須川温泉★★★★★


歴史のある高山の湯治場

■概要

岩手、宮城、秋田の3県にまたがる栗駒山の山頂近くにある温泉が須川温泉だ。県境が重なる地域の岩手県側にある。大きな一軒宿で、斜面に沿って何層にも建物が続いている。

標高は1000mを超えていて周囲は低い潅木が続いている。冬期は積雪のため閉鎖されているので、夏の間だけの営業だ。宿の右側には源泉地の大日岩があり、さらにその足元に露天風呂がある。



温泉の発見は非常に古いと言われ、日本三代実録(平安時代の国定歴史書:858−887年)に「酢川」の名前で登場しているそうだ。少なくとも江戸時代には湯治場として知られ、以降300年ほどの長い歴史がある。



胃腸病、婦人病に効果がある温泉と言われ湯治客も多く、早くから国民保養温泉地の指定を受けている。朝日旅行会の秘湯を守る会の会員でもある。国道が通って交通の便が良くなり他県ナンバーの車も多い。

露天風呂、内風呂がある。料金はそれぞれ500円だが、休憩室を使うと両方入れて1000円になる。そのほかに湯治用の蒸かし湯がある。湯量が多いので中庭に大きなプールもある。



■所在地

岩手県一関市厳美町祭畤山国有林
TEL:0191−23−9337
FAX:0191−23−2550



■印象

須川温泉の源泉は大日岩の下にある。あちこちの岩の割れ目からとうとうとお湯が湧いてくる。お湯の流れが集まって湯滝になる。公称毎分6千リットル、そこまではなくともすごい眺めだ。お湯をなめるとやはりかなり酸っぱい。

源泉のすぐ下に露天風呂がある。10m四方もある大きな露天風呂だ。お湯は源泉から直接引いている。青みを帯びた白濁の湯だ。塀は低く、景色もなかなかよい。



硫黄臭はそれほはどない。鉱物的な酸味が強い。泉質は酸性・含硫黄・鉄(II)−アルミニウム硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)、源泉の温度48.9度、酸性度は非常に高くpHは2.2、成分総計2.683g/kgである。

一旦ロビーに戻って内湯に行く。内湯は広々とした木造の浴舎で千人風呂という。昔は混浴だったそうだが、今は中央に板壁がある。お湯は薄い白濁、浴槽はコンクリートのようだ。



奥にある湯口から大量に源泉が注がれて、こちら側の浴槽の縁からお湯が溢れている。この浴室の注入量がすごいと聞いているので、夏場はこれでも湯を絞っているようだ。

今回は入りそびれたが、須川温泉には湯治客用の内湯と、「おいらん風呂」と呼ばれる蒸し湯がある。休憩室もゆったり落ち着いて気持ちが良い。地元の山菜を使った山菜定食(1000円)が面白かった。

湯量豊富な源泉がそのまま見られる。不便なところだがお勧めする。

■営業

営業時間 6:00−21:00 (露天)
9:30−17:00 (内湯)
(大広間は15:00まで)
休館日 無休
冬期(11月−5月中旬)閉鎖
料金 500円(千人風呂、露天風呂のどちらか)
1000円(大広間、両方の風呂利用可)


交通

東北自動車道の一ノ関ICを降りて、 国道342号線を西に進む。厳美渓を過ぎて栗駒山山頂近く。ICから40km程度。駐車場は広い。



調査日:2004年8月

オフィシャルページ

須川温泉パノラマ


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