恐山温泉★★★★★  


最果ての霊場の温泉

■概要

恐山(おそれざん)は本州北端の霊場として有名である。高野山、比叡山と並んで日本3大霊場とされている。恐山に温泉があると聞いていたので、今回の東北旅行の一番の目的とし行ってみることにした。



青森県下北半島の中央部に宇曽利湖(うぞりこ)がある。恐山は、この湖のほとりにある荒れ地を境内とする寺である。むつ市から峠道を車で40分走る。観光バスも十分に通れる立派な舗装道路だ。宇曽利湖は比較的大きなカルデラ湖で湖水は真っ青に澄んでいる。宇曽利湖のパノラマ(36kB)

恐山は、地蔵菩薩を本尊とする恐山菩提寺が本名である。1200年前に慈覚大師円仁(えんにん)が開いたと言われている。いまでも死者の霊が集まる霊場として信仰を集めていて、最北の地でありながら、寺の建物は非常にりっぱである。

恐山の温泉は境内のなかにあって、境内に入れば無料で利用できる。小さな湯小屋が4ヶ所あって、中央の参道の左手に古滝の湯(男性用)と冷抜の湯(女性用)があり、右手に薬師の湯(寺務所用)と花染の湯(混浴)がある。恐山境内のパノラマ(61kB)



■所在地

青森県むつ市大字田名部字宇曽利山
TEL:0175−22−3825
(恐山寺務所)


古滝の湯

■印象

【古滝の湯】
古滝の湯は入り口が2つあるが、中はつながっていて細長い湯船がある。もしかすると昔は男女で利用していたのかもしれない。今は男性用だ。浴室はすべてヒノキでできていて、透明なお湯が静かに溢れている。

お湯は下の方に流れ込み、蛇口から水が注がれている。酸っぱい硫黄泉だ。建物はよく手入れされていて大変にきもちがいい。ヒノキのやわらかな雰囲気といい、窓から入ってくる風といいすばらしい。

古滝の湯の湯船

【冷抜の湯】
古滝の湯の隣にある女性用の湯小屋だ。小屋は少し小さめであるが湯船は同じ程度、ここもヒノキ造りである。お湯は古滝と同じである。古滝と冷抜は、恐山の宿坊の泊まり客が夜も利用できるように電灯も付いている。


冷抜の湯

冷抜の湯の浴室

【花染の湯】

参道の右手かなり奧に入って、荒れ地のなかにポツンと花染の湯がある。こちらのお湯はさらに酸性が強いようだ。硫黄の臭いが強い。湯船の底にうっすら湯花が溜まっている。ほどよいぬるさなので大変気持ちがよい。窓を全部開けて風にあたるともっと気持ちがよい。


花染の湯


■営業

営業時間 6:00−18:00
(開山時間)
休館日 開山期間5月1日から10月31日
期間中は無休
料金 500円(入山料)

交通

東北自動車道の青森ICで降りて、青森市から国道4号線で野辺地へ行く。野辺地から国道279号線でむつ市へ、むつ市内で国道338と交差して、さらに直進すると県道むつ恐山線に入る。むつ市から15km程度。
受付前に駐車場がある。かなり広い。



調査日:1999年8月


いたこ

「いたこ」は死んだ者を呼び寄せて話をつたえてくれる「口寄せ」をしてくれる女性だ。恐山だからこそ死者の霊を呼び寄せられる気がする。7月と10月の大祭にはたくさんの「いたこ」がいるそうだが、普段は少ない。私達が訪れた日は、参道左手にある本堂の隣の建物で口寄せが行われていた。明け放した窓から、低い声が聞こえてきた。
山門のアイス

恐山の山門前では昔風のアイス「恐山盛り」が売られている。200円。


真夏の恐山は霊場の雰囲気からすこし外れるかもしれないが、なかなか面白い。
供養塔

境内には太いヒノキの柱でできた供養塔がたくさんある。たいていは亡くなった人のためのものだ。その中に、ひとつ珍しいものを見つけた。大阪にある大きな電器会社のツインタワービルが施主で、万物の電波の霊を供養するとある。ハイテクと恐山も関係があるようだ。

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