網張温泉休暇村岩手★★★★


露天風呂が有名な岩手山の温泉

■概要

岩手県のシンボル岩手山の南西斜面に網張(あみはり)温泉がある。大変古い歴史がある温泉だが、現在は近代的な国民休暇村になっている。この休暇村岩手は冬には網張スキー場も有名だ。

岩手山の森にに切り開かれたゲレンデの下部に休暇村岩手の建物がある。鉄筋3階建ての白い建物は森の中にそこだけ目立って見える。標高が高いので遠くに盛岡の街も見える。



館内の掲示によると網張温泉は1300年前に発見され、江戸時代は「山の神」の信仰のために周辺に網を張って入浴を制限していたという。そのため網張の名がついた。この温泉は現在の網張温泉の2kmほど上にある元湯のことだ。

明治になって元湯の位置に簡単な湯小屋ができた。さらに1887年に現在の位置まで引湯され本格的な湯治場となった。その後衰退したため1958年には町営になった。1965年に国民休暇村を誘致して網張スキー場とともにオープンした。



有名な露天風呂「仙女の湯」は、本館の右側から入って歩いて約10分ほど。沢づたいに山道を登り、亀滝の横にある。脱衣場は男女別だが、露天風呂は混浴。

仙女の湯は国民休暇村が管理している。本館横のゲートに募金箱がある。清掃協力金100円を出してだれでも利用できる。利用時間は日出から日没まで(冬季は利用できない)。

■所在地

岩手県岩手郡雫石町網張温泉
TEL:019−693−2211
FAX:019−693−2213



■印象

さっそく仙女の湯に行って見る。滝のそばに2つの露天風呂がある。近づくに従って硫黄の香りがしてくる。上の段に熱いお湯が注がれて、下の段に流れる。元は女性用だったそうだが今は垣根はない。

湯口の温度は60度程度、黄色い湯ノ花がついている。湯量は一定しないでときどきダーっと出る。お湯は黄白濁の透明、酸っぱいが濃い味ではない。静かな森の中に滝の音が響くだけの野性的な雰囲気だ。硫黄の香りに包まれてお湯に浸かるのはとてもすがすがしい。



国民宿舎の館内には2つの浴室がある。入り口に近い「やすらぎの湯」は白濁のお湯だ。浴槽窓際に湯口がある。硫黄臭はあまりない。お湯は浴槽から溢れて気持ちが良い。湯口のお湯は適温になっているので、水で温度調節しているのかもしれない。



新館にある浴室「白泉の湯」は木の内装だ。扇型の浴槽に熱いお湯が注がれている。こちらも白濁湯、硫黄の香りがする。熱めのお湯でピリッとした浴感だ。

露天風呂、2つの浴室の源泉はみな同じで元湯から引いている。泉質は単純酸性硫黄泉(硫化水素型)、源泉の温度73度、pH2.9、成分総計537.9mg/kgだ。

盛岡市街や小岩井牧場からもそう遠くないがすばらしい温泉だ。ぜひ再訪したい。


■営業

営業時間 9:00−17:00(やすらぎの湯)
白泉の湯は15:00まで
休館日 無休
料金 500円

交通

東北自動車道の滝沢ICを降りて、国道4号を500m南下、右折して国道282号線を200m北上、左折して県道278号線に入る。岩手山神社を過ぎてから網張温泉方向に左折。15kmほど走って県道219号線にぶつかったら右折して網張スキー場に向かう。滝沢ICから30kmほど。駐車場は大変広い。
盛岡駅前から岩手県交通バス網張温泉行きがある。


オフィシャルページ

調査日:2004年8月

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