鳴子温泉滝の湯★★★★


鳴子温泉発祥の共同湯

■概要

鳴子温泉は東北地方有数の温泉地だ。北上川の支流である江合川(荒雄川)の谷がせばまりはじめ山が迫ってくるところ、川の右岸に大きな温泉街がある。

鳴子温泉街の山の手に温泉神社があり、その下に鳴子温泉のシンボルである共同浴場、滝の湯がある。滝の湯のお湯は温泉神社の「ご神湯」を引いている。

1000年以上前に噴火によって温泉が湧出して、これを祀って温泉神社ができた。この温泉が滝の湯の起源である。建物は比較的こじんまりとしているが、ヒバで造られいかにもシンボルとしてふさわしい。



■所在地

宮城県玉造郡鳴子町
TEL:0229−82−211
(鳴子町観光協会)



■印象

浴室は総ヒバ造りで落ち着いた雰囲気だ。湯船は大小2つに仕切られている。先客も気持ちよさそうにお湯に浸かっている。掛け湯をしてさっそく入る。お湯は白濁していて、やや熱い。柔らかく気持ち良いお湯だ。

お湯をなめてみると少し酸っぱい。泉質は酸性含明礬・緑礬-芒硝硫化水素泉(低張性酸性高温泉)、源泉の温度は46.2度である。

建物の裏に源泉があって、そこから何本もの太い丸太の樋でお湯を導いている。この樋から落ちるお湯が打たせ湯となっている。打たせ湯はぬるめにしてあって長い時間打たれるのにちょうどよい。

入浴券は近くの店の前にある自動販売機で買う。

けっこう混んではいるが、鳴子のシンボルとしてぜひ立ち寄ることをお勧めする。

■営業

営業時間 7:00−22:00
休館日 無休
料金 150円

交通

東北自動車道の古川ICを降りて、国道47号線を北上する。鳴子駅前から坂を登って小学校を回り込むと温泉神社の境内に出る。境内に駐車して、神社の石段を下りる。ICから28km程度。
滝の湯の前は3台駐車可。



調査日:2000年5月




鳴子温泉街

鳴子温泉は飯坂温泉、秋保温泉と並ぶ奥州三大名湯の一つとされている。ひなびた古い旅館から、大きな温泉ホテルまである。温泉街は鳴子の名物の「こけし」やお土産やが並び、いかにもの湯治場気分が味わえる。

飯坂温泉と同様に、団体観光客が減少しているためか、街全体の活気がやや失われれいるような気がした。

鳴子温泉神社

温泉神社は鳴子温泉の中心にある神社だ。境内の一部を駐車場の開放している。滝の湯までは、参道の石段を下って行くことになる。

温泉神社の歴史は非常に古い。神社の案内板によると、続日本書紀に以下のように記されているそうだ。

「仁和天皇の御代、承和4年(837年)4月、鳥谷ケ森にわかに鳴動すること数日、遂に爆発し熱湯を噴出、河となって流れた。里人は驚いて朝廷に報告した。朝廷は温泉の神を祀り、この年10月9日従五位下を賜る。」

昔はこの温泉を鳴声(なきご)の湯と呼んだ。これが鳴子(なるこ)の起源である。

温泉神社の境内には屋根のついた立派な土俵がある。これの説明によると鳴子の相撲は九州明島、東京浅草とともに三大田舎相撲として有名であるそうだ。


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