お楽しみはこれからだッ!!
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第47回 (橋本みつる最新作紹介!)
 掲載誌 (橋本みつる紹介本)
 編集/発行 紗哉
 発行日 1999/?/?


 どうも。インターネットにおける橋本みつるのえらい人(笑)、たこいと申します。いや、実はなにもえらいことをしているわけではなくて、昔から書きためていた橋本みつるについての文章を自分のホームページで公開していただけなんすけどね。

 そんな訳ですが、今回は世界でただ一つの(笑)橋本みつるサイトを運営されている紗哉さんが橋本みつるの紹介本を作るということで、微力ながらお手伝いさせていただきます。まあ、1ページだけおつきあいください(笑)。

「ナミは
 光る私ばっかり見たいのよ!!
 そんなのイヤ!」

 台詞は橋本みつるの現在のところ最新作「幼い恋」より。掲載誌はソニー・マガジンズ発行の別冊きみとぼく1999年夏の号。

 物語は中学1年生の少女、ナツエが転校前の最後のチャンスに、同じ電車でいつも憧れていた少年に告白しようとするところから始まる。

 駅を降りて、人気のない道で少年に近づいたナツエの体は、しかしなぜか光を発し始める。あまりの異常事態に、告白どころではなくその場から遁走するナツエ。

 それから間もなく、ナツエが転校した学校には、偶然にも先に転校してきていた少年、ナミがいた。自分に近づくと光を発するナツエに興味を持つナミ。やがて二人は深夜の海岸で逢瀬を繰り返すようになるが……。

 この先のストーリーは……実はちょっと紹介できない。ナミには「ある秘密」があり、ナツエが光る理由もそこで明らかになるのだが、それをここで紹介してしまっては「お楽しみはこれからだッ!!」というコラムのタイトルに反する(笑)。是非とも本編を読んで、その「秘密」に驚き、余韻を十二分に味わってもらいたい(因みにその「秘密」とそこから派生する「驚き」、その余韻は、SFファンがいちばんプリミティブな「SFの感動」と感じている感覚と等価のものである…と思う)。

 橋本みつる作品の特徴である生々しくもピュアな感情が86ページというページ数分じっくりと描き込まれ、そこに、おそらくは橋本みつる本人はそれと意識せずに描いてしまったであろう「SFの感動」も加わった本作は、文句なし、橋本みつるの最高傑作である、と、橋本みつる歴10年のたこいが太鼓判を押そう! 

 因みにどこにも休刊とはうたってないけど、実は別冊きみとぼくはこの号で休刊(笑)とのこと。白泉社セリエミステリーの休刊という試練(笑)から立ち直ったばかりの橋本みつるファンにまたしてもふりかかる試練(笑)。しかしそんなことであきらめてはいけない(笑)。たとえどれほど雑誌や出版社を放浪しようとも橋本みつるに一生ついていく。それは一度橋本みつるに引きつけられてしまった人間の業のようなものなのだから(笑)。


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