|
基地・安保を巡る情勢の特徴
今年で15回目を迎える2000年日本平和大会は、21世紀を目前にして開かれる歴史的な大会である。ふりかえれば平和大会に結集した私たちは、この間、激しい米ソ軍事対決のもとで日本がアメリカの戦略に組み込まれ核戦場化される危険を告発し、さらにソ連崩壊後唯一の超大国となったアメリカが核疑惑を口実に九四年に北朝鮮への軍事制裁を企てる緊迫した情勢の下で平和の声をあげ、その他さのざまなたたかいを発展させてきた。今日、私たちの平和の声は広がり、歴史的 な南北朝鮮首脳会談が行われなビアジアの流れは明らかに平和の方向へと変化してきている。私は この10月中旬韓国を訪問し、NGOの会議への参加、平和・環境団体との意見交換を行ったが、この変化を強く実感したことをまず最初に申し上げたい。
(1)紛争の平和的解決をめざすアジアの流れ
1・第二次世界大戦後、朝鮮戦争、アメリカのベトナム侵略戦争が行われるなど、アジアは世界の緊 張の焦点となってきた。しかし、かつて紛争の多発地帯といわれてきたアジアはいま平和の発信地へと変化しっつある。例えば、九一年にはフィリピンの米軍基地が撤去され、朝鮮半島非核化宣言 が合意された。九五年には東南アジア非核地帯条約が調印され、九七年に発効している。九四年に ASEAN地域フォーラムが発足し、いまでは日本、韓国、北朝鮮、中国を含む東アジアのすべての国が参加し、東アジア全域の安全保障対話をめざす発展している。これらを通じて国連憲章の尊重、紛争の平和的解決、非核兵器・軍事基地撤去など平和の流れが強まっている。
ソ連崩壊後、北朝鮮の脅威を口実に日米両政府は日米軍事同盟の維持強化をすすめてきたが、朝鮮半島での紛争の平和杓解決への動きは、その口実を根底から突き崩すものとなっている。
2・こうしたアジアの平和の流れに逆行しているのがアメリカの覇権主義である。アメリカは国連憲 章にもとづく世界の平和秩序に敵対し、NATOや日米軍事同盟を総動員して、勝手横暴に軍事干 渉する覇権主義的戦略を推し進めている。昨年三月のアメリカ・NATOによるユーゴ空爆はその 典型である。しかし、アメリカの横暴なやり方は、世界で孤立し破綻を深めている。アジア支配を重視するアメリカは、日本をその最大の拠点としてアジアに十万の兵力を前方展開させ、今後も軍事的介入の構えを続けていこうとしている。米政府によるこうした路線は、新大統領に誰が選出されようと基本的に変わらない。アジアの現実に逆行するこうした流れを絶対に許すことはできない。
(2)日米軍事同明皿の下での日本の異常な事態
1・そうしたアメリカのアジア戦略のもとで「集団的自衛権」の行使をアメリカが日本に求めるなど日米軍事同盟の「再活性化」が狙われている。これらが日本での憲法第九条の改悪をめざす策動の根源となっていることは明らかである。森政権と与党が新ガイドライン=戦争法の異体化、沖縄・ 名護への最新鋭基地建設計画などをすすめようとしていることは、アジアで平和の流れが強まっているとき、アジア諸国のなかでの日本の異常さと孤立化を浮き彫りにしている。
2・戦争法が成立してから一年半たったが、その目六体化の実態は決して軽視できない。政府は、国連安全保障理事会での決議もなしに他国の艦船を臨検する船舶検査法の成立を狙い、周辺事態措置法第九条「解説」の正式決定によって地方自治体や民間企業にたいしアメリカの戦争への協力を強制する態勢を強めている。「周辺事態」を想定した日米統合合同実動演習の実施、作戦計画を異体化するための「調整メカニズム」と日米共同調整所(日米共同司令部)の設置など軍事態勢づくりも進展している。民間港や民間空港への米軍艦船・軍用機の入港、飛来も激しさを増している。この中で、自衛隊も空中給油機の導入や長距離輸送機の開発など海外派兵向けの増強をすすめ、対ゲリラ戦部隊や化学防護部隊の創設、対ゲリラ訓練施設の建設など実戦部隊化をつよめている。
3・米軍基地をめくつても、沖縄・名護への最新鋭基地建設計画の推進をはじめ佐世保への最新鋭強襲揚陸艦エセックスの配備、西海町へのLCAC基地の建設、岩国基地の拡張、海兵隊実弾砲撃演習場の恒常化をめざす施設強化、原子力空母の配備をもにらんだ横須賀基地のパース拡大計画、「メデイクツス2000」(衛生訓練) にみる相模総合補給廠の機能強化など再編強化がすすめられている。
4・これらによって、森内閣はアジアの平和の流れから孤立しており、ここに自民党政治のゆきづまりが示されている。いまお年寄りや患者に負担増を押しつける介護保険や健保改悪、財政破綻をかえりみない公共事業への予算バラマキなど経済政策の失政、かすかずのスキャンダルにくわえて、内閣不信任案をめくる一連の動きは、森内閣はその基盤がズタズタに崩れていることを示した。森内閣の早期退陣を求め国民的世論を高めることはいよいよ重大である。
ひろがる基地の矛盾と世論と運動の変化
(1)基地の縮小・撤去を要求する沖縄県民のたたかいは、95年以来、紆余曲折や高低の波をともないつつすすみ、日本国民の平和のたたかいの一つの紬となってきた。95年の10・21県民総決起集会や九六年の県民投票に示された沖絶県民の世論と運動の高揚に直面した日米両政府は、SACO(日米特別行動委員会)路線を打ち出し、県民の求める「基地の縮小整理」を逆手にとり、一方で「経済振興策」を宣伝し、基地問題では基地面積は減らすなどの「譲歩」もしつつ、基地を 再配置して基地全体の機能を維持・強化する巧妙悪質な戦略をとった。その中心が、人口密集地にあり、多くの問題を抱えている普天問基地の返還と引き換えに名護市辺野苫に海兵航空部隊用の最新鋭基地を建設する計画である。この計画にたいして名護市民は市民投票で反対の意思を明確に示す歴史的勝利をおさめた。これにたいし政府・与党は、名護市長、沖絶県知事に基地容認派を当選させるとともに沖縄サミットの名護開催や10年問に1千億円をかける北部地域経済振興策を取引材料にし、新基地建設の受け入れを正式に表明させるなど予断を許さない状況にある。
しかし、七月二十日の嘉手納基地包囲の「人間の鎖」行動に示されたように基地の縮小・撤去は県民的要求であり、日米政府の新基地押しつけ、SACO路線はさまざまの抵抗と矛盾を抱え、思惑どおりにはすすめられずにいる。世論調査でも新基地建設について反対が賛成をうわまわっている。こうした中で政府は、公約である「基地の15年使用期限」問題を棚上げしたまま、基地建設計画をつくる「代替施設協議会」を立ち上げたが、これは矛盾の先送りにすぎず、さらに工法などの具体化も基地建設推進派内部の矛盾を表面化させ、窮地に陥らざるをえない。日米両政府がいかに巧妙悪質な手口で、基地を押しつけようとしても、それは基地の縮小・撤去という県民要求と相入れないという致命的な弱点をもっており、事実、沖縄県民のたたかいはアメリカもうまくいっていないと嘆くような状況をつくりだしている。
(2)夜間離着陸訓練(NLP)、超低空飛行など米軍の横暴な軍事演習が行われる中で、住民・国民との矛盾が広がっている。神奈川県のアンケート調査によれば厚木基地周辺住民の80%以上が航空ショウでの展示飛行に拒否感を抱いている。横田基地や嘉手納基地周辺で数千名規模の住民が爆音訴訟に立ち上がっていることもその表れである。米軍のNLP強行にたいして、これまで「基地との共存」路線をとってきた三沢市長が「日本を植民地あつかいしている」とし、大和市長も「なめられているとしか思えない」とし「米海軍との友好中断」を表明するなど新しい動きが生まれている。米軍基地の被害と犯罪が増大する中で、沖縄県、十四都道県渉外知事会、神奈川県市連絡協議会が日米地位協定の見直しを要求していることも注目される。地方自治体の「友好関係断絶」発言によって、米軍はNLPを緊急に中止することになった。NLPの緊急中止は前代未聞のことであり、このことは地域住民の不満と怒りを背貝にした「自治体の力」がいかに大きいものであるかを明らかにした。自治体の一連の動きは、住民の安全を守るという地方自治体としての役割と米軍の横暴がもはや両立しがたい矛盾となっていることを示している。
(3)注目されるのは、こうした地方自治体や地域住民の新しい動きと平和運動との連携・共同が進んでいることである。低空飛行訓練中止の一点で地方自治体と平和運動・労働組合との共同がすすみ、12月4日には「米軍機低空飛行問題全国ネットワーク呼びかけ人会議」も開催される。昨年の岩国市での平和大会に芸北町町長や山口県岩国港湾管理事務所次長が登場し、日米統合合同実動演習の舞台となったあいば野演習場の周辺自治体で「共同演習反対」の意見書が採択され、10・21中央集会に環境団体の挨拶、大和市長のメッセージがよせられたこともその表れである。
(4)基地問題で国際的連帯と共同の条件が広がっていることも浮き彫りになった。沖縄サミットの時に沖縄基地の異常さを告発した日本平和委貝会の「よびかけ」に35カ国350名が賛同・連帯してくれた経験はそのことをよく示している。韓国やプエルトリコ・ビエケス、イタリアなど 同じように米軍基地問題をかかえる各国の基地反対運動との連帯活動も進められている。また、沖縄サミットに際し、NGO会議が名護の新基地に反対を表明したり、国際自然保護連合が10月に開催した第二回世界自然保護会議(ヨルダン・アンマン)が新基地建設との関係でジユゴン保護の決議を採択するなど環境保護の視点からの国際世論も広がっている。
(5)すでにみたようにアジアでの平和の流れは、戦争法を無用のものにする条件をつくりだしている。あいば野演習場周辺自治体である浅井町議会が日米合同演習に反対する理由に朝鮮半島での南北首脳会談やオリンピックでの南北合同行進、日露平和条約交渉の継続など平和な21世紀への構築努力をあげていることはその端的な実例である。この間、陸・海・空・港湾20労組のよびかけによる新ガイドライン阻止の大シンポジウムの開催、旧軍港である舞鶴・横須賀・佐世保市職労による共同声明の発表、神奈川県での市民団体による地方自治体にたいするアンケート調査の運動、横浜での港湾4社による米軍協力拒否の方針、周辺事態措置法第9条「解説」への疑問・問い合わせも続いている。
(6)情勢の激動は、当面の緊急要求での共同の広がりにとどまらず、安保条約を根本的に問い直す動きを強めている。ソ連の崩壊でその「根拠」を失った日米軍事同盟は「ならず者」国家など強引な口実で維持されてきたが、アジアでの平和の流れの強まりの中で、さらにそれも説得力を失っている。しかも、核密約に示される秘密取決めの存在は日米安保条約が国民にとっていかに危険きわまりない代物であるかを浮き彫りにした。こうした下で日米軍事同盟を新たな危険な段階に引き上げようとする動きもあり、矛盾も深く、21世紀の早い次期に安保廃棄の多数派を形成してい くうえで新しい条件と展望も生まれている。
新たな変化に対応した国民的共同の発展を
(1)事態の根本的な打開のためには平和大会がかかげる基本課題である日米軍事同盟打破・基地撤去を国民多数の合意にしていくことが求められる。同時にまだその目標では一致できないが、基地被害の一掃、基地の縮小整理、戦争法の発動ノーなど緊急の要求で地域住民の多数を結集し、国民的規模で共同を発展させることはきわめて重要である。世論と運動の新しい変化の中で、切実な要求にもとづき国民の多数を結集して政府を包囲することによって、要求の実現も可能となるし、事態の根本的解決を目指す展望も切り開ける。
(2)米軍基地問題では、当面の課題として沖縄・名護への新基地建設など基地の新設・増強反対、日米地位協定見直し、空母母港の撤回、思いやり 予算の廃止、NLP・低空飛行訓練の中止などの実現のために奮闘する。
共同を発展させるうえで注目すべきことは、@地方自治体や住民の基地要求が政策的に発展して きていることである。基地被害や米兵犯罪にたいし個別的な直接の要求をかかげるとともに、そこから空母母港撤回や地位協定見直しなどさらに踏み込んだ要求での共同を安保条約への立場の違いを越えて前進させる可能性が広がっている。これらの要求は安保の根幹にかかわるものだけにいっそう重要である。2・運動での共同を環境など住民市民団体、専門家、地方自治体、国際諸団体など に大きく広げることが重要である。3・平和大会に結集した自覚的勢力の果たす役割は重要である。
切実な一致点での共同の正しい前進のための全力をつくすとともに苦しみの根源にある安保条約の 廃棄、基地撤去の世論をひろげるために独自の奮闘が求められる。
(3)戦争法の問題では、戦争法の具体化・発動許さず、有事立法反対、憲法改悪反対の課題をかかげてたたかう。このたたかいでは、1・アジアで紛争の平和的解決の流れが大きく前進したことに もとづいて、戦争法がいかに無用な長物となっているかを広範な国民に宣伝する。2・自衝隊の実戦部隊化に反対し、自衛隊基地などによる被害の一掃を求める。3・このたたかいを基地反対のたたかいなど「平和を求める」動きと結んで政府を大きく包囲する方向で奮蹄する。4・そもそも有事立法は、アメリカの干渉戦略の下で戦争戦争法が発動された場合、日本の参戦体制を確立するために制定される。有事立法制定は戦争法を発動しやすくするのであり、立法化の動きに断固反対する。
自衛隊の海外派兵と日本の軍事大国化にとって歯止めとしていまなお重要な役割を果たしている憲法第九条の改悪に反対する共同をひろげる。これらの課題でのたたかいの中で、苦しみの根源である日米安保条約の廃棄を世論の多数とするため独自の努力を払う。
最後に
私たちが平和な21世紀へのとびらを開く上で、沖縄・名護への最新鋭基地の建設を許すか、それともこれを阻止するかは日本とアジアの平和と安全にかかわるきわめて重大な問題となっている。政府は、沖縄県、名護市を巻き込んだ「代替施設協議会」での基地建設計画づくりを来年8月には完成させるとされている。こうした策動を打ち破り新基地建設を阻止するため名護、沖縄のたたかいはもとより本土での連帯行動を大規模に盛り上げようではないか。また、環境保護団体とも共同し、ジユゴンを守り、新基地建設をやめさせる国際的な世論と運動を起こしていこう。
この平和大会で学び、交流し、全国各地の草の根から、米軍の横暴に反対するたたかい、戦争法の具体化を許さないたたかいに取り組み、日本の進路を非同盟・中立・平和へ転換するため 多数派となる共同を新たな意気込みですすめよう
2000年日本平和大会(沖縄)・国際シンポジウム
1 会期 11月初日午後1時刃分〜12月1日午前12時(予定)
2 会場 郵便貯金会館メルバルク沖縄 2F・翠麗の間
3 タイトル「沖縄からの発信 米軍基地被害の根絶を求める国際連帯を」
4 討論テーマ
(1)各国の米軍(NATO軍)基地問題の現状−人権、環境、発展、主権などの視点から
(2)各国と米軍との軍事協力について−−一地位協定、軍事協力の‡韻十など
(3)アメリカの覇権主義的世界戦略についての分析
(4)各国の運動の状況、国際連帯の可能性と必要性
5 プログラム
(1)第1日日(11月30日)
午後1時30分 開会あいさつ 高橋和枝さん(新日本婦人の会事務局長)
パネリスト第1発言
ジョセフ・ガーソンさん(アメリカ・アメリカフレンズ奉仕委員会)
フランチェスコ・イアヌレッリさん(イタリア・ピースリンク)
イム サンジンさん(韓国h帝絶連合)
イスマエル・グァダルーペさん(フェルトリコ・ビエケス救済発展委員会)
マリア・トレイナト=フレマーホさん(フェルトリコ・中南米移民エンパワーメント)
須田 博さん(日本平和委員会)
コーディネータ 川田忠明さん(日本平和委員会)
休憩(15分間)
沖縄からの特別報告
仲村善幸さん(ヘリ基地反対協吉義会事務局長)
東恩納琢磨さん(ジュゴン保護基金)
討論
第1テーマ「各国の米軍(NATO軍)基地問題の現状「人権、環境、発展、主権なとの視点から」
休憩(15分間)
討論
第2テーマ「各国と米軍との軍事協力について−地立協定、軍事協力の指針など」
午後6時30分 第1日目閉会
午後6時45分〜8時 外国代表歓迎レセフション(1F・歓会の間)
(2)第2日日(12月1日)
午前9時 第2白目開会、
討論
第3テーマ「アメリカの覇権主義的世界戦略についての分析」
討論
第4テーマ「各国の運動の状況、国際妻帯の可能性と必要性」
発表文の紹介
まとめ発言(バネリスト各5分)
午前12時 閉会 閉会あいさつ 岸本直美さん(日本原水協事務局次長)
海外代表紹介
イタリア
フランチェスコ・イアヌレヅリ(ピース・リンク軍籍部門調整者)
ピース・リンクは、91年に設立されたイタリアの平和問題の情報交流センター的な役割をはたしている市民団体)扱う課題は、環境問題から軍縮問題、異文化交流など多技にわたっています。まだインターネットが一般的でなかった80年代から活動を開始しており、この分野での草分け的存在で、広範な団体、教軋社会活動家など広範な人々が参加しています。
NATOのユーゴスラビア空爆の際には、マスコミを使った、「人道的介入」を口実とした空爆正当化の論調がはられたが、同周体は、リアルな情報提供を行い、イタリアの平和団体のもっとも重要な情報源となったといわれています。
情報交流だけでなく、運動の組織にも力を入れており、NATO原潜の寄港によるイタリア港湾での核事故の危険に反対する運動は、大きな関心をあつめ、イタリア各地で、抗議行動も行われました。また、コソボ、チェチェンでの活動もおこなっています。
韓国
イム・サンジン(緑色連合事務局長)
緑色連合は、韓国の最も大きな環境団体の−−−一つで、在韓米軍基地による環境破嬢を告発し、基地被害の根絶をもとめる運動にとりくんでいます。同時に、米軍の環境破壊を野放しにする根源なっている韓米行政協定(=地位協定)の改定をもとめる運動でも積極的な役割をはたしています。
今年七月に同連合は、ソウル市内を流れる漠江に米軍が、有害なホルムアルデヒドを廃棄していたことを暴露し、国民的にも大問題となり、米側も謝罪を表明した。これ以外にも、廃油の垂れ流しによる汚染や有毒物質の杜撰な管理など、米軍の環境破壊を次々に告発してきています。また、同団体の作成した環境破壊の実態をしめすスライドは、米韓行政協定改定交渉で、韓国政府側がアメリカへの説明の際に使用されました。
10月には、日本平和委員会としてはじめて韓国を訪問し、同団体体との交流を深めています。
アメリカ
ジョセフ・ガーソン(フレンズ奉仕委員会プログラム・コーデイネーター)
フレンズ奉仕委員会は、平和主義を重視するキリスト教徒団体で、国内外で反核運動、反戦運動などを積極的にすすめており、ガーソン氏は、政策・活動の組織の面で重要な役割を果たしています。
同氏は、アメリカ覇権主義の世界戦略、アジア・太平洋戦略についての研究・分析に造形ふかく、とくに沖縄基地問題については、特別の関心をはらってとりくんできています。沖縄G8サミットに際しては、沖縄の基地問題解決を訴えるアメリカの広範な学者、文化人などの連名アピールなどを組織し、沖縄現地の新聞広告を発表し、注目をあつめました。
ガーソン氏は、これまで原水爆禁止世界大会にたびたび参加するなど、原水爆禁止運動の発展にも重要な貢献をしてきました。そして、沖縄をはじめ日本各地の平和運動とも交流をかさねるなど、日本の平和運動と深いつながりをもっています。
■プエルトリコ
イスマエル・グアダノレーぺ(ヴィエケス救済発展委員会)
米海軍の演習場をかかえるヴィェケス島で、軍事演習による環境被害や人権問題の解決、地域の経済社会発展のために活動しています。
60年以上にわたって、アメリカの支配のもと、海軍基地の演習場がおかれ、住民のあいだで死傷者を出す事故がくりかえされるとともに、ガンなどの疾病が高率で引き起こされる状況を生み出してきています。また土地と、天然資源がアメリカの管理にあり、現地の有力な産業である漁業を妨害し、プェルト・リコ本島との最短桐報のルートが海軍の管理下におかれるなど、ビエケス島の経済発展にとっても重大な影響をもたらしています。
グアダルーペ氏は、演劇の先生を勤めていますが、演劇は、市民運動を組織するうえで、重要な役割を果たしています。
○同氏の補佐として、マリア・トレイナト=プレマーホ女史(アメリカ社会における中南米民族の文化的・民族的アイデンティティーを護り、経済的・社会的自立を支援する団体である「中南米移民エンパワーメント」の設立者)も参加します。
2000年日本平和大会・沖縄
国際シンポジウム
ジョゼフ・ガーソン
アメリカフレンズ奉仕委員会
アジア・太平洋におけるアメリカの覇権主義と沖縄の現瞬間
日本平和委員会とこの大会を組織された皆さんにお礼を申し上げます。この大会に参加することができとても光栄です。沖縄を占領している国からやって来た者にとっては、誰であれ、
自由と真の人間の安全保障をめざすみなさんのたたかいに意義ある貢献をするということは、身の引き締まる、道義的に困難な挑戦でもあります。
私は、6月の下旬に沖縄に短期間滞在し、当時組織されていた行動の支援をしたり、G8サミットの初日に沖縄タイムズに掲載する米軍基地撤去の意見広告の準備をしていました。嘉手納
空軍基地を包囲する人間の鎖行動の日まで滞在できなかったことが心苦しかったのですが、みなさんは、勝利しました。沖縄から、米軍と基地は出て行け!の抗しがたいメッセージが広げ
られたのです
前回私が沖縄に来た1996年、反対運動は温良に達していました。その時、そして今回もそうですが、沖縄の米軍基地の広大さ、あらゆるところに存在している状況、月常的に県民に与えている危険、米軍が住民の生活、文化、発展を押さえつけているやり方に、衝撃を受けました。米兵による少女の拉致・暴行が、いかに沖縄全体の痛ましい長く押し殺された記憶をよびさましたかということが、深く胸につきささりました。
また、こんなことは「二度と許さない」と決意した女性たちから、「命どう宝」とくっきり
と書かれたはちまきを巻いて抗議する地主の人たちまで、幅広い人々の抵抗に深く感動しました。私は、数十年にわたる沖縄の政治的抵抗によって、何がかちとられてきたかを理解するようになりました。沖縄の県民投票で92%の人々が、米軍基地の撤去を求めたということは、まったく当然のことでした。
私はまた、1996年、東京で、アメリカと日本の高官にインタビューする機会を得ました。彼らは冷淡なシニシズムをもって、沖縄県民と彼らの支援者たちをなだめようとしていました。彼らは、米軍の撤退ではなく、沖縄における「米軍の足跡の大きさ」を縮小することによって、米軍基地への反対を社会の中心問題からはずし、隅へ追いやることができると信じていました。このように、SACO(訳注:沖縄における施設および区域に関する特別行動委員会)報告は、沖縄の米軍の駐留を再強化することしか提案しませんでした。彼らは、提案されている「ヘリポ
ート」計画、すなわち、沖縄北部のさらなる軍事化とアメリカの外国への軍事介入を「200年間」続けるための、巨大な新しい空軍基地を建設することについて黙認しました。その新しい基地が、朝鮮が再統一した後も長く東アジアで米海兵隊を維持することにいかに関係しているか、墜落事故を起こしたX−22オスプレイの危険な設計上の欠陥についても、何も指摘しませんでした。
政府が太田知事の放逐を図ったこと、名護市民の意思を欺くために政治的操作が行われたと、日米両政府が10億ドルの「開発」資金や夏のG8サミットでなされた暗黙の約束で沖縄県民を買収しようとするのを見ているのは痛ましいことでした。それは、古くから使われた分断と支配の手法ですが、沖縄県民の自尊心、尊厳、忍耐の真価を理解できていません。それゆえ、そのやりかたは最終的には失敗に終わるでしょう。
アメリカの地球的アジェンダ
米軍によるひきつづく沖縄の占領と日米安全保障条約は、アメリカの世界戦略の構成要素です。それについて、私は、アジア・太平洋で高まるアメリカの戦争準備の問題に入る前に、簡単に論じたいと思います。
冷戦の終結から10年、アメリカの軍事費は、冷戦時の水準と変わりません。今日、国防総省の予算は、アメリカの同盟諸国の軍事予算の総計を上回り、また、アメリカに次ぐ軍事費大国9カ国の軍事予算の合計をも上回っています(1)。国防総省の研究開発予算だけをとってみても、他のどの一国の軍事予算よりも多いのです!
ソ連の崩壊にかかわらず、アメリカとそのヨーロッパの同盟国は、NATOの拡大を追求し、NATOのヨーロッパを越えた「域外」の戦力投入能力を高めています。世界での覇権を強化するために、アメリカは新世代核兵器を設計し配備しています。そして、自国の核兵器の使用の可能性を高めるような新たな核戦争ドクトリンを採用しています。そして、ご存知のようにアメリカの外国駐留軍は、アジア・太平洋全体、そして世界中の軍事基地や施設に駐留しつづけています。
最近の選挙期間中、明らかに森首相と同等の知性を持ちあわせているプッシュ次期大統領は、アメリカの空前の軍事力と脅威を維持するために何をすべきかを説明しました。「私が若くて、世に出ようとしていたとき、世界は危険な場所であり、われわれは『彼ら』が誰であるかを正確に理解していた。『われわれ』対『彼ら』の図式があり、『彼ら』が誰かは明らかだった。今日、誰がその『彼ら』であるかは明確ではない。しかし彼らがそこにいることはわかっているのだ。」(2)
幸運にも、プッシュは自分の限界を認識していますが、そのマイナス面は、それを補うために、自分のまわりに、父親の大統領時代や、レーガン、ニクソン政権時代の冷戦の戦士、すなわち、キッシンジャー、シュルツ、スコウクロフト、パウエル、デイック・チェイニー、コンドリーザなどを置いたことでした。一方、アル・ゴアと彼の中心的な外交・軍事アドバイザー、レオン・フユースは、プッシュを上回るほどの軍事費増加を訴えました。先の大統領選では、外交政策と軍事間題については、ブッシュとゴアの間には、わずかな違いしかありませんでした。ブッシュは、日米軍事同盟をより重視すること、中国は「戦略的パートナー」というより「戦略的競争者」であることを、より明確に述べました。にもかかわらず、両候補とも、中国との正常な通商関係の恒久的な延長を支持しました。弾道ミサイル防衛の最終的な配備という点では、たとえそれがABM条約の廃棄を意味するものであっても、両者の考えは一致しています。2つの核超大国の核戦力を各々1000まで削減しようというロシアの提案に対して、ゴアは、アメリカは少なくとも、広島型爆弾の約5万倍の破壊力に匹敵する2500発の核弾頭を維持しなければならないと主張しています。プッシュは一定程度の一方的な軍縮措置をとる意向を示唆していますが、彼の父親のやったことと同様、アメリカの核による支配を弱めるようなことには手をつけることなく、偶発的核戦争の危険を減らすような限られた措置にしかならないでしょう。そして、ブッシュがゴアに対し、軍事的決意があるのかと挑戦したとき、ゴア副大統領は、クリントン・ゴア政権の決意は、イラクの上空を飛ぶ米軍機や経済制裁体制を通じて日常的に示されていると、得意げに語りました。その制裁が、毎週5000人ものイラクの子供たちの命を奪っていると推定されているにもかかわらず。
一つの重要となる新たな進展は、元高官や学者の委員会によって準備された報告がこの秋出されたということです。「この報告は、より強力な日米同盟をよびかけるために、共和党、民主党両党の努力を示すもの」であり、日米両国の政策の大幅な変更を提案しています。新戦争ガイドラインを実行しやすくし、日米安保を崩壊させるような政治的障害をとりのぞくために、報告は、日本国憲法を「集団的自衛」を認めるよう改定することを「歓迎」しています。SACO報告を支持する一方で、それは、数は明記されていませんが、現在沖縄や日本の本土に駐留する米軍を一部分、グァム、オーストラリア、フィリピン、あるいは、アジア・太平洋の他の地
域に最終的には再配備することを意味する、「施設」と「訓練」の「分散化」をよびかけています(3)。
2、3年前、三者委員会(TrilateralCommission)の理事であり、カーター大統領の国家安全保障顧問であるズビグニュー・プレジンスキーは、驚くべき本を発行し、その厄介なほどの率直さのゆえに、アメリカの外交政策機構内の人々からきびしい批判を受けました。その並外れた著書の中で、プレジンスキーは、アメリカ帝国がどのように機能しており、その勢力圏を維持、拡大するためには何がなされるべきかということをかなり詳しく論じています。重要な点ですので、すこし長くなりますが引用.します。あまりに重要すぎて、無視できないのです。
プレジンスキーはこう述べています。「アメリカのグローバルシステムは、敵の取り込み術に重点を置いている(敗北を喫したライバルのドイツ、日本、最近なロシアでさえもそうだが)…これは・‥外国の対米従属エリートたちに対して間接的に影響力を行使することに大きく依存している。」「アメリカの覇権は、コンセンサスを作りだし、力と影響力における不均衡をあいまいにすることをねらった、互いに入り組んだ制度や手続きからなる複雑な機構を有している。アメリカの世界覇権は、このようにして、文字通り世界中に広がる同盟と連合からなる精巧なシステムによって支えられている。」(4)
この点で、プレジンスキーは、日米同盟、NATO、国連、IMF、G8二世界銀行、世界貿易機構
(WTO)を見ろと促しています。プレジンスキーは、「アメリカの世界的覇権は、以前の帝国を偲ばせる‥・アメリカは世界の外洋と海をすべて支配するばかりでなく、…アメリカの駐留軍はユーラシアの西と東の両端にがっちりと配備され、ペルシャ湾をも支配している。アメリカの配下の国々や属国は、ユーラシア大陸全体に点在している。」(5)と続けています。
プレジンスキーは「アメリカの戦略目的は、世界の覇権を握ることであり、アメリカは、ヨーロッパ、アジア大陸において、自国の地位への脅威になるようないかなる大国の登場も許すことができない」と説明しています。アメリカの総合参謀本部が最近発表した新戦略軍事ドクトリン「ジョイント・ビジョン2020」でも同じことが述べられています。統合参謀本部は、中国、ロシア、日本、フランス、ドイツなどの国々を「潜在的な同等の競争国」と呼んでいます。これまで打ち出されたアメリカの軍事ドクトリンはどれも、アメリカの政策の最優先課題は、これらの国々が世界の覇権をアメリカと競うような大国にならないようにすることでなければならないと、明確に述べています(6)。
「国境のない」「グローバル化」と多国籍資本の時代に、アメリカの多くの国民は、どうして国防総省が世界の憲兵の役割を果たして、トヨタ、三菱、ブリテッイシュ・ペトロリアムやドイツ銀行のために世界を安全にしなければならないのかと感じています。彼らはまた、中国内のフォードやGMの工場、インドネシアやベトナム内のナイキ社の搾取工場、あるいやイランの油田に打撃を与えることに、どんな意味があるのかと疑問を投げかけています。
アメリカの冷戦ドクトリンの中心的作成者であるジョージ・ケナンや、クリントン大統領、そしてニューヨークタイムズは、この明らかな矛盾に答えています。ケナンが1948年に国務省の政策企画部の部長をしていた時、彼はアメリカの政策立案者たちに以下の提言をしました。
「アメリカは、人口は世界の6.3%にしかすぎないが、富は世界の50%を占めている。この状態では、われわれは、うらやみや恨みの対象にならざるを得ない。来るべき時代のアメリカの真の課題は、この格差の状態を維持しうるような諸関係のパターンをつくりだすことである。人権や生活水準の向上、民主化などのあいまいで非現実的な目的について話をするのはやめる
べきだ。ストレートな力の概念に対処せねばならなくなる日は遠くない。そのときに理想主義者的なスローガンに邪魔されるの度合いが少なければ少ないほどよい。」(7)
それから50年が過ぎたヨーロッパと日本の経済の再建後、ビル・クリントンは、ある労働組合の大会で、そのことについて「アメリカは世界人口の4%を占めているが、世界の富の22%を維持したい」と述べました。(8)
もし、これでも完全に明快でないということなら、ニューヨーク・タイムズの外交政策コラムニストのトム・フリードマンは、それを、はっきりとした言葉でこう言っています。「持続可能なグローバル化は、依然として、安定した地政学的な力の構造を必要としており、それは、アメリカが積極的に関わらなければ、決して維持することはできない。シリコンバレーが設計しているすべてのテクノロジー、促進しているすべての貿易と金融の統合、そして、これが生み出しているすべての富、これらが、ワシントンD.C.に首都を置く、慈悲深い超大国によって安定化された世界において生じている。市場の隠された手は、隠された鉄拳なしには決して機能しない。マクドナルドは、F15を製造したマクダネル・ダグラス社がなければ成功することはできない。シリコンバレレのテクノロジーのために、世界を安全に保っている隠された鉄拳は、アメリカ陸軍、空軍、海軍、海兵隊である。(9)
こうしてみると、コーエン国防長官がフオーチュン誌上位500企業の最高経営責任者に対して述べた、「合衆国旗に続いて企業が進出する…米軍が安全を提供し⊥企業は投資を提供する」という言葉がよりよく理解できます。アジア・太平洋全域で、GEキャピタル、ゼネラルモー
ターズ社をはじめ、アメリカ系多国籍企業は、アジアの経済危機と日本の長期不況に乗じて、この地域諸国へのアクセスと市場シェアを増加させているのです。そして平壌での南北朝鮮首脳会談のわずか数日後には、コカコーラが北朝鮮に輸出され、アメリカ商工会議所は平壌へ代表団の派遣を準備し始めました。
プレジンスキーは、「帝国主義的な戦略地政学上の三大至上命令は、従属国間の共謀を阻止して安全保障上の依存度を維持すること、従属国の従順性を維持し保護すること、野蛮な国々同士が手を組むことを阻むことである」(10)と書いています。国防総省の言うこともほとんど変わりはありません。アメリカの軍事ドクトリンは三つの必須目的を中心に作られている。それは、「国際的環境を形作ること」、「あらゆる種類の危機に対応し…アメリカの決意を示し グローノミルな指導者としてのアメリカの役割を再確認すること」、そして「不確実な将来に向けて今から備えること」です(11)。統合参謀本部は、「あらゆる形態による支配」を通じてこれ
を行う(12)とのべています。米国内では、これらが何を意味しているかを真剣に検討している
者はほとんどいません。
「ジョイント・ビジョン2020」とアメリカのアジア・太平洋政策
「ジョイント・ビジョン2020」は、アジア・太平洋での戦争準備への優先度を高めるものです。ワシントン・ポストの記事(13)は、この新ドクトリンのねらいを正確に指摘しています。
「中国を名指しはせずに」、新ドクトリンは「同等の競争相手」の台頭の可能性を警告するだけにとどめて」いるとワシントン・ポストは説明しています。同記事は、「ジョイント・ビジョン2020」が、「アメリカ軍がひそかにヨーロッパから焦点をはずし、…将来の軍事紛争の可能性がもっとも高い、あるいは少なくとも競争が起こりそうな地域としてアジアに日を向けていることを示している」と述べています。この「新たな傾向は、太平洋配備の攻撃型潜水艦が増加し、軍事演習や戦略研究がよりアジアに集中し、この地域での米軍プレゼンスの再編をめざした外交が増えるといったことに現れている。国家安全保障に携わるものたちの間では、バグダッドから東京にかけての地域が今後数十年間に渡ってアメリカの軍事的競争の主な舞台になるというのが共通した予想となっている。陸軍を除き、国防総省の行うゲームは、ますますテヘランから弧を措いて東京を結ぶアジア地域を舞台に行われるようになるだろう」というのです。
この新たな焦点のかぎとなるのは朝鮮半島の和平と、「中国との敵対的関係が生まれる可能性」の両方です。ワシントン・ポスト紙は、1996年に国防長官に就任したウイリアム・コーエ
ンの当初の懸念の一つは、「朝鮮半島に平和が訪れた後は米軍は撤退するという仮定をどうすれば変えることが出来るだろうか」ということだったと報じています。コーエンの懸念の裏には、「アメリカの政策立案者たちの多くが、遅かれ早かれ中国がアジア全域に重大な影響力をもつ最大の国となると考えている」という事実がありました。中国の最近の台湾に対する強硬
な外交姿勢とあいまって、このことが、「中国の軍事的野心へ注意をひきつけている」のです。
米軍と基地が「北朝鮮の脅威がなくなっても韓国と日本で歓迎される」ように、ジョイントビジョン2020は、前進配備戦力が「占領軍のようにではなく、訪問者あるいはパートナーのように振舞う」べきであると述べています。「このため、ペンタゴンはアジア・太平洋の『配下の国々や従属国』との間の地位協定再交渉において、ある程度妥協を行う意志がある」ようです。
「同等の競争者」になる可能性ありとみなしている中国と日本に、同時に関与し封じ込める努力の一一環として、クリントン政権は、アメリカと幾分規模は小さいが日本の力を「再定義」 し、再強化し、拡大しました。安保は今、台頭しつつある中国の力を、日米支配体制に統合するための強制的な基盤としての役割を果たしています。アメリカにとって理想的なのは、中国を、米・日・中の階級制度に取り込む、あるいは組み込むよう強制し、日本と中国がアメリカにとっての『第一の』地域パートナーの地位を競いあうという仕組みをつくることです。それができなければ、安保条約の拡大に見られるように、アメリカはどちらか一方を利用してもう一方の孤立・封じ込めをねらうでしょう。
ワシントンはまた、米軍の「東南アジアへの再入港」を推し進めています。いわゆる「訪問軍隊協定」の名の下に米軍がフィリピンへの再来したことはその典型を示しました。アメリカ
は「オーストラリアとの軍事的協力関係を拡大して1000人の兵員をクィーンズランドに派遣
して合同演習を行った…。シンガポール軍は『コブラ・ゴールド』演習に参加し、「特別に、原子力空母の入港要件を満たすよう、新たな埠頭を建設して」います。アメリカは中国の包囲網を切れ目なく作るため」ベトナムをも取り込みたいと願っています。そして最近おこなわれた
クリントン大統領とインドのバジパイ首相の相互訪問は、中国と、戦闘的イスラム教徒に対抗
してひそかに形成されつつある米印同盟を強化するために行われました。
最後に、ワシントン・ポスト紙上での「ジョイント・ビジョン2020」の核兵器問題へのア
プローチに関する言及はすべて、イラン、パキスタン、アフガニスタンなどの国々が不合理な
行動にでる可能性に関して示唆しています。しかし、この核の時代において、「あらゆる範囲の支配を行うことの出来る合同軍」は、エスカレーション支配と核「テロリズム」の実行が可能な第一撃核兵器を有していることを念頭に置かねばなりません。このため、クリントン・ゴア政権は、核戦争準備は引き続き「アメリカの政策のかなめ石」である、と強調し、イラク、北朝鮮、中国、イラン、リビアに対して核戦争開始の脅迫を行ったのです。ゴアとプッシュが弾道および戦域ミサイル防衛を支持し、アメリカが現在冷戦時代を上回る額を核兵器の研究開発につぎ込んでいるという事実は、アメリカの政治、経済、知的、文化的生活に核の覇権がい
かに深く組み込まれているかを物語っています。
日米同盟(安保)
この数十年、アメリカの指導者たちは、日米同盟について「世界の最も重要な二国間同盟」、「アジア・太平洋の安定の基礎」、「アジアの戦略的政策の要石」などといったお廣目を繰り返してきました。ちょうど日本の歴代首相が新任早々ホワイトハウス詣でをするように、日米同盟についてのお題目を好んで繰り返すことが、ワシントンで政権の座を望む者たちにとっての義務となりました。最近の中国通商論議の余波を受けて、息子のほうのジョージ・プッシュは、「我々の戦略的パートナーは日本だ」との大合唱に加わり、その日和見主義ぶりの新たな側面を示しました。これは単なる同盟を確認しただけでなく、アジアの伝統的同盟諸国を十分重視してこなかったとのクリントンとゴアヘの非難でもありました。ブッシュの顧問、リチヤード・アーミテージはこれを続けて、日本は中国と違って「わが国の軍事的駐留を引き受け、わが国の戦略をアジア全域に及ぼすことを可能にしている」とまで主張しました(14)。
代価のない同盟はありません。この場合、沖縄が最大の犠牲を強いられてきました。沖縄は、巨大な訓練基地であり、通常戦力、核戦力を問わずインドシナからペルシャ湾、台湾からインドネシアにかけてのアメリカによる侵略の浮沈空母として使われています。核戦争の基地としての沖縄の役割は、安保が沖縄や日本の防衛とかアメリカの安全保障などよりも、アメリカと同盟国のエリートたちに法外な利益をもたらす地球的な無秩序を保持することに結びついています。
冷戦終結時、ワシントン当局者は、安保を21世紀にも維持するうえで二つの主要な障害にができなければ、安保条約の拡大に見られるように、アメリカはどちらか一方を利用してくもぶつかっていることに気づいていました。ソ連なき今、その同盟は納得のいく敵を欠いていました。ワシントン当局はまた、日本国民、とりわけ沖縄県民が米軍駐留にともなう危険、混乱、屈辱などに次第に我慢できなくなっていることも知っていました。
1995年の「ナイ・イニシアチブ」はこれらの亀裂に取り組むためのもので、それに続くSACO報告は沖縄県民を鎮めようとするものでした。ついで、当時のペリー国防長官が冷戦終結後の時代で「もっとも意義深い」首脳会談と称するものによって、「21世紀の安全保障同盟に関する日米共同宣言」が打ち出されました。その首脳会議において、クリントン大統領と橋本首相は、この同盟の新たな敵と「公式解釈」について明言しました。それは、朝鮮半島の緊張と不安定、中国の核軍備、中国との領土問題、やいわゆる「不確実性」などですが、これは現状維持の擁護といったほうがわかりやすいでしょう。彼らはまた、日米同盟を再定義し、拡大する「1978年の共同防衛指針の見直し」も発表しました。
この軍事中心主義の拡大はジョー・ナイの視点から見る必要があります。彼は、もし北京が現在のペースで軍備増強を続ければ、20年以内に、「40年前」の中程度のNATO同盟国の軍事
的能力を得ることになろうと観察しました(15)。これは6月に公表されたペンタゴンの研究でも確認されました。にもかかわらず、ナイの同僚のエズラ・ヴォーゲルは、日本、さらにおそ
らく台湾と韓国に配備すると脅している戦域ミサイル防衛(T岨))を通じてアメリカが中国との一大取引を追求していると私に対して語りました。ヴォーゲルが説明するようにTMDは、理論的には中国のミサイル部隊全体を無力化しうるもので、機能的にはアヘン戦争の後支配的と
なった力のバランスを再現しようというものです。TMDを配備しない代わりに、ヴォーゲルは、現在中国がすでに保有している以上の攻撃的潜在力を持つ兵器を配備せず、現在以上の攻撃的軍事ドクトリンを採用しないとの北京の合意を得られるものと見ていました。これはもちろん、安保条約、アメリカの核戦力、第7艦隊やその他の前方展開戦力、米宇宙司令部など、中国の「封じ込め」に役立っものをそのまま維持するものです。
沖縄と歴史的瞬間
幸いなことに歴史も帝国も不変ではありません。勇気ある行動を通じて人々は戦争や抑圧を終わらせ、現実を変えてきました。自由と安全は与えられたのではなく、それぞれの世代により創り出され、勝ち取られてきました。私たちはまた、不当な権力と権限を行使するものたちが自滅的な行動に出る性癖を持っていることを決して過小評価すべきでないことを忘れてはなりません。
哲学者へ−ゲルは、論理と歴史の偶然が、特定の人々を人間の歴史の道すじを決定付ける特別の立場に置く「歴史的瞬間」があると書きました。沖縄の社会、土地、資源がアメリカのアジア・太平洋の力の「かなめ石」であるからこそ、この歴史的瞬間に、光は沖縄県民の上に輝くのです。
1990年代、沖縄県民は日米同盟の根幹を揺さぶりました。フィリピン人民とともにみなさんは、より大きな自由を実現し得ること、非軍事化と真の安全保障が可能であることを世界に示しました。東京とワシントンが名護をG8サミットの開催地に選んだとき、沖縄県民はサミットを、米国民と世界世論をアメリカの沖縄軍事占領反対へと変える比類のない機会へと変え ました。
アーミテージ報告は、この数年、沖縄と日本の基地反対・平和運動がおさめた深い影響と多くの成果を反映しています。アメリカ支配層は次第に受身の立場に立たされており、必死にな
って代わりの策を探し始めています。私は、この先数カ月、名護に提案されている基地、普天間基地の将来、さらには県全域でのアメリカの軍事植民地主義の将来をめぐるたたかいが、選
挙その他の結果に現れるものと理解しています。これは、これは基地も外国軍もない沖縄と日本をめざす55年の戦いの最終的な勝利へと前進する重要な瞬間です。それはまた、アジア太平洋地域のほかの人々が、みなさんを支持し、さらに、沖縄と日本から撤退する部隊と基地が
これらの国々や地域へとたらい回しにされるのを許さないために立ちあがるべきときでもあります。もちろん、私たちにできることがあれば、私たちにも是非お知らせください。私たちも全力を上げて支援します。
勇気、連帯、自由、真の安全保障万歳!!
2000年日本平和大会・国際シンポジウムヘの報告
イスマエル・グアダルーペ
プエルトリコ・ビエケス鳥
T.ビエケス:世界平和に反する軍事要塞
A.歴史的背景
1.ビエケスはカリブ海に浮かぶ、プエルトリコを形成している島々のひとつです。そのビエケス島では全人類に対する軍事演習が行われています。プエルトリコの島々は、アメリカ、パナマ運河、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ海上交通の中心に位置しています。16世紀以降、これらの島々を支配するものが大西洋の北半球の往来を支配するための軍事的鍵を握ると考えられてきました。ビエケス島を占領している軍事施設は、セイバ(プエルトリコ東岸の町)にあるルーズベルト・ローズ海軍基地の一部です。基地の建設は、フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領がみずからが指揮し、原子力潜水艦を停泊させるための埠頭と地下の秘密施設を備えています。
2.このような軍事施設を建設するために、1939年から1944年ごろまでにアメリカ海兵隊はビエケス島の全面積の約33000エーカー中26000エーカーもの土地を強制
的に収用しました。全地区の住民が隣の島サンタ・クルスに移住させられ、そのほか数千人がビエケス島の中心部に追いやられました。ビエケス島民の辛抱強さが、島をそっくり明渡し軍事目的のためだけに使用されるという事態を防いだのです。セイバでも3つの地区から住民が追い出され、ある海岸沿いの町では海岸すべてが基地に占領され民間が使える温泉や砂浜はひとつもありません。
3・ビエケス島は横に長い長方形をしていますが、彼らが島を分断したやり方は、まず島の東部に海対陸、空対陸、そして陸対陸の射撃ができる大きな演習場をつくりましたpここではあらゆる種類の武器の演習を行っています。海からの侵略の演習や爆弾の演習を行うところです。そして島の西部には南米大陸と大西洋をスパイするためのレ}ダー施設のそばに大きな静薬貯蔵地があります。約9500人の島民は、西の弾薬貯蔵地と東の砲撃演習で荒廃した地域にはさまれた、残りの33パーセントの土地にひしめきあって住んでいるのです。
B.ビエケス島の軍事的重要性
4・1898年の米西戦争の際に、アメリカはプエルトリコを軍事占領し、スペインの敗北以後アメリカは今日までこの占領を続けています。
5・アメリカはその後直ちにビエケス島と隣接するクレブラ島で軍事探査と小規模の演習を始めました。第二次世界大戦に備えてルーズベルトローズ基地の建設を開始。自国の海岸から遠く離れたところに軍事境界線を置くためです。このようにしてプエルトリコ人はすべて、大西洋におけるアメリカの防衛の最前線にたつ戦力にさせられたのです。
6.第二次大戦後、アメリカはビエケス島を爆撃演習場として使い、朝鮮半島やベトナムでの戦闘、キューバのビッグズ湾への侵攻、1955年のドミニカ共和国、さらにはグラナダやパナマへの侵攻の際にはここから出撃しています。
7.きわめて重要な事実として、まさに今年2000年、アメリカはビエケス島でさまざまな核兵器の演習をしたことが確認されています。機密扱いをとかれた秘密文書が、アメリカの核爆弾の少なくとも一発が1966年に戦闘機からビエケス島の海中に落とされたことを証明しています。
また、彼らがことあるごとに繰り返し否定してきたことですが、アメリカ海軍は「あやまって」ビエケス島で劣化ウラン弾の演習をしたこと、ナバーム弾も使用してきたことを、ついに認めました。
8.島にはあまりにも荒廃がすさまじく、ナバーリレ弾やオレンジ剤が使用されたことが確実であることを示す地域がありますが、これらの地域は数千人の住民が住むところから2マイルも離れていません。
C.世界平和にたいする脅威
9.ビエケス島での軍事演習・配備は、カリブ海全域の平和とアメリカ全体における地理軍事上の力のバランスをおびやかすものです。ビエケス島からアメリカは、自分の政治・経済上の必要から逸脱するいかなる国にたいしてもおどしをかける体勢を整えているのです。武器の使用はアンティル諸島全体を汚染します。原子力潜水艦の通行は、カリブ海全域の生存にとってダモクレの剣であり、アメリカ大陸での核兵器の輸送を禁止しているトラテロルコ条約に違反しています。
10.毎年アメリカはNTOや米州機構の加盟国とともに共同演習を行っています。この地域での共同演習に加えて、アメリカは近年、ビエケス島を他の国に演習用に「貸して」います。1998年にはこうした演習によりフランスやイギリスなどから7000万ドル以上を受け取っています。
1.要するに、ビエケス島の使用は西側の大国やそれに次ぐ国々が、常に地球全体に脅威を与えているということなのです。
l1.ビエケス島民ニアメリカの軍産装置の人質
A.汚染
12.ビエケス島民はオレンジ剤、ナパーム弾、劣化ウラン弾および通常兵器を浴びてきました。また、1999年にはロバート・F・ケネディ氏の息子が、未知の保管場所に置かれている数百の戦車とともに二つの舟艇が海岸に沈められていることを認めています。
13.ですから大西洋とカリブ海の風を受ける熱帯の島ビエケス島は、高度に汚染されているのです。工場も、石油輸送艦も、汚染をもたらすようなものは産業上あるいは商業上なにもありません。民間の汚染源やストレスはないし、栄養豊富な海産物や農産物を食べているのに、ビエケス島のガンの発生率はプエルトリコ全体の平均を26パーセントも上回っています。30歳以下の島民では、プエルトリコの青年の平均を50パーセント上回っています。医学的研究により、島民
の髪の毛から水銀とウラン、子どもたちの分泌物からウランが検出されています。小学校の教師をしていた私は体を水銀に汚染されています。漁師や家族が化学物質で汚染されているのです。子どもたち相手の仕事をしている人、海ではたらく人たちが化学物質で汚染されているとは!
B.ビエケス島の生活の破壊
14.ルーズベルト・ローズ基地のビエケス島にたいする演習と包囲は、島民の経済を損なっています。ビエケス島からプエルトリコ本島までは15分ほどで行けるはずなのですが、アメリカ海軍が歴史的な交通ルートの使用を禁止しているために、実際には1時間以上もかかります。ビエケス島では、アメリカ海軍の許可なしには高いビルを建てることも空港の拡張をすることもできません。
15.漁業従事者が大変多いにもかかわらず、ビエケス島の漁民は島の沿岸で漁をすることができず、アメリカ海軍が決めた距離の遠く離れたところまで行かなければなりません。演習中は漁を中断せねばならず、再開したときには、海は破壊され汚染されている、あるいはそのいずれかの状態になっています。
16.アメリカ海軍はビエケス島にはお金を使わず、90あまりの全体として低賃金の非熟練職の雇用を提供するだけです。この60年間にアメリカ海軍は、島への投資に配慮するどころか、売春、暴力、未解決の殺人、民間人との争いをもたらしました。
17.最近選出されたビエケス島市長は子どもの頃に軍人が民間人を殺害するところを目撃した人です。この犯罪は、アメリカ海軍の権力のおかげで未解決のままです。私たちの新しい市長が選挙中主にビエケス島からのアメリカ海軍の撤退計画を訴え、60パーセントの得票を得たことは、強調されるべき重要な点です。アメリカ海軍にたいする同じような計画を掲げたもうひとつの政党をあわせると、アメリカ海軍に反対する二人の候補者の得票は、全体の70パーセントにのぼりました。アメリカ海軍を養護するただひとりの候補者は、30パーセントの得票にとどまりました。
18.プエルトリコの失業率は政府発表で11パーセントですが、ビエヶス島では26パーセントになっています。実際の数字はプエルトリコ全体で25パーント、ビエケス島では約60パーセントと推定されています。漁業と観光中心の経済では、住民の70パーセントに公式な貧困ライン以下の水準をおしつける軍事占領の ̄Fでは、発展することはできません。アメリカが島を演習に貸すことで年間7000万米ドルも稼いでいるというのに、島民はそのうち1セントたりとも受け取っていないのです。
19.前に述べたように、私はもと教師で、最近退職したばかりです。私は演習が行われるたびに、ビエケス島ではいかに通常の生活のすべてが中断されるかを証明することができます。学校の授業に悪影響を及ぼし、子どもたちに被害を与え、人々は起こり得ることへの恐怖としか説明できないような感覚におそわれます。数十件にのぼる事故が起こっています。家の庭に爆弾が落ち、スクールバスが弾の破片をあび、民間の砂浜が爆撃されています。教育者として私が一番やりきれないのは、若者が学校教育を終えると、住んでいる場所には雇用の機会がないために島の外に職を求めなければならないという事実です。彼らは軍事演習を遠く離れたところではなく、私たちの家から数百メートルのところで行っているのだということを思い起こしてください。
C.プエルトリコの主人はアメリカ
20.アメリカが代表なしの課税というスローガンとともにやってきたことは横暴以外のなにものでもありませんが、今日彼らはみずからを世界一の人権擁護者と自称しています。ビエケス島でアメリカは、土地に67パ山セントもの課税を行いそれを管理するための代表権はなんら認めてません。自国やプエルトリコ国民のあらゆる組織がアメリカ海軍の撤退を要求しているにもかかわらず、アメリカはそれにまったく耳を貸さず、世界の世論をあざむこうとしています。
21.アメリカがこうした態度をとることができるのは、1898年の侵略以来アメリカ政府がプエルトリコを植民地として維持してきたからです。国民が選んだ知事はいますが、プエルトリコの政治機構はすべてアメリカ連邦政府の支配のもとにおかれています。何よりも、プエルトリコの知事はアメリカの市民権を持っていなければなりません。アメリカ連邦裁判所はいつでも自分の都合で裁判や訴訟に介入することができますく、アメリカ議会は、プエルトリコ国民の関与なしにプエルトリコにとって悪い影響を及ぼす法改 ̄11三を一瞬のうちに行うことができます。
22.こうした政治上の支配は、経済においても同じです⊂、その証拠として、1999年のプエルトリコの生産は国民一人あたり15000米ドルですが、国民、人あたりの収入は1万米ドルに満たなかったという事実をあげましょう。プエルトリコの男性、女性、子どもはみな、毎年何らかの形で5000米ドル以上をアメリカ帝国に納めているのです。合計で、アメリカは1999年にプエルトリコから約220億米ドルも引き出しました。プエルトリコの労働人口は約100万人ですから、1999年にプエルトリコの労働者一一人人あたり21000米ドルの収益を生み出した計算になります。これはプェルトリーコ政府の公式の統計にもとづく数字です、。プエルトリコで生み出される労働と富の36パーセントがアメリカに渡っています。これはどの莫大な収益をアメリカに渡している国、他国とこれほどに不均衡な関係をもつ国は、世界のどこにもないでしょうd(ビエケス島、2000年11月「国際人権法廷」での経済学者の証言より)
22b.上記のことを裏付けるデータ
1999年プエルトリコの総生産:599.45億米ドルうちプエルトリコに所有権:382.29億米ドルアメリカ帝国に支払った利子または税金:217.17億ド米ル599.45億米ドル中の217.17億米ドル=全生産の36パーセント
D.プエルトリコ国民の訴えを無視して支配者として居座るアメリカ
23.1999年4月19日、一騎の戦闘機(これはドイツの戦闘機だったとの疑いがあるが公式調査はこれを否定)が発射した爆弾がねらいを外れビエケス島の基地で働いていた民間労働者を殺害。この死がビエケス全島民とプエルトリコの国民9割の怒りに火をつけました。
24.プエルトリコ知事みずからプエルトリコの全政党および教会、われわれビエケス島の女性市長と地域代表からなる委員会を任命しました。
25.この委員会は、ビエケス鳥の状況とアメリカ海軍が私たちの生活に及ぼしている影響について徹底調査を行いました。以下はその主な結論です。
1)ビエケス島でのあらゆる軍事活動を即時かつ永久に中止・放棄すること。
2)アメリカ海軍はビエケス島の全領土の汚染除去をすること。その費用は低く見積もっても
100億米ドルになる。
3)アメリカ海軍はビエケス島の占領地をすべてビエケス島民に返還すること。
4)アメリカ海軍はビエケス島民に数億万の賠償を支払うこと。
26.この報告はすべての人が支持しています‘。中央政府、自治体、政党、教会、労働組合、環境団体、市民団体、文化団体などプエルトリコ社会のすべての層が支持しているのです。これらの結論は圧倒的多数の合意だったことを強調しなければなりません。
27.詳しくは述べませんが、このプエルトリコ国民の立場はクリントン米大統領に知らせたということをお知らせします。クリントン氏はどのように対応したか?1999年12月3日、クリントン氏は次のように回答しました。「ビエケス島民は、今後3年間の演習の継続か演習の永続化か、どちらをのぞむか投票によって決定しなければならない。投票はアメリカ海軍が準備し、ビエケス島民の選択にしたがいアメリカ海軍はその選択を実行できるかどうかについて検討を開始する。」アメリカ海軍がただちに駐留している部隊をビエケス島の有権者として登録するという、不正行為を始めたことも付け加えておかねばなりません。このやり方はアメリカがビエケス島とプエルトリコを破壊する帝国であることを、、もっともあからさまに示すものです。
T工工.プエルトリコ国民はたたかい続ける
28.アメリカによるこのような侮辱に対し、今日までに約800人のプエルトリコ国民が市民による不服従の行為により逮捕されています。プエルトリコは人口400万の国です。私たちの歴史上この50年間にこれほどの数の逮捕者を出した政治行動は、他にありません。800人の逮捕者のうち、アメリカ海軍の支配地域に入った「罪」で6ケ月の有罪判決を受けるなど約400人がいまだに裁判で係争中です。
29.2000年2月に行われたビエケス島の即時平和実現を求める行進に、約15万人が参加しました。
30.この4月にはニューヨーク市でビエケス島の平和を求める「プエルトリコ大行進」が行われました。これには約100万人が参加しました。
31.10月には人口わずか9500人のビエケス島で、約3000人の島民がアメリカ海軍の存在に反対し、これにたいするたたかいとしての市民の不服従を支持する行進をしました。
32.同じく10月に、真昼に約300人のビエケス島民が米軍施設を囲む柵をこわし民政部を監禁。これはもう軍事プレゼンスに我慢ならないという意思表示でした。
33.今月11月にはビエケス島を支援する活動家が、アメリカ・ニューヨークにある自由の女神像のてっぺんにビエケス島の旗をつるしました。この象徴的行為は、私たちのたたかいをまさに帝国の中でも行っていくという意思と力を示すものです。
34.今月11月、プエルトリコで選挙が行われました。すでに述べたようにビエケス島民の圧倒的多数はアメリカ海軍に反対の票を投じました。プエルトリコ全体では、アメリカ海軍の即時撤退をかかげる諸政党が合計で55パーセント獲得しました。残りの45パーセントは最高3年という期間を主張した政党に投票しています。当選した知事は、ビエケス島からのアメリカ海軍の即時撤退をめざすことを明確にしています。
IV.みなさんにのぞむこと
35.ビエケス島とプエルトリコのことを広く知らせてください。
36.私たちは国際連帯を必要としています。数千人ものプエルトリコ国民が市民の不服従行動に参加し、ビェケス島の軍事基地からニューーヨーークの自由の女神まで占拠しています。せかい中の米軍施設やアメリカの外交施設で同様の行為を行うことで、世界にこのたたかいの重要性を知らせることができるでしょう。
37.祈ってください。
38.資金面での支援をしてください。
39.NATOや米州機構の加盟国にビエケス島で使用料を払っての演習を行わないよう要請して下さい。
40.ビエケス島で世界平和への脅威が続けられるとしても、それは兎、投獄、弾圧にさらされながら全人類に刃を向けている軍事装置そのものに対抗してたたかっているプエルトリコ国民は荷担していないことを理解してください。
ご清聴と連帯に感謝します。
もう爆弾は一発もいらない。もう−一一秒も待てない。ビエケス島にいますぐ平和を。
|