西山温泉せいざん荘★★★★


会津の山奥の町営温泉

■概要

福島県の会津地方は静かで良い温泉が多い。会津若松の西、柳津(やないず)町にある西山温泉も静かな温泉地だ。西山温泉の古い旅館街から離れて町営温泉施設の「せいざん荘」がある。

西山温泉の集落から坂を登って、高台に近代的な施設が突然現れる。周囲は人家もなく低い山が連なっているだけの山の中だ。まだ新しい施設で、オープンは1993年だ。



茅葺き屋根をモチーフにした大きな屋根で、博物館を連想させるような建物である。館内は広々として清潔だ。中庭には融雪用の池があって雪が多い土地だということが分かる。



■所在地

福島県河沼郡柳津町大字砂子原字長窪921
TEL:0241−43−2727
FAX:0241−43−2728



■印象

建物の西側、谷を見下ろす向きに浴室がある。浴室は広いガラス窓があって、濃い山の緑を見渡たすことができる。客が少ないので、とても静だ。静かにお湯が流れている湯船も心地よい。お湯は透明でさらりとした感じだ。

お湯をなめてみると、ごく薄い塩味がする。かすかに油臭もある。泉質はナトリウム−塩化物泉、源泉の温度54度、成分総計2343mgである。



露天風呂は2段になっている。大きな岩を組んだ岩風呂だ。岩壁にお湯を流して、凝った造りだ。露天風呂の周りに草花が植えられていて、それも面白い。ややぬるめなので、長湯をしながら山の景色を楽しめる。

鄙びた温泉の町にある、近代的な日帰り温泉だ。国道から離れて不便なところなのでずいぶん空いている。穴場の温泉だと思う。新しい施設なので、段差がないバリアフリーにも対応している。

■営業

営業時間 9:00−21:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)
料金 310円(休憩付き730円)

交通

磐越自動車道の会津坂下(あいずばんげ)ICを降りて、国道252号線を南下する。柳津町を過ぎ、トンネル手前にある西山温泉の看板を見て左折する。案内板に従って地方道柳津昭和線をたどる。西山温泉から坂道を登ったところ。柳津から9km程度。駐車場は広い。



調査日:2001年6月


柳津西山地熱発電所

せいざん荘からさらに1kmほど山に入ると柳津西山地熱発電所がある。遠くからでも盛大に蒸気の煙が立ち上っているのでよく分かる。温泉に関係が深いものなので寄ってみることにした。

柳津西山地熱発電所は東北電力の発電所で、日本にある地熱発電所のなかでも3指に入る大きさだそうだ。遠くからでもごうごうちした音が聞こえ、大きな冷却塔から大量の蒸気が吐き出されている。


発電所の運転開始は1995年、まだ新しい施設だ。


この地熱発電は、1000m以上の深い井戸で地下の熱水(超高温の温泉)を汲み出し、蒸気を取り出して発電する。使い終わった熱水は別な井戸から地中に戻す。熱水採集の井戸は、発電所の隣の山全体にちらばっていて、そこからパイプラインで集められる。

山のいたるところに太いパイプラインが引き回されているのは不思議な光景だ。熱水の量は毎時147トン、温度は170度以上ある。
発電所には小さな見学施設があって、柳津の歴史や地熱発電の原理などの展示がある。

福島県河沼郡柳津町大字黒沢
TEL:0241−43−2634
開館9:00−16:00
月曜休館(1−3月も閉鎖)

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