湯ケ野温泉福田屋★★★


伊豆の踊り子の舞台となった旅館

■概要

伊豆の天城峠を越えると七滝温泉がある。国道をもう少し下ると見過ごしてしまいそうな湯ケ野温泉がある。河津川を挟んで数件の宿がある小さな温泉街だ。

湯ケ野温泉には川端康成の小説「伊豆の踊り子」の舞台のひとつとなった福田屋がある。日帰り客を迎えてくれるので訪ねてみた。



車を置いて川のそばまで歩いて降りる。福田屋に行くため橋があって、対岸に木に囲まれた福田屋の建物が見える。明治時代創業の古い日本旅館だ。建物の右手には伊豆の踊り子の文学碑がある。

受付で立ち寄り入浴をお願いすると、昔からある榧(かや)風呂と新しい岩風呂・露天風呂があるという。どちらも混浴。榧風呂をお願いするが露天風呂も見せてもらった。

帳場の右側は伊豆の踊り子の小さな資料室になっている。何度も映画化されたので、歴代の踊り子の写真など興味深い。福田屋は必ずロケされているようだ。

■所在地

静岡県賀茂郡河津町湯ケ野236
TEL:0558−35−7201
FAX:0558−35−7837



■印象

榧(かや)風呂は半地下にある。川に護岸がなかったら川原の高さだろうか。伊豆石の浴室に木の浴槽が埋めてある。模様タイルが飾ってある。カランなどはない。

お湯は透明、適温ややぬるめ。源泉やゆるゆると注がれ、かけ流されている。高い窓の明かりを見上げてぼんやりするととても気持ちが良い。

肌ざわりのよい柔らかなお湯だ。コップがあったので飲んでみると、ほんのり味がある。泉質はナトリウム・マグネシウム−塩化物泉、源泉の温度62.5℃。



岩風呂は大きなガラス窓から裏庭の緑が見える。こちらも透明なお湯。半循環式で温度調節している模様。こちらにはカランやシャワーがついているので体を洗える。榧風呂の方は石鹸シャンプーは使用禁止だ。岩風呂の隣に露天風呂がある。

明治時代の雰囲気を色濃く残す旅館だ。 料金はやや高いが榧風呂は良い雰囲気。人の少ない時期に静かに訪れるのがよいだろう。


■営業

営業時間 10:00−16:00
休館日 無休
料金 700円(露天風呂または榧風呂50分)
1400円(両方80分)

交通

東名自動車道の沼津ICを降りて、国道1号線、136号線を経由して伊豆中央道に入る。修善寺まで高速で入って、国道414号線で天城峠を越える。湯ヶ野温泉入口を右折。150m程進むと右側に小さな駐車場がある。宿へはここから歩く。別に国道沿いに町営無料駐車場あり。



オフィシャルページ

調査日:2006年9月

湯ケ野温泉共同浴場



福田屋の対岸に湯ケ野温泉の共同浴場がある。 温泉旅館「湯本楼」の地下にあたる。ここは「伊豆の踊り子」の有名シーン、対岸の「私」に踊り子が裸で手を振ったところだ。

ちょっとだけ窓からのぞいてみると、男女別に四角い湯船があるだけのシンプルな浴室だ。地元専用の共同浴場なので外来客は利用できない。
 

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