飯坂温泉切湯温泉★★★


地下にある古くからの共同湯

■概要

福島県の中通り地方を代表する飯坂温泉は、あちこちに温泉共同浴場がある。中心部にある「鯖湖湯」以外はどれも地元用のごく質素な施設だ。

温泉街の中を流れる摺上川の左岸に古くからの共同湯「切湯」があると聞いていたので行ってみることにした。新十綱橋に近いところなのに見つからない。



よく探してみると、道路から屋根だけみえているところに小さく切湯の看板をみつけた。狭い階段を降りていくと、屋根は受付の小屋だった。浴室はさらに降りて旅館ビルの地下にある。



共同湯の利用には利用券が必要だ。切湯の入り口の向かい側にある牛乳販売店菊田商店で入浴券が買える。

■所在地

福島県福島市飯坂町湯野字切湯
TEL:024−542−4241(飯坂温泉観光協会)



■印象

ビルの地下の薄暗いところに浴室の入り口があって、のれんがかけてある。小さな祠も地下にまつられている。ちょっと入りにくいが地元の人が入るので一緒に入る。

ずいぶん狭い浴室だ。コンクリートの壁にタイルの床になっている。古びてはいるが、タイルはよく磨かれている。中央に2m四方程の浴槽がある。

湯口は鉄パイプ、無骨だが実質本位という感じ。かなり熱いお湯がどんどん注がれかけ流されている。お湯は透明、かすかにささにごり。

しっかりかけ湯して入る。深めの浴槽に肩までしずしずと浸かる。熱い湯だがやわらかい浴感だ。お湯をなめてみると、ほんのり甘みがある。

源泉名は波来湯分湯槽、泉質は単純温泉(ナトリウム−硫酸塩型)、源泉の温度51℃、成分総計626mg、pH=8.6。

同浴の常連さんは熱い湯でも、今日はぬるめだという。窓の外はすぐに川だ。対岸の温泉旅館が見える。熱い湯にほてった体に川風が気持ちよい。湯あがりはとてもさっぱりする。

切湯は飯坂の共同浴場の中でも対岸の波来湯とともに古くからのものだ。1627年の発見という。今の建物は1965年のもの。近々閉鎖のうわさもある。


■営業

営業時間 6:00−22:00
休館日 月曜日
料金 200円(入浴券)

交通

東北自動車道の福島飯坂ICを降りて、国道13号線を北へ1km程、平野交差点で右折、3kmで飯坂温泉街に入る。飯坂温泉駅から十綱橋を渡って川沿いに左手に進む。旅館「花の湯」の下にある。駐車場は駅前を利用。



調査日:2007年6月

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