馬場温泉楠の湯★★  


土肥を代表する温泉共同浴場

■概要

西伊豆には大きな温泉街はないが、土肥(とい)温泉はその中では大きな温泉街である。江戸時代には金の精錬所があったところだが、現在は温泉と漁業の町である。

江戸時代の金山開発で温泉が発見されたが、幕府が土肥を秘密の地域としていた。明治時代に馬場(ばんば)の湯を公衆浴場にして明治、大正期は入浴客でにぎわったそうだ。



楠(くす)の湯は土肥温泉街の中心にある源泉、馬場温泉にある小さな公衆浴場だ。最近になって新しく建て直したそうだ。楠の湯の名前は、近くの安楽寺にある楠の大木にちなんでいるようだ。源泉の内風呂と小さな露天風呂がある。

■所在地

静岡県田方郡土肥町馬場
TEL:0558−98−1212
(土肥観光協会)



■印象

朝早く営業時間前に行って待っていると、番台のおばさんが来てくれた。「いつもは8時頃から開けるけど、今日は遅くなったよ。」と言ってのれんが出る前に入れてくれた。

湯船は3人程度で満員になる。湯船のお湯が静かに流れ込んでいる。透明で細かい湯花が舞っていて、源泉の湯であることがわかる。泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩・塩化物泉(含食塩石膏泉)、源泉の温度は54.5度である。いくつかの源泉をブレンドしているそうだ。



小さい露天風呂もある。こちらは2人まで。展望はないが、小さな箱庭のようで植え込みがある。清潔で、気持ちのよい共同浴場だ。ひなびた雰囲気はないが、お勧めできる。

■営業

営業時間 10:00−21:00
休館日 第2、第4木曜日
料金 400円

交通

東名自動車道の沼津ICを降りて、国道1号線を経由して国道136号線を南下する。沼津ICから50km。楠の湯は土肥中心部の交差点から、300m手前を右に入ったところ。目立つ看板がある。
駐車場は5台程度ある。



調査日:1999年11月


まぶ湯

土肥の役場近くに楠の大木がある古いお寺、安楽寺がある。ここに土肥温泉の発見の契機となった鉱(まぶ)湯がある。

境内の掲示によると、1606年に江戸幕府の命で土肥の金山開発が始まる。1610年安楽寺境内の金の露頭を試掘すると温泉が湧出した。これが鉱湯の起源である。
境内の庫裡の脇に丸太の枠で作られた小さな坑道がある。この坑道の奥に小さな湯船がある。温泉が引き込まれていてお湯はかなり熱かった。拝観料150円。

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