温湯温泉鶴の湯★★★


共同浴場の原型が残る温泉場

■概要

温湯(ぬるゆ)温泉は温泉場の古い形を今でも残している温泉場だ。共同浴場を取り囲むように宿が並んで、浴客はそこから共同浴場に通う形になっている。今では内湯を持つ宿が多いそうだが、「客舎」とよばれる内湯のない古い宿もまだ残っている。

温湯温泉は400年以上前からあった。江戸時代は弘前藩主も通ったと言われている。一羽の鶴が傷ついた足を浸していたことから見つけたという発祥の伝説がある。共同浴場の別名「鶴の湯」はこれにちなんでいると思われる。



共同浴場は真新しく大きな建物だ。2001年に改築され、11月から営業再開された。改築前の写真ではかなり老朽化していたが、新しい共同浴場は和風の趣がある建物である。段差の少ないバリアフリーの設計だ。

共同浴場は 温湯町会の管理だ。ここでは毎年7月下旬に、牛の形をした御神体を温泉に入れる「丑湯まつり」が開催される。

■所在地

青森県黒石市温湯字鶴泉66
TEL:0172−54−8401




■印象

浴室は広く、浴槽は2つに仕切られている。お湯が勢いよく流れていて気持ちよく床にあふれている。掛け湯をしてさっそく入る。黄緑色を帯びた透明なお湯だ。「ぬるゆ」というがけっこう熱い。温もりが続く湯という意味だろうか。奥の浴槽はさらに熱めだ。

源泉の名前は鶴泉温泉、泉質はナトリウム-塩化物泉(食塩泉)だ。源泉の温度は46度、成分総量1196mg/kg、なめてみると薄い塩味がする。熱めのお湯なのでで体がジンジンと温まる。何を言っているのかよく分からないが先客の地元の言葉が耳に残る。



ロビーには休憩スペースがあって、立派な神棚もある。これは改築前からあるものを移したものだ。地元の温湯こけしも飾られている。ふしぎな雰囲気のある温泉街に、新しい共同浴場が溶け込んでいる。一浴をおすすめする。


■営業

営業時間 4:00−23:00
休館日 無休
料金 180円

交通

東北自動車道の黒石ICを降りて、国道394号線を八甲田方向(東)へ行く。数分で左手に温湯温泉の入り口ゲートが見える。駐車場は共同浴場前に10台程度。
弘南鉄道黒石駅からバスあり。



調査日:2002年4月


温湯こけし

温湯こけしは、青森を代表するこけしだ。形の特徴はウエストがくびれてスタイルがよいこと。ヘアスタイルはおかっぱだ。服の模様は牡丹が多いようだ。

温湯こけしの歴史は比較的新しく、大正時代に盛秀太郎という人が始めたもの。共同浴場の向かいにある土産屋には温湯こけし型の巨大な提灯が飾ってあった。

温湯温泉街



共同浴場の周囲には鄙びた旅館や客舎がある。写真は飯塚旅館

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