ぼくはこんなにも東京で観劇を2005
About theatergoing 2005
たこいきおし

 『糸納豆EXPRESS』誌上に発表され、よくわからないけどなぜか各方面から好評を得ているたこいの日記の電脳版。ネット上からは消失している分についてテーマ別(?)に再編集してみました。
 今回は宝塚とかキャラメルボックスとか、観劇にまつわる部分と、その他いろいろな部分の抜粋。


2005年5月3日(火)

 10時過ぎにSFセミナー会場入り。「奇想コレクション」のパネルではビッスンの小説に対する読みが甘かったことが判明して愕然とする。とはいえ、日本中の読者のほとんどが理解していなかったらしいが(中村融先生はこの件にはたいそうご立腹の様子)。「SFファンの引越」パネルも大爆笑。その他、本会企画は桜庭一樹、鈴木いずみも含めいろいろと楽しめた。

 合宿は添野さんの映画ネタの部屋が面白かった。「最強の文学」の部屋はもう少し個々の作品の話があるかと思ったら、もっと抽象的な文学観談義で時間が終わってしまったのでちょっと拍子抜け。

 その頃大広間では、マッドサイエンティストがホストをするカフェ……をしているのかと思ったら、マッドサイエンティストの助手役のメイドロボが無限増殖して、傍から見るとただのメイド喫茶状態になっていた(笑)。

 深夜は、エンドレス状態に突入していた「ほんとひみつ」の部屋に行って、まったり。途中、寝部屋をさがしに行ったけどどこにも残っていなかったので、明け方には「ほんとひみつ」の部屋の隅で仮眠。


5月4日(水)

 SFセミナー明けで大挙して開店直後のルノアールへ。同じテーブルの水鏡子師匠とマンガの話とかライトノベルの話とかゲームの話とかする。10時過ぎにルノアールを出て、水鏡子師匠と秋葉原までてくてく歩く。ゲームを物色しに行くという水鏡子師匠と別れて、昼頃妻と合流。

 昼食の後、例の1/1スコープドッグを観に行く。実物を見ると、やっぱりちょっと感動的。入場料代わりに作者手打ちの刻印入りボルトを買って、ついでに品切れ中の本の方も注文しておく。実物を見ての感想は、けっこう細かいところまで作り込まれているのも感動ものなんだけど、もうひとつ、地上の視点からアレを見上げる、というのは、自分がアレのパイロットだったら、とか、レッドショルダーに襲われる惑星の住民だったら、とか、いろいろ想像が広がる感じ。いろいろ考えていたらちょっと目頭が熱くなってしまった。


5月14日(土)

 たまたま上京していたので、ダメ元で渋谷のHMVに行ってみたら、明日予定されているムーンライダーズのニューアルバム発売記念トーク&サイン会の整理券はまだ余裕で配られていたので(笑)、とりあえずニューアルバム『P.W Babies Paperback』を買って整理券をもらう。因みに42番(笑)。


5月15日(日)

 夕方から渋谷HMVでムーンライダーズのトーク&サイン会。整理券なしでも余裕で入れた模様(笑)。とはいえ、整理券は70番台までは出ていたみたいなので、昨日たこいがアルバムを買った後、30人くらい駆け込みでアルバムを買った、と(笑)。

 トークの前にできたてほやほやという新曲のプロモビデオの上映があった。トークは主に今回のアルバムの制作過程……というより、メンバー内のメーリングリストを巡るさまざまな話が中心。2〜3週間に一度しかメールを見ない(しかも最後まで読まない(笑))くじらさんの話とか、鈴木兄弟のケンカ(笑)に周りがハラハラした話とか。真面目に興味深かったのは、やっぱりムーンライダーズはアルバム主義なんだなあ、という点。曲の収録順に関しても兄弟ゲンカの末に決まっているので、shuffle(笑)はしないで聴いて欲しいとのこと(笑)。次回以降も、アルバムという形式にはこだわりたいのでネット配信オンリーのような形態には移行しないとのこと。

 そういえば、今回もかしぶちさんは体調不良で欠席。昨年3月の静岡のイベントも体調不良で欠席だったし、ちょっと心配。

 30分弱でトークは終了。サインをもらって帰途に就く。


5月16日(月)

 昼過ぎから東京宝塚劇場で月組公演『エリザベート』を観劇。これが、ほとんど期待していなかったら、なかなか見応えがあって、想像以上の出来。前回の花組版よりずっとよかったと思う。あと、実は最前列で観たんだけど、この視点で観ると、群衆の一人一人にかなりきめ細かい演出がされているのがわかったのも収穫。生で観たのは花組版と月組版だけで、他はビデオ観劇なんだけど、たこい的には初演の雪組版の次は今回の月組版かな。

 因みに、今回は男役トップの彩輝直のさよなら公演になるのだが、彩輝直の次の男役トップになる予定の瀬奈じゅんがなんと今回のエリザベート役。まあ、なかなかの力演だったのでそれはいいのだが、変則的なキャスティングではある。いや、こういうことになるくらいなら映美くららちゃんにエリザベートまで演じてから退団してもらえば……と、今さら言ってみても詮ないことか(笑)。


5月17日(火)

 妻が、最近たこいが録画している『ペリーヌ物語』を昼の間に観ているようなのだが、ロバの名前を間違えて「ガスパール」と呼んでいたので笑ってしまった(笑)。筒井康隆か(笑)?


5月21日(土)

 浜松アクトシティの中ホールでバッハのヨハネ受難曲のコンサートなど鑑賞。たまにはクラシックもいいね。


5月22日(日)

 レコード屋でいつのまにか出ていたビクトル・エリセ『マルメロの陽光』のDVDとか、『よつばと!』のイメージアルバム『よつばと♪』など買う。

 夕食後、妻によるキャラメルボックス教育(笑)で旧作の『銀河旋律』という演目をビデオで観劇。

 タイムマシンが実現した世界におけるタイムトラベラーによる歴史改変をネタにした話〜一人の女性の恋人の座をめぐっての歴史改変合戦〜なのだが、SFのアイデア的には、まあありきたりというか、おおよそ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の第1作と同じような扱い方で、SFファンとしてはもの足りず(笑)。とはいえSFファンじゃない人にはこのくらいの方がわかりやすいかも。


5月26日(木)

 アップルからのメールでiBook G4のバッテリが過熱、発火する恐れあり、とのことで、無償交換の連絡が来ていたので、手続きをしておく。まあ、半年間特に発火とかしたことはなかったが(笑)、半年使って多少は劣化したバッテリが無償で新品になるんなら大歓迎。ともあれ、待っている間に本当にバッテリが発火したりしたら洒落にならないので、バッテリは旧iBookのものと交換しておく。


5月27日(金)

 17時過ぎに御茶ノ水駅で妻と落ち合ってJRで原宿へ。てくてく歩いて久しぶりのSHIBUYA-AXへ。今日は一年半くらいぶりのムーンライダーズライブ。そういえば、SHIBUYA-AXに来たのは原田知世の2002年のライブ以来だが、スポンサーがネスレから森永になっていて、自販機の中身もヴィダーインゼリーばかりになっていたのはご愛敬。

 流石にニューアルバム発売後のライブなので、普段と比べると昔の曲が少ない。しかし、今回のアルバムの曲が予想以上にライブ向きだったのは嬉しい誤算か。席は最後尾だったけど、演奏の手元とかははっきり見えたので(普段はバックでよく見えないことが多い岡田さんとか博文さんも今回はバッチリ見えた)、そのあたりは堪能できた。あと、既にわかっていたことだが、かしぶちさんが体調不良で不参加だったのは残念。

 ちょっとだけ苦言を呈するならば、SHIBUYA-AXは以前から音響があまりよろしくない。とりわけ今回は、ところどころハウリングを起こしかけていたように聞こえたので、設備も悪いが人も悪いという二重苦状態のように思う。因みに、今回はおそらくライブDVD用と思われる収録が入っていたので、こと音の質に関しては、ちゃんとミキシングされるであろうそちらで聴いた方がいいと思う。

 そういえば、明日発売予定のユリイカ、ムーンライダーズ特集号を先行発売していたので入場してすぐそそくさと買ったのだが、開演前に売り切れていたので、すぐに買ったのは大正解(笑)。


5月28日(土)

 キャラメルボックス2本立てを観劇。演目は『僕のポケットは星でいっぱい』『広くてすてきな宇宙じゃないか』で、上演時間1時間の短編を2本セットにしたハーフタイムシアターという趣向。。因みに、タイトルはアレだが(笑)、原作つきという訳ではないのでSFファンの方は注意されたし(笑)。

 いずれも先日ビデオ鑑賞した『銀河旋律』の後日談にあたる物語。今回新作になる『僕の〜』の方はタイムマシンものだが、再演の『広くて〜』の方はロボットもの。2本の上演順は日によって違うんだけど、作品世界の時系列が『銀河旋律』『僕の〜』『広くて〜』の順なので、偶然とはいえ、ちょうど時系列順に観れたのは正解だったかも。

 『僕の〜』は、不治の病の母親(=『銀河旋律』のヒロイン)の治療法を求めて未来へ違法タイムトラベルする少年の話。『銀河旋律』が過去へのタイムトラベルの話なので、ちょうど好対照とはいえるかも。

 『広くて〜』は母親を亡くして父子家庭となった一家に母親代わりの家政婦アンドロイドがやってくる、という話。一応、ロボット工学3原則にのっとった話にはなっている。ラストはものすごい泣かせが効いていて、会場中大泣き(笑)。ただ、SF的ガジェットの扱いにはやや無理のある点があって、その点を突っ込むと実はメインのストーリーが成立しなくなっちゃうので、まあ、堅いことはいわないことにしておく(笑)。この3部作はSFの定番アイデアへの入門編としては、なかなかいいかも。


5月29日(日)

 朝、HDDレコーダーの中身をチェックしていたら妻が録画した韓国ドラマが大量に入っていたのでつい笑ってしまう(笑)。妻のmixi日記によると、最近観ていた中で『パリの恋人』というドラマに本格的にハマってしまいDVD箱の購入も考えているとか(笑)。

 日曜日だが出勤日。工場のお客様感謝デーだったので、ひたすらお客さんにビールを注ぐ。


6月3日(金)

 夕方、いったん帰宅して妻を拾って職場へ。工場の敷地内で放流した蛍が見れるようになったということで、近隣の人たちに蛍狩りをしてもらおう、というイベントがあったんだけど、いい機会なので、蛍を見たことがないという妻に蛍を見せようかと。まあ、暗くなるまでしばらく待ち時間があったけど、5匹くらい見れたので、まずまずかと。


6月4日(土)

 新幹線で上京。いったん妻と合流してから別行動。秋葉原を回り始めたら大雨が降り出したので、手近のコーヒースタンドに駆け込んでしばらく雨宿り。読みさしだったハミルトン『フェッセンデンの宇宙』の最後の一編「夢見るものの世界」を一気に読み切る。前に読んだベスターよりさらに読後感が古いのは、本当に古いんだからある程度割り引くにしても、「凶運の彗星」以外はどれも楽しく読めた。次はスタージョンの予定。


6月5日(日)

 朝、『エウレカセブン』を観ていたら、妻が「これ、『プラネテス』と同じ人の絵?」との質問(笑)。いや(笑)、その意気やよしだが(笑)、『キングゲイナー』と同じ人ですから(笑)。残念(笑)。

 午前中は妻の趣味で渋谷のBunkamuraにベルギー象徴派展など鑑賞に行く。そういえば久しぶりの美術館鑑賞だが、なかなか堪能。とはいえ、妻が大学時代に観てまた観たいと思っていた絵は出展されていなかったとか。残念でした。

 昼食は、美術館の出口のレストランで、ベルギー象徴派展記念メニューという触れ込みの牛肉のビール煮とヒューガルテンホワイト樽生のセットなど。

 その後、渋谷の街をしばらく二人でぶらぶらしてから別行動に。今日も秋葉原に行って、今朝週刊アスキーをチェックしていて出ていることに気がついた『早春スケッチブック』のDVD箱とか、妻のハマっている韓国ドラマ『パリの恋人』のDVD箱とか価格調査(笑)して回る。あと、このところちょっと懸案だった細田守監督作品『デジモンアドベンチャー・ぼくらのウォーゲーム』のDVDとか、『ケロロ軍曹オリジナルサウンドケロック1』とか購入。

 さらに神保町の三省堂で『教科書には載らないニッポンのインターネット歴史教科書』など購入。いや、けっこう売れてるみたいで平積みでした。読んでみると、本当に痒いところに手が届くというか、よく知っていることも、断片的に知っていることも、知らなかったことも、何でも書いてある。しかも、それらの事象を紹介するスタンスがあくまでも中立的である点も好感が持てる。しかし、解説で大森センセも書いてるけど、この年表の最初の方に自分のサイトの開設日が載っているのは、ちょっと面映ゆいっすね(笑)。


6月6日(月)

 東京宝塚劇場で花組公演『マラケシュ・紅の墓標』と『エンター・ザ・レビュー』を観劇。『マラケシュ〜』の方は、申し訳ないがけっこう寝入ってしまった(笑)。ううむ。前に宙組は地味に秀作が多いかも、と書いた気がするが、花組は地味に秀作が少ないかも(笑)。と、思ったら『エンター・ザ・レビュー』の方は、舞台装置、衣装、演出とも実に堂に入っていて、思わず居住まいを正して鑑賞。久しぶりにいいレビューを堪能した、まあ、夢の時間? という感じ。


6月7日(火)

 アップルからバッテリ無償交換品が届く。問題のあるバッテリの方は一度完全に放電してから返送しろ、とのことなので、iBook G4のバッテリを付け替えてしばらく使ってみるが、外す前にほぼ満充電だったため、なかなかなくならない(笑)。寝る前までiTunesで音楽を鳴らしたりしていたが、残量22%であきらめて就寝(笑)。しかし、iBook G4の内蔵スピーカー、立体感があるし、シャカシャカ感も抑えられていて、なかなかいい音場を形成するなあ。

 因みに、再生していたのは『ケロロ軍曹オリジナルサウンドケロック1』だったんだけど、完膚無きまでにテクノアルバムで、『ケロロ軍曹』を観ている小さいお友だちは完全に置いてけぼりだな、これ(笑)。帯にも「鈴木さえ子、15年ぶりのアルバム完成であります。」と明記されているし(笑)。しかし、15年ぶりって何かと思ったら、『ノーライフキング』のことだったのね。そうか、確かに15年は経っているわな(笑)。


6月11日(土)

 先日買ってきた『デジモンアドベンチャー・ぼくらのウォーゲーム!』など鑑賞。公開が2000年ということでその後の細田守演出作品からみるとまだ粗いところもあるが、なかなか楽しめた。


6月13日(月)

 元宝塚月組トップ娘役の映美くららちゃんがNHKの夜の連ドラに出るというので、当該ドラマを観てみたのだが、先週木曜日と今日と、病院の看護士役のちょい役で台詞も1回に二つくらい。ううむ。本当にちょい役だ(笑)。


6月14日(火)

 詳細は略すが、今日の映美くららちゃんはちょい役なりに見せ場があってなかなかよかった(笑)。


6月17日(金)

 有休取って仙台へ。夕方から東北大SF研OB&OGを召集して飲み会。たこい行きつけのイタ飯屋がなくなって以来、常宿がなくジプシー状態なのだがその点は今後の課題か?


6月18日(土)

 昼から仙台駅のステーションホテルで大学時代の恩師の退職記念パーティー。大学の先生にしてはかなり吹っ飛んだキャラクターの先生なのだが、そのキャラクター全開パーティーで、場内から笑いの絶えることがなかった(笑)。その後、公式の2次会あり。さらに、気心の知れた後輩2名と仙台駅の構内で軽く3次会。

 その後、地下鉄で市内某所に移動して鶴田と室本夫妻とさらに飲む。まあ、先を見越して2次会あたりはセーブしてたんだけど(笑)。日付が変わるあたりで4人でカラオケ屋に行ったらボヤ騒ぎがあってちょっとびっくり(笑)。と、いっても本物の火事じゃなくてイタズラだったみたいだけど。明け方に帰宅。流石にちょっとハードだったかな(笑)。


6月27日(月)

 TV東京深夜枠での放映が始まってから初めて『勇者王ガオガイガーFINAL』をリアルタイムで観る。ちょうど最終回だったのだが、このシリーズ、シリーズを通してほとんどカタルシスがないのがオリジナルの『ガガガ』と比べて致命的な弱点という気がする。全12話中、まともに敵を倒したのは第1話くらい? 敵の強さを強調するのも否定はしないが、敵を倒したかと思うとすぐまた形勢逆転、という毎回同じような展開でシリーズ全体としてのメリハリがない印象。12話もあったんだったら、そのあたりはもうちょっと工夫が欲しかったかな。

 あ、今思いついたけど、昔日記で酷評(笑)した劇団☆新感線の『七芒星』あたりが、敵味方の勝敗が目まぐるしく入れ替わるどんでん返しが続くことで逆に展開が単調に見えてしまう、という点では近いものがあるかも(笑)。


7月2日(土)

 打ち切られた野心作(?)『ウルトラマンネクサス』の後の新番組『ウルトラマンマックス』を一応鑑賞したのだが…すみません(笑)。1話でリタイアしていいですか(笑)? いや、今の時代に『』とか『タロウ』の第1話そのままのパターンを本当にストレートになんのひねりもなく提示するというのも、ある意味冒険ではあるが、ダメだ、全く興味が持てない。『ネクサス』が非子供向けの内容でやりすぎてしまったのはわかるが、いくらなんでも揺り戻しすぎ(笑)。

 本屋で『マリア様がみてる・薔薇のミルフィーユ』など購入。なんとなくではあるが、前巻で妹問題についておおよそフラグが立ったためか、肩の力が抜けていい感じになった気がする(いや、それまでおよそ1年以上(実時間で)進展らしい進展もなく、番外編のリリースも多く、物語内時間(笑)が間延びしていたので(笑))。まあ、伏線が見え見えでオチを読んでも意外性がないのはいつもの如くだが、作品から感じる空気とか、キャラクターのかけあいとかが、いかにも『マリア様〜』シリーズらしい。


7月4日(月)

 ニュースで彗星に銅の塊を打ち込むとかいう実験が成功したとか報じられていたが、プロジェクトの名前が『ディープ・インパクト』(笑)というのはいくらなんでもいかがなものか(笑)? まあ、日本ならプロジェクトの名前は『超兵器R1号』かなあ(笑)? 歓声を上げるNASAの人々の映像になんだかものすごくデジャヴを感じるんですけど(笑)。


7月9日(土)

 『東京ゴッドファーザーズ』など鑑賞。まあ、わらしべ長者のヴァリエーションのような話か(笑)? なかなか楽しい。鈴木慶一の音楽も『座頭市』と違っていかにも鈴木慶一〜ムーンライダーズっぽい音作りでこちらもよし。タイトルがちゃんとオチと結びついている展開もなかなか洒落が効いている。


7月14日(木)

 出勤したら何人かの人から「TVに出てましたね」といわれて「へ?」となる(笑)。昨日研究所にNHKの取材があって静岡ローカル枠で放映されたらしいんだけど、その中に昨年うちの職場で取材した際の映像が流用されていたらしい。いや、TV局にしてみれば既に持っている映像素材、という感覚なんだろうが、心臓に悪い(笑)。

 あと、みちのくファンダム関係者にしか通じない話題だが、職場の部下が正明さんの親戚だったと判明してびっくり。雑談していたらスキーの話になり、栗子にスキー旅館をやっていた親戚がいるとか、スキー場の中にある「山の家」とかいう単語が飛び出してきたので、「それって栄ちゃん山の家?」と聞いてみたらビンゴ(笑)。彼の父親が正明さんの従兄弟らしい、ということなんだけど、いや、世間は狭い(笑)。


7月16日(土)

 有楽町のソフマップでiPod Shuffleが限定25台1000円引ということだったので、即買い。いや、最近になってようやく妻が欲しいと言い出したので(笑)。

 買い物の後、東京宝塚劇場で星組公演『長崎しぐれ坂/ソウル・オブ・シバ』を観劇。すごい睡眠不足状態だったので、眠ってしまわないか心配だったのだが(笑)、幸い、劇の方もレビューの方もテンポのよい進行で一睡もすることなく堪能。今回は劇、レビューとも専科にして宝塚理事の轟悠が主役をはっているのだが、轟悠だけが目立つことなく、ちゃんと星組トップの二人にも見せ場があったのでその点でもバランスのよい構成だったと思う。

 夕食はたまたま目についたドイツ料理屋に入ってみる。飲み始めてちょっとしたら、アコーディオン演奏が始まり、店内が歌声喫茶状態になってしまい、ちょっと面くらう(笑)。ビールとソーセージはおいしかったのでまあ満足。


7月17日(日)

 今日は妻とは別行動で渋谷の映画館に『機動戦士Zガンダム・星を継ぐもの』など観に行く。

 ストーリーはまあ、ずいぶんわかりやすくダイジェストしたなあ、という印象。説明不足な点も多々あるけど、むしろ旧約(TV)版よりキャラクターのエキセントリックな言動が抑制された分、物語の構造がシンプルになったと思った。

 リアルタイムで観ているときはゲリラ同士の内輪もめ的な物語が今ひとつピンと来なかったんだけど、ファーストガンダムが国家間のシンプルな戦争だったのに対して、特定の思想集団同士が国家を超えて抗争する、というZガンダムの構図は、911以後の現在の世界情勢を背景にして観た方がずっとわかりやすい。まだかろうじて冷戦が続いていたTV版放映の1980年代中盤にしては、先駆的な内容だったのかも。

 とはいえ、登場人物の行動原理に関する描写があちこち省略されていたり説明不足だったりするので、万人にオススメできる映画ではないな。『Zガンダム』に多少なりと思い入れのある人だけ観ればいいのでは(笑)?


7月21日(木)

 妻のiPod Shuffleのセッティングなどしている。今のところ、ミュージカルのライブ盤が2演目分(当然ながら、そのうちのひとつは宝塚雪組版『エリザベート』(笑))と某韓国ドラマのサントラしか入っていないのがなんというか……(笑)。


7月23日(土)

 今日の『ふしぎ星の☆ふたご姫』は運動会の話。それはさておき、劇中の「いやいやいや〜んいやいや〜ん」というふたごの踊りが妻の頭に焼き付いてしまったらしく、なんでもないときに無意識に妻の頭にそのフレーズが浮かんで来たりするんだと(笑)。『監督不行届』に同じようなエピソードってなかったっけ(笑)?


7月30日(土)

 ウィングス9月号購入。橋本みつる期待の新作「流星」は、ヒロインがなんともかあいくて、久しぶりに堪能。いや、ドキドキもんです。しかし、今回表紙で、ウィングスでのキャリアとしては新人賞入賞後第1作になる橋本みつるの名前の方が、ベテラン那州雪絵より大きかったのにちょっと感動。いや、入賞後1年半音沙汰なしだったから、ちょっと疑ってしまっていたんだけど、これは、新書館、本気だな。これなら地道に待っていれば新書館からコミックスも出るに違いない。ちょっと安心した。


7月31日(日)

 静岡の映画館で『スターウォーズ・エピソードIII』など鑑賞。いや、頑張って話をまとめたというか、『エピソードIV』に繋げたなあ(笑)。個人的には、『II』と今回の『III』の殺陣シーンはけっこう好き。これ観てからだと『IV』〜『VI』の殺陣は甘すぎて観てらんない。ストーリー的には、今回一番おいしい役はオビ・ワンで、一番割を食ったのはアミダラ姫でしたか。

 その後、いろいろ買い物。本屋ではスタージョン『不思議のひと触れ』とか、レコード屋では『ワンピース・オマツリ男爵と秘密の島』のDVDとか買ったり、かばん屋では最近懸案だった出張用に使えるバッグを買ったり。

 夕食のBGVが『エピソードIV特別編』だったのは、まあ、お約束ということで(笑)。


8月3日(水)

 上富良野に出張。あいにくの雨模様ではあったが、TVCMにも使われている大麦畑とホップ畑はなかなか壮観。


8月4日(木)

 明け方寝汗をかいて目を覚ます。この蒸し暑さは北海道の気候とは思えない。出張の用事は昼くらいにはおおよそ終わって、札幌に移動。宿泊先に荷物を置いて、夕方からパソ通時代からの知人と飲む。


8月5日(金)

 今日は有休。朝から小樽に行って、温泉に入ったり寿司を食べたり。夕方から山浦と飲む。


8月6日(土)

 午前中で宿泊先をチェックアウトして荷物をコインロッカーに預けて市内観光……と、いっても久しぶりに道立近代美術館に行ってみたくらい(笑)。特別展の「ポップアート展」がなかなか面白かったのでよし。  夕方の飛行機で東京に移動。


8月7日(日)

 妻とは別行動で本屋でいろいろ立ち読みしたり。帰りの新幹線用に桜庭一樹『GOSICK』など買ってみたり。いや、SFセミナーの本会企画で興味を持ったんだけど、いきなり「問題作」と定評のある作品から読むのはアンフェアかと思って、一番売れているシリーズから手を出してみた次第。

 しかし、昨日まで読んでいたのがプリースト『魔法』だったので、ちょっと方向性が違いすぎるか。

 ともあれ、『魔法』は本当に傑作だった。『奇術師』だと、『ドリームマシン』の方が面白いかも、とか思ったりしたけど、これは文句なし、今までに読んだプリーストで一番面白かった。下手に感想を書くとネタバレになるので感想を書けないのが残念(笑)。

 その後、妻と合流して、石丸で妻に某韓国ドラマ(笑)のDVD箱の下巻をプレゼントしたり(上巻は妻が既に購入済(笑))。


8月13日(土)

 朝食の後、あと少しだったので桜庭一樹『GOSICK』を読み切る。物語の舞台は20世紀初頭の架空のヨーロッパの小国なのだが、ちゃんとホームズらしきキャラ(幽閉されている天才美少女)とワトスンらしきキャラ(日本人の少年留学生)が出てくるあたりが富士見「ミステリ」文庫ということなのか(笑)? 内容は、妙に血なまぐさい展開というか、少年少女の殺しあいがモチーフで、これって『バトルロワイアル』(笑)? ともあれ、ちょっとした叙述トリックなどもあったので、ライトノベルのミステリとしてはまあよくまとまったレベルではないかと。


8月18日(木)

 最近ちょっと笑ってしまうTVCMがジャンプのキャラクター対決のゲーム。CMの最後の「オラ対オラオラオラオラオラ……」というフレーズを聞くたびに笑ってしまう(笑)。でも、そのゲームは絶対クズだと思うんだけど(笑)。しかし、なんというか、荒木飛呂彦のマンガの台詞がTVで全国のお茶の間に流れている、というのは、いい世の中、なんだろうか(笑)。


8月20日(土)

 午後からJRで静岡へ。ぴあで映画のチケットを買って、たこいは映画館へ。妻は献血へ。

 静岡駅前の席数45のものすごく小さい映画館でジム・ジャームッシュ『コーヒー&シガレッツ』を鑑賞。モノクロ画面で11本のエピソードの間を黒味でつないだ『ストレンジャー・ザン・パラダイス』っぽいスタイル。登場人物が異なるエピソードによるオムニバス、というあたりは『ミステリー・トレイン』『ナイト・オン・ザ・プラネット』的。いろいろな意味でジャームッシュの集大成。久しぶりに堪能。

 しかしまあ、結婚してからわかったのが映画の趣味が思っていたより合わない、ということ(笑)。『去年マリエンバートで』の舞台を訪ねたことがある、とか聞いたら、ああゆう映画(笑)をけっこう観るのかな、とか思うじゃないですか? よくよく聞いてみると別に『去年マリエンバートで』の大ファンというわけでもないし、タルコフスキーとかは苦手らしい(笑)。ということで、ジャームッシュについては本日別行動(笑)。

 妻と合流して、19時過ぎに映画館に向かい二人で『姑獲鳥の夏』鑑賞。いや、いろいろと実相寺節全開(笑)の映像とか演出が満載で、その意味では楽しめた。まあ、あの原作を映像化するのに『怪奇大作戦』的なあの演出は正解かと思った。ただ、久遠寺姉妹の妹の方の描写が足りない……というより全くないので、原作読んでないと、事件の背景となった各登場人物の動機については説明不足な点が多々あるのは否めず。単体の劇場作品としては欠点多すぎかも(笑)。

 まあそれはともかく、原作には登場しない「隻腕の傷痍軍人」にはくすくす笑い(笑)。


8月21日(日)

 午後からJRで浜松へ。浜松市美術館で「ミュシャ展」など鑑賞。浜松市美術館がものすごく狭かったのと、観客がものすごく多かったのはちょっと誤算だったが、けっこう初めて観るものが多くて内容的には満足。売店でカタログと海洋堂のミュシャフィギュアなど買う。


8月23日(火)

 何の気なしにNHK衛星を観ていたら、いきなり迷宮美術館という番組のCMに鈴木慶一が出ていたのでちょっとびっくり。いや、けっこう長時間のCMで露出度も高かったのだが、CMの中で「誰?」と聞かれても最後まで名乗らないので、一般の視聴者の人も「誰?」と思うのではなかろうか(笑)。まあ、鈴木慶一のキャラクターを生かしまくった演出だが、やっぱり架空楽団の人あたりがプロデュースしてるんだろうか?


8月27日(土)

 東京都近代美術館で『アジアのキュビズム』展を鑑賞。作品もよかったが、会場の構造までキュビズム的に作り込まれているのはなかなかグッジョブ。

 夜、結婚4周年記念日ということで、学士会館のパブでギネスでちょっと乾杯する。


8月28日(日)

 キャラメルボックス『スケッチブック・ボイジャー』を観劇。これも旧作の再演だが、スペオペマンガの最終回のネタに詰まったマンガ家&編集者と、その作品世界が舞台上で交錯するちょっとメタ風味の作品。そのスペオペ世界では少年が地球を買ったり(笑)、海賊課の刑事コンビがドタバタを演じたり、まあ、元ネタはコードウェイナー・スミスとか神林長平とか。スペオペ部分がSFファン的には観ていて気恥ずかしいのは前の『ブラック・フラッグ・ブルース』同様かと(笑)。まあ、こちらのスペオペ路線と比べると、5月に観劇したハーフタイムシアターの方が素直に観れるかな。あと、今回は全キャラクターのイラストを鶴田謙二が描き下ろしていたので(『ブラック〜』の時は『Spirit of Wonder』あたりの既存イラストを転用していたのだが)、絵葉書セットをひとつ所望しておく。

 因みに、次回の演目は梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』を原作とした『クロノス』とのこと。原作ありの演目は昨年の北村薫『スキップ』以来だが、北村薫にしても、カジシンにしても、キャラメルボックスの作風にはある意味ハマり過ぎかも(笑)。


9月2日(金)

 桜庭一樹『GOSICKII』読了。主人公二人のぎこちない友情がわりといい雰囲気。ミステリ的には、今回は『○の悲劇』(笑)? 前作はたこいは『バトルロワイヤル』? といっていたが、妻に読ませたら『そして誰もいなくなった』の方をむしろ連想したとか。このシリーズって、ミステリ名作パスティーシュ路線なのか(笑)?


9月3日(土)

 午後から、妻の知人宅でちょっとAirMacのトラブルシューティング。けっこう前にAirMacがつながらなくなったと聞いて、無線機能がダメになっているところまで確認したものの、ベースステーション側か本体(iBook 14inch)側の不調か特定できなかったんだけど、今回はたこい家のiBook G4とAirMac Exressを持参したので、わりとあっさり原因特定できた。iBook G4では知人宅のベースステーションをうまく認識できず、持参したAirMac Exressを使うと知人宅のiBook 14inchでも認識できるので、きのこ型のベースステーションの故障、ということで。 その後、その知人宅で夕食をご馳走になる。その席で出た話で、大学の先生をしている旦那さんのところに来た留学生がアニメ『フルーツバスケット』のファンで、「透」というのは女性の名前だと思い込んでいた(笑)、という話にはちょっと苦笑してしまう(笑)。


9月6日(火)

 TVで「学校へ行こうMAX」を観ていたら、全国有名進学校ダンスユニット対決で、「TAKE ME HIGHER」で踊った筑波のユニットが優勝していたのでちょっと嬉しかった。その選曲や、よし(笑)!いや、ダンスもうまかったけどね。

 考えてみると、今、高校生というと、『ティガ』を子供の頃にリアルタイムで体験した世代なのでは?そう思うとちょっと感慨深いものが……。


9月11日(日)

 噂の『響鬼』第2部(笑)を鑑賞。う〜ん。一番許せなかったのは呪文(?)の書かれたなんだか安っぽい白服を着込んだ敵の怪人の姿があまりに情けなかったこと、かな。しかも、従来の妖怪とも、童子&姫ともデザイン的にマッチしてないのが致命的。次回以降、胸から上のかぶりもの(?)だけ変えてベースの白服が一緒の怪人が続々登場してきたりしたらちょっとヤだな(笑)。それ以外は、まあ、敵がいろいろ新しい研究をしていたり街中に出現したり、という伏線は前からあったし、妙な転校生の出現で学校のリアリティが云々という意見もあったみたいだけど、リアリティが云々されるほどには、今までも学校での生活の描写には時間は割かれていなかったし、スタート当初のミュージカル演出を考えればどっちもどっちという気も(笑)。まあ、作品の雰囲気が変わってしまったのは事実だが、もうちょっと暖かく見守ろう(笑)。

 午後から静岡でちょっと買い物。本屋で梶尾真治『クロノス・ジョウンターの伝説』とか、桜庭一樹『GOSICKs』など買い込む。


9月17日(土)

 11時から日生劇場で宝塚の『アーネスト・イン・ラブ』など観劇。オスカー・ワイルド原作の喜劇ミュージカルの宝塚版だが、これがテンポのいい展開、演出と、耳によく残る音楽が相まって、なかなかの傑作。

 因みに、日生劇場にはオーケストラの専用ブースがないので壇上にオーケストラが常駐していたんだけど、そのオーケストラについてのたこい夫妻の会話(笑)。

「あのオーケストラ、気づいた?」
「え? ケージに入ってたけど?」
「そのケージの形で何か気づかなかった?」
「鳥かご?」
「じゃなくて(笑)、19世紀末ロンドンといえば(笑)?」
「あ。もしかして『エマ』(笑)?」

 え〜と(笑)。そのオーケストラが水晶宮を模したケージの中にいる、というちょっとしゃれた趣向だったんですけど、その時代(笑)を舞台にしているので、メイド服が舞台上でスカートを翻らせまくる展開で(笑)、いや(笑)、これは、是非森薫に見せたい舞台だな、と、ちょっと思った(笑)。

 その後、銀ブラ(笑)していたら、アップルストアではiPod nanoがごろごろ売られていた(笑)。

 17時から帝劇で東宝版『エリザベート』。たこいもこれで宝塚版2回、東宝版2回で合計4回『エリザベート』を生で観たことに(笑)。  昨年名古屋で観た東宝版とキャスト違いで黄泉の帝王トート役が内野聖陽。これまで観劇した中ではホラー色が最も強いトートで、トートがストーカー的にすべてを裏から操って最後には勝利を収める、という解釈に感じられる。全体にピリピリした緊張感があって、見応えあり。あと、劇場の音響もえらくよかったように感じた。


9月18日(日)

 『響鬼』第2部だが、帰宅してから観た先週分の話では、謎の転校生(笑)の底の浅さはともかく、主人公の父親をめぐる話は、直接の対面はなしに、間接的に父親の人間像をかいま見させる、という抑制された演出で悪くない。ただ、ラストで転校生が「ヒビキは今に僕のものに」みたいなことをうそぶいて終わってしまうあたりが、底の浅い印象を与えるかな。ただ、このくらいなら第1部との橋渡しとして、許容範囲内……だったのだが、今週分は……すみません、『マックス』とは別の意味でイチ抜けていいですか(笑)? いや、唐突に登場した布施明のキャラクターのぶっ飛び方(笑)はまだ許せなくもないんだけど、その布施明が作ってきたという新兵器アームドセイバーのネーミングもデザインも露骨に戦隊ものっぽくて今までの世界観ぶち壊し(笑)。今回から登場したやっぱり戦隊ものの悪役っぽいファッションの強化された童子と姫が、第1部の敵役の白装束の連中を内ゲバで殺して回ってるのも、第1部をなかったものにする、という新スタッフの意思表示か? 予告で登場していた響鬼の強化形態も同様の戦隊ものテイストで、かなりしょぼーんな印象(笑)。


9月24日(土)

 あいにくの雨だが、日比谷公園へ。オクトーバーフェストin日比谷という催しでビールをちょっと飲む。本葉直送のオクトーバーフェストビールがなかなか美味しかった。あと、売店で売っていたドイツ風のにしんの酢漬けも美味しかった。とはいえ、ビールも料理も高かったけど(笑)。

 妻といったん別行動で秋葉原へ。定点観測中心で特に買い物はなし。夕方、喫茶店にちょっとこもってiBook G4でちょっとぱこぱこする。


9月25日(日)

 14時半くらいまで、妻の実家でまったり。その後、大荷物を抱えて東京宝塚劇場へ。雪組公演『霧のミラノ/ワンダーランド』を観劇。

 『霧のミラノ』は、オーストリア占領下のミラノで反オーストリア組織を率いる貴族青年の話。ダンスがスピーディかつ華やかで、演出のテンポもよく、なかなか楽しめた。『ワンダーランド』の方も、トランプをモチーフにした赤と黒の衣装のコントラストを生かした演出とか、なかなか楽しめた。

 劇場に行く前に買ってあった桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を、焼津への帰途読み始めて、その日のうちに一気読み。これは確かに「問題作」というか、ライトノベルというジャンルのイメージからは外れた位置にある小説。児童虐待やいじめがメインのモチーフなのだが、犯人役でも被害者役でもある頭脳明晰な美少女が、親からも社会からもスポイルされている、というのは、同じ叢書の『GOSICK』の美少女名探偵ヴィクトリカの鏡像のような構図で、これを『GOSICK』と同じ叢書から出版するというのは、なかなか底意地の悪い趣向で(ちゃんと「ミステリ」の体裁も成しているのがある意味見事)、その意気やよし! これを書いてしまう作者も作者だが、半分は担当編集者の慧眼というべきか。

 あと、作中描かれる少女たちの抱える閉塞感の生々しさは那州雪絵あたりにちょっと通じるところがあるかも。


9月26日(月)

 今日は人事異動発令日。久しぶりの部署異動である。とはいえ、今回は、というか、今回も同じ建物の中での異動なので、その点は気楽。

 夕方から職場の懇親会兼今回の異動の送別会など。入社してから転出もしくは退職する人の色紙用の似顔絵をさんざん描いてきたが、自分の似顔絵を他の人に描いてもらったのは初めて(笑)。これがまた、なかなか特徴を捉えていて味がある。立派な跡取りができてよかったよかった(笑)。


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