本沢温泉★★★★★


八ヶ岳山腹の高所露天風呂

■概要

日本最高所の露天風呂として有名な本沢温泉に行ってみた。八ヶ岳のひとつ硫黄岳の東斜面にある温泉だ。山小屋にある温泉なので車では行けない。

近くの稲子湯へ行く道の途中から本沢温泉上り口までは車で行ける。以前はダートだったが今は上り口までは舗装されている。一般車は上り口に停めて、そこから1時間30分ほど登山道を歩く。



登山道は針葉樹林帯にあって景色が開けているところが少ないが、幅が広く起伏もあまりないので意外に楽だ。ハイキング気分といったところ。

本沢温泉の小屋は古びてはいるがけっこう大きい。ビールやつまみを売ってくれる窓口で露天風呂の記念入浴券を買う。露天風呂は小屋から5分ほど登ったところ。露天風呂の標高は2150m。



温泉の発見は江戸時代末期、湯小屋が始まったのが1874年だという。活発に営業している山小屋で、冬期も雪上車の送迎がある。本沢温泉のルートは八ヶ岳の主要な登山道のひとつになっている。

登山客ばかりでなく、温泉ファンもけっこう訪れている。露天風呂と内風呂は別料金で、合わせるとけっこうな額になるが両方入るとタオルがもらえる。

■所在地

長野県南佐久郡南牧村大字海尻字八ヶ岳国有林
TEL:0266−72−3260(茅野市事務所)




■印象

露天風呂へは火山灰の崩れやすい崖を下っていく。急な渓流のそばに露天風呂がある。脱衣所は1畳ほどの板敷きがあるだけだ。もちろん男女混浴。

休日は順番待ちができるほど人気がある。パパッと服を脱いでさっそく入浴。熱くもなく意外に適温だ。柑橘系のさわやかな硫黄臭がある。濃い白濁で味はあまりない。

深めの浴槽の中に腰掛がある。見上げると硫黄岳の爆裂火口壁が望める。雄大な景色だ。お湯はパイプでの給湯があるほか底の方からも涌くようだ。

泉質は酸性−含硫黄−カルシウム・マグネシウム−硫酸塩泉(硫化水素型)、源泉の温度43.6℃、pH3.0、成分総計2314mg/kg、もちろん自然湧出である。



小屋には別の源泉の内風呂があるので、こちらも入ってみる。受付で料金を払って階段を下りて湯小屋に向かう。男女別の浴室だ。浴槽はコンクリート製で板の蓋がしてある。

お湯は黄色がかった薄い白濁。析出物で浴槽の内側は白くツルツルになっている。お湯の投入量はそれほど多くないがけっこう熱めだ。なめてみると石膏系のダシ味がする。

泉質はナトリウム・カルシウム−硫酸塩・炭酸水素塩温泉、源泉の温度53.2℃、成分総計4529mg/kg、掘削による自噴である。

山小屋なので登山という感覚だが、RV車で行けばそれほど歩く必要はない。 急な坂もないので思いのほか簡単に行ける。硫黄の香りが体にしっかりつく印象の強い温泉だ。


■営業

営業時間 日中
休館日 無休
料金 露天風呂 520円
内湯 730円

交通

中央自動車道の須玉ICを降りて国道141号線を北へ行く。清里を越えて南牧村に入る。松原湖入り口交差点を左折して稲子湯方面に向かう。稲子湯の手前に本沢温泉の小さな看板が見えるので左折する。4kmほどで本沢温泉入り口に着く。RV車はさらに10分ほどダートの登山道を登れる。



オフィシャルページ

調査日:2004年11月

露天風呂パノラマもご覧ください。

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