゥビドゥビ365」江咲×山吹ギャグ ★★
「嫁姑教室」柏屋キクゾーギャグ 
「幾千夜」仲野えみこ読切 ★★★★
「水の中」響ワタル読切 ★★
「みにみに。」日向マキ読切第38回LMGフレッシュデビュー賞★★
「命の軌跡」鳥井千聖読切第38回LMGフレッシュデビュー賞★★
「恋する君へ」田中ななお読切第160回LMSベスト・ルーキー賞
「スゴイ?」藤方まゆ読切第161回LMSベスト・ルーキー賞★★
「The Sentimental Body Blow」矢倉まきギャグ 
「ヤクビョウヒメ」ことぶきつかさギャグ 
 今回、「桜蘭高校ホスト部」「金色のコルダ」「十二秘色のパレット」あたりはキャラクターメインのショート。
 緑川ゆき「夏目友人帳」は本来交流できない妖怪と人間の間の思慕の情を切なく描いて、コンスタントに★★★★。あきづき空太「祈りに世界は咲いて」は孤児の少年と薄幸の少女、というベタなネタを効果的に演出していてなかなか読ませる。六本木綾「東京モダンガール」は大正あたりを舞台にした怪盗もので、これもなかなか。新人の仲野えみこ「幾千夜」はちょっとコミカルなアラビアンナイトもの(?)で、その時代を舞台にしていながら、魔法の類をネタに使わない硬派なところ(以前、魔女ネタの話も描いているのに)が、話作りの幅を感じさせて今後に期待。
 ところで、田中メカ「7時間目ラプソディー」天乃忍「くらくら×方程式」と、橘裕「Honey〜君は輝ける星〜」が教師と生徒の恋愛物なのだが、ここ数年、この手のネタがLaLaDX全体で多用されているきらいがあるような……(笑)。
 ギャグの方で、本誌とほぼ同時だが、にざかなが復活しているのがちょっと嬉しい。やはり、「にざ」のちょっと際どいネタを「かな」のシャープな絵柄で絵にしたときが、いちばん面白い、ということが再確認された。今後にも期待したい。(2006/01/22)


LaLa Special(LaLa6月号増刊)
表紙津田雅美「彼氏彼女の事情」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「彼氏彼女の事情」津田雅美総集編恋になる日(初出1996年7月号)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美総集編運命の車(初出2000年1月号)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美総集編GO GO京都・2(初出2000年7月号)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美総集編回帰(初出2003年2月号)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美総集編救済(初出2004年9月号)★★★
「彼氏彼女の事情」津田雅美総集編春三月(初出2005年5月号)★★★
「カレカノラストワルツ」津田雅美エッセイ ★★
決定版!カレカノワールド    
「な忘れそ」津田雅美再録初出2000年10月号★★★★
「ひたいに三日月」時計野はり読切 ★★★
「わかば」三上チト読切 ★★★
「花のカノン」斎藤けん読切 ★★★
「ツギハギ・ラヴァー」蒼井ゆき読切 ★★
「人形牢」紫臣読切 ★★
「導きの杖」林みかせ読切 ★★★
「ピアノチョコレート」桜井夕弦読切 ★★
「ポール・ヴォールト」香籐しま読切第38回LMGフレッシュデビュー賞★★
「ミネラル+」ミズカ叶太読切第159回LMSベスト・ルーキー賞★★
 奥付ではLaLa Special(LaLa6月号増刊)となっているが、目次ではカレカノメモリアル増刊となっている。「彼氏彼女の事情」連載終了記念増刊。まあ、コミックス未収録作が1編入っている以外は目新しいところはなし。
 最近上昇株の斎藤けんの短編「花のカノン」が、ページ数は少ないものの、アイデアと構成に技あり、また、重めのテーマをきちんと重さを感じさせる演出で説得力を持って描写していて、好感。
 新人の紫臣はホラーっぽい作風はともかく、細かい描線をペンでちまちまと描き込んだ画風が最近の新人としてはちょっと異色。ただ、ホラーとしてのネタは割とありきたりな印象なのは残念。描き込まれた暗めの画風が作風を限定してしまっている印象もあるかな。
 投稿作の桜井夕弦は画風がLaLaというよりりぼん、より具体的には吉住渉の影響が強い印象。今風の女の子の恋愛もの、という作風も影響されているように思う。
 あと、最近思うのは、投稿作のレベルがここ数年平均的に高くなって来ているような……。特に画力の点ではDX系の増刊に掲載される作品としては底上げが著しい気がする。ただし、その分あまりヘンな味を持った新人は少なくなって、没個性化している気もするんだけど。(2006/01/22)


LaLaDX2005年5月号
表紙マツモトトモ「背中の男」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「金色のコルダ」呉由姫読切 ★★★
「背中の男」マツモトトモ  ★★★
「八葉さんが行く!」カネチクヂュンコギャグ 
「十二秘色のパレット」草川為読切 ★★★
「花の名前」斉藤けん読切 ★★★
「Honey〜君は輝ける星〜」橘裕読切#33★★★
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★
「約束の場所」川瀬夏菜読切 ★★★
「火宵の月」平井摩利読切お楽しみショート☆★★★
「嫁姑教室」柏屋キクゾーギャグ 
「夏目友人帳」緑川ゆき読切 ★★★★
「パンダ侍見参!!」宇野亜由美ギャグ ★★
「完黙サディスト」都筑せつり読切 ★★
「青色図書館」林みかせ読切 ★★★★
「ことのは」麻生みこと読切〜天井桟敷の内緒話〜★★★★
「ヤクビョウヒメ」ことぶきつかさギャグ 
「影と王子」蘭咲ルイ読切 ★★
「メドモワゼルバタフライ」小椋アカネ読切 ★★★
「トカゲ王子」和泉明日香読切〜プリンセス・ウェディング〜★★★
「ねこらぶ」米沢りかギャグ ★★
「ビューティフルデイズ」いちようかゆ読切 ★★
「おとぎ舞鶴」ふじつか雪読切 ★★★
「春待ち草子」天乃忍読切 ★★★
「先生にもわかりません!!」桜井夜読切 
「温泉で会いましょう」唐沢千晶読切(最終回)★★★
「コノコドコノコ」知華読切第29回アテナ新人大賞新人賞★★★
「欲望オンチ」蒼井ゆき読切第29回アテナ新人大賞佳作★★
「モノ言わぬはっぱ」水上衣理読切第29回アテナ新人大賞佳作
「花灯り」如月リン読切第29回アテナ新人大賞佳作★★
「ずっとこのまま」沖田智子読切第158回LMSベスト・ルーキー賞
「ドゥビドゥビ365」江咲×山吹ギャグ ★★
「The Sentimental Body Blow」矢倉まきギャグ 
 引き続き、★★★★は少ないけど意外に★が少ないので、比較的粒ぞろいの印象。投稿作〜新人の表現力・演出力が最近底上げされて来ている気がする。
 数少ない★★★★のなかでも、今回は麻生みこと「ことのは」が頭抜けてる感じ。メロディの方に長期連載があるのでDXへの登板は減っているけど、このコンスタントな質の高さはやっぱりただごとではない。もっと評価されるべきマンガ家だと思うんだけど……。
 今回意外だったのは、それぞれでは★以上つけたことのないギャグマンガ家同士のタッグ江咲×山吹が思いの外面白かったこと。にざかなほどじゃないけど、ネタ出しと作画を分業することで1+1=2以上になった例となるかも。まあ、このタッグがこのまま続くのかどうかはわからないけど。
 ともあれ、1、3月号に引き続き、このくらい読めると今のLaLa本誌よりいいかも(笑)。(2005/09/11)


LaLaDX2005年3月号
表紙時計野はり「ヒミツの扉のくぐり方」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★
「十二秘色のパレット」草川為読切 ★★★
「八葉さんが行く!」カネチクヂュンコギャグ 
「ヒミツの扉のくぐり方」時計野はり読切 ★★★
「Honey〜君は輝ける星〜」橘裕読切#32★★★
「花の名前」斉藤けん読切 ★★★
「メドモワゼルバタフライ」小椋アカネ読切 ★★★
「青色図書館」林みかせ読切 ★★★
「星も見えない」緑川ゆき読切 ★★★★
「オコジョ番長」宇野亜由美ギャグ(最終回)★★★
「The Sentimental Body Blow」矢倉まきギャグ 
「ラピスラズリの王冠」川瀬夏菜読切最終話★★
「火宵の月」平井摩利読切〜春吹雪〜★★★
「やくみガーデン」江咲桃恵ギャグ 
「君の陽だまり」藤原ヒロ読切 ★★
「三日月パン」ささだあすか読切8thパン★★★
「温泉で会いましょう」唐沢千晶読切〜バレンタインの嵐〜★★
「とりかえ風花伝」柳原望読切(最終回)★★
「トカゲ王子」和泉明日香読切〜誓いの湖で〜★★★
「チョコボンボン」亜和ミチ読切 ★★
「永久天体」仲野えみこ読切 ★★★
「ヤクビョウヒメ」ことぶきつかさギャグ 
「くらくら×方程式」天乃忍読切 ★★★
「恋の話」三上チト読切 ★★★
「鍵葬」紫臣読切第37回LMGフレッシュデビュー賞★★
「トレモロビート!」ふじつか雪読切第29回アテナ新人大賞優秀新人賞★★
「君の心につたうように」飛鳥キトラ読切第156回LMSベスト・ルーキー賞
「マグネティック・ポール」ゆざわ絵梨読切第157回LMSベスト・ルーキー賞
「嫁姑教室」柏屋キクゾーギャグ 
 引き続き、★★★★は少ないけど意外に★が少ないので、比較的粒ぞろいの印象。
 数少ない★★★★は1月号に引き続き緑川ゆきになってしまうんだけど、今回は久しぶりにシリーズではない単発の学園もののちょっと切ないラブストーリー。まあ、コミックス『アツイヒビ』収録作と内容的にかぶる面もあるけど、やっぱりこういう雰囲気をナチュラルに表現できる人は貴重かと。
 表紙にもなっている時計野はり「ヒミツの扉のくぐり方」も、性別の異なる身体への精神移動、というアイデアが同じ作者の「パラレルTO THE ワールド」とかぶる。若干の毒っ気はありつつもかあいらしい話になっている点はいつも通り。
 それ以外では、中堅格では天乃忍、三上チト、比較的新人格では仲野えみこがコンスタントにいい演出力を発揮している。投稿作も★ひとつのレベルのものが少ない。1月号に引き続き、このくらい読めると今のLaLa本誌よりいいかも(笑)。(2005/08/14)


LaLaDX2005年1月号
表紙呉由姫「金色のコルダ」
作品名作者名連載回数サブタイトルなど星取表
「十二秘色のパレット」草川為読切 ★★★
「楽園ルウト」槻宮杏読切 ★★
「Honey〜君は輝ける星〜」橘裕読切#31★★★
「花の名前」斉藤けん読切 ★★★
「The Sentimental Body Blow」矢倉まきギャグ 
「夏目友人帳」緑川ゆき読切 ★★★★
「金色のコルダ」呉由姫読切(特別編)★★
「やくみガーデン」江咲桃恵ギャグ 
「少年は夢の中」蘭咲ルイ読切 ★★
「雪解けの熱」和泉明日香読切 ★★★
「デンジャラス☆ベイビィ」椎野翠読切 ★★
「温泉で会いましょう」唐沢千晶読切〜LAST X'mas〜★★
「火宵の月」平井摩利読切〜火宵的大人のメルヘン〜★★
「ラピスラズリの王冠」川瀬夏菜読切第6話★★
「CLUSTER EDGE」小松田わん読切第3話★★
「ヤクビョウヒメ」ことぶきつかさギャグ 
「とりかえ風花伝」柳原望読切 ★★
「オコジョ番長」宇野亜由美ギャグ ★★★
「ハヤブサ」六本木綾読切Final Stage★★★
「地球行進曲」林みかせ読切最終話★★★
「あだしがはらのこもりうた」三上チト読切 ★★★
「君の万能な左手」萩尾彬読切 ★★
「魔女にうさぎの人形を」仲野えみこ読切 ★★★
「サンタが耳を澄ます時」七海青読切 ★★
「ファミリーBOX」山代遠波読切 ★★
「冬ほどき」あきづき空太読切 ★★★★
「放課後ロマンチスト」佐和春日子読切第37回LMGフレッシュデビュー賞★★
「スクープナンバー101」藤丘ようこ読切第155回LMSベスト・ルーキー賞★★
「嫁姑教室」柏屋キクゾーギャグ 
 2005年最初のLaLaDXは★★★★は少ないけど意外に★が少ないので、比較的粒ぞろいではあったかも。
 数少ない★★★★は緑川ゆきの妖怪もの『夏目友人帳』シリーズの一編。以前の秀作短編「蛍火の杜で」にも通じる、生きる時間のスパンが異なる妖怪と人間のふれあいをテーマにして、どちらかというとコミカルなこのシリーズにしては泣かせの効いたいい短編になっていた。たこいはこの手のテーマにはことのほか弱いらしい(笑)。昔の作品でいうと安孫子三和『真夜中をすぎても』シリーズとか。
 もうひとつの数少ない★★★★は地味に秀作の多いあきづき空太。今回の短編「冬ほどき」は病弱な少年といつもその世話をしてくれている少女のほのかな恋情を描いてなんとも切ない一編。不治の病というほどではないが先行きも長くないことを自覚しているらしい少年は少女への想いをひた隠しにしているのだが、少女の方もそれは同じで……。いや、切ない切ない。
 それ以外のシリーズのもはどれも中庸。ただ、新人の作品や投稿作に光るものが多かったので、全体になかなか楽しめた。このくらい読めると今のLaLa本誌よりいいかも(笑)。(2005/06/26)


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