天人峡温泉天人閣★★★★★


大雪の懐の大温泉旅館

■概要

北海道の屋根、大雪山周辺には温泉地が集まっている。天人峡(てんにんきょう)温泉は、大雪山の南東山麓、忠別川の上流にある。大雪山周辺では層雲峡温泉と並ぶ古くからの温泉だ。天人峡温泉には4軒の温泉旅館があるが今回は老舗の天人閣を訪れた。

天人峡は忠別川上流の大きな渓谷で、切り立った岩壁が両岸に続いている。道路が行き詰まったところに天人峡温泉がある。さらに上流には羽衣の滝がある。落差270m7段の大滝だ。



天人峡温泉は明治時代1894年に発見され、その後すばらしい景観から観光地として発展してきた。天人閣は渓谷の岩壁に張り付くように建っている大きな建物だ。旅館専用の橋が忠別川にかかっていて、建物は渓谷のなかで威容を誇っている。

日帰り客は正面入り口の右手にある売店入り口に受け付けがある。自販機で入浴券を買う。入浴券5枚集めると1回無料になる。浴室2箇所、露天風呂2箇所あり男女の入れ替えがある。お祭り広場という無料休憩スペースもある。



■所在地

北海道上川郡東川町天人峡温泉
TEL:0166−97−2111
FAX:0166−97−2114



■印象

浴室はたいへん大きい。渓谷の岸壁をそのまま残して浴室を造って、岩風呂と呼んでいる。岸壁にはコケがたくさん生えている。大小2つの浴槽があって、その間に湯口がある。

大浴槽は湯口から流量が多く熱め、小浴槽は温めなので長湯の客が集まっている。すべてかけ流しで湯口や床は茶褐色の湯花で覆われている。

湯口の湯は透明だが、浴槽のお湯は茶褐色に濁っている。小浴槽の方が濁りが少ないようだ。お湯に浸かると、どっしりした浴感だ。浴室内に飲泉所があるので飲んでみた。少し苦味があるが思いのほか飲みやすい。

泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム―硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉、源泉の温度53.2度、成分総計3141mg/kg、湧出量200L分(自然湧出)。1997年の分析表を受け付けで配布している。


露天風呂は、上流側が水車露天風呂、下流側が見返り岩露天風呂という。水車露天風呂は混浴だ。女性に湯浴み着を無料で貸してくれる。

露天風呂からの渓谷の眺めがすばらしく、川の水音や鳥の声が聞こえる。対岸の岸壁の上流側には尖塔状の岩峰である見返り岩、下流側には巨大な1枚岩の涙岩が眺められる。

大旅館ではあるがお湯はすばらしい。源泉かけ流しのお湯は満足できるものと思う。

■営業

営業時間 10:00−17:00
休館日 無休
料金 700円

交通

道央自動車道の旭川北ICを降りて道道37号線(旭川環状線)、道道1160号線(旭川大雪山層雲峡線)を経由して東川町へ。そのまま市街を過ぎて旭岳方面進み、途中のY字路分岐を天人峡方面(右)へ行った終点。
旭川から46kmほど。駐車場は広いがけっこう埋まっている。JR旭川駅から直通バスあり。



調査日:2003年5月

オフィシャルページ


天人峡温泉の歴史

天人閣には天人峡温泉の歴史を示す古い写真パネルが飾られている。それによると、天人峡温泉は1894年に忠別川での鉱物探索中に発見された。1897年に発見者の名前を付けた松山温泉として開設された。

1937年に現在の天人峡温泉の名前になった。これまで、出水による流失、火災によって2度再建されている。 大正時代から昭和初期に有名になり大きく発展した。



写真はパネルのからのもの。発見当時の天人峡温泉だ。崖にへばりついて露天風呂がある。小さな橋で川を渡って宿から通ったそうだ。

 


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