白根温泉加羅倉館★★★


ふんだんに源泉が溢れる山の湯

■概要

日光白根山から片品に向かって流れる大滝川沿いに古くからの温泉、白根温泉がある。日帰り施設の「薬師の湯」のほうが目立つが、すぐ近くの一軒宿「加羅倉館(からくらかん)」が湯元だ。

山の斜面と国道のあいだの狭い土地に、国道に沿って半地下の浴室棟がある。並んで古いが端正な宿泊棟がある。大滝川の流れを挟んで、小さな橋の向こう側に加羅倉館の本館がある。



浴室棟には人がいないので、入浴するには川を渡って加羅倉館の本館で料金を払う。白根温泉は江戸時代初期に発見されたものという。加羅倉館は1930年に地元の名士千明(ちぎら)家が建てた。



■所在地

群馬県利根郡片品村大字東小川4653
TEL:0278−58−2251



■印象

浴室は階段を降りて半地下にある。タイル張りで天井が高く銭湯のような雰囲気だ。浴室の中央に大きな浴槽がある。お湯が高い位置からドウドウと注がれていて、浴槽の全周から溢れている。

お湯は透明、ほのかに温泉らしい香りがある。かなり熱めのお湯だ。湯口から落ちるお湯は熱すぎて打たせ湯にはならない。高い位置から落とすのはお湯を冷ますためかもしれない。

泉質は単純温泉、源泉の温度62℃、ナトリウムと硫酸イオンが多いので芒硝泉系のお湯だ。 成分は濃くないが湯口付近は薄く灰色の析出がついている。浴感はごくサラリとしたもの。浴後のほてりも少ないくサッパリとするお湯だ。

カランやシャワーのお湯も温泉だ。桶にお湯を取ると白く濁ってからサッと透明になる。湯量が多いのでそれでも使い切れずに川に流しているそうだ。

湯守のご主人に聞くと、昭和の始め今の平成天皇の皇太子時代に白根温泉に泊まったという。古いほうの宿泊棟は当時のままとのこと。そのときの写真を見せてもらった。

丸沼高原スキー場の帰り、あるいは日光から沼田に抜ける途中に寄るのもよいだろう。浴室の風情はないが、豊富な源泉をザンザン流せる贅沢が味わえる。

■営業

営業時間 6:30−20:30
月曜午前に清掃
休館日 無休
料金 410円

交通

関越自動車道の沼田ICを降りて、国道120号線を尾瀬方面に向かう。椎坂峠を越え、鎌田から日光方面に向かう。日帰り温泉「薬師の湯」を過ぎてすぐ。駐車場は広い。



調査日:2005年4月

 TOP  温泉みしゅらん