古いが静かな共同浴場 ■概要 伊豆長岡温泉と修善寺温泉の間に、ごく小さな温泉地の大仁(おおひと)温泉がある。地元の人向けの共同浴場があると聞いて行ってみることにした。 国道から少し外れて、伊豆箱根鉄道の大仁駅がある。そこから歩いて5分ほどのところに共同浴場の城山(じょうざん)荘がある。狭い道の奥にあるので場所が分かりにくい。 ![]() 昔は旅館だった城山荘の建物はかなり古びている。休日の昼過ぎに訪れたがあまりに静かなので、営業しているのか心配になった。声をかけると女将さんが出てきてくれた。 大仁温泉は大仁金山の帝国産金興業が開発したもので、鉱山坑内から湧出した温泉を利用して公衆浴場が造られた。戦後に帝産は温泉の開発を進め、町内の宿泊施設にも配湯して温泉街となった。 ■所在地 静岡県田方郡大仁町大仁289−1 TEL:0558−76−1364 |
![]() ■印象 浴室に入るとほんわかとした温泉らしい香りがする。タイル張りの浴室は古くはあるが、よく手入れされて清潔だ。湯口から静かにお湯が注がれ溢れている。 浴槽いっぱいに張られて透明なお湯は見るだけでも気持ちよい。やや熱めでトロリとした感じのお湯だ。口に含むと出がらしのお茶のような味。 源泉は大仁温泉大仁6号、泉質は単純温泉、源泉の温度61.1℃、成分総計994mg。わずかに足りないが芒硝泉+食塩泉の泉質だ。 女将さんに聞くと、ここは大仁で最初の温泉なので湯量も一番多いところという。始めは町営だったのを先々代が買い取って旅館にしたが、だいぶ前に入浴だけにしたそうだ。 お湯は朝方が温めで、夕方は熱くなるという。他の旅館が夕方にお湯を汲み上げると源泉の温度が上がるので、熱いお湯の好きな人は夕方がよいそうだ。 休憩室も古びて質素だが、静かでなにか落ち着ける雰囲気だ。静かにお湯を楽しむには良いところだ。 |
■営業
■交通 修善寺道路の大仁南ICで降りて、大仁市街に入る。県道400号線を南に下り、大仁郵便局のあたりで右折して狭い道に入る。突き当たりが洞泉寺。城山荘は向かい側にある。駐車場は5台ほど入る。伊豆箱根鉄道大仁駅から歩いて5分程度。 ![]() 調査日:2007年4月 |