演劇ラボ

【演出の仕事】

【舞台音響との仕事】

音響については、いつもベテランのプランナーに助けられて、まともに研究してこなかった。
今もそのお弟子さんに助けられている。
ただ観客の耳にどこから聞こえてくるか(錯覚も含めて)が、舞台と客席の一体感を作る上で
とても大切なことだと思っている。

・音響効果の抜き出し(演出の附け帳)
台本の中にある、音についての記述をすべて抜き出してみる。
音に関しては、作家が常に丁寧に書いているとは限らない。
真夏の芝居で、蝉の声が全くしない芝居さえある。(夜中の芝居ではない)
その場所には絶対に蝉はいないと言い切れればいいが、結構作家のミスであったりする。
演出は、この芝居が夏の出来事であることを観客と共有するため、
作家が落とした蝉を鳴かせることもある。
要は、考えない観客に、考えなくても理解できる、体感できる刺激やメッセージを伝えられればいい。
それは、役者の演技表現となって、かならず芝居の質の向上に寄与するだろう。
また台詞や場面のテンポリズムを支援するために、音楽をBGMとして用いる時もあるので、
音として何が必要か時系列で書き出してみる。
但しBGMの使用は、場面のリアリティーをぶち壊す場合があるので、十分注意する。
映画「JAWSジョーズ」のサメの登場シーンのBGMは有名だが、
舞台作品でパロディー風に使うならまだしも、リアルに使うと興ざめかもしれない。さめだけに。

・音響
2021年の『楽屋』記録が残っていたので、添付する。
演出プランは下記の通り。
劇中劇を異界の事件として、演技を少しでも応援するようなBGMやエフェクトを使ってみた。
効果音リスト
01・・#000・・・01シンセ+Na01  
02・・#002・・・ピアノソロ 
03・・#051・・・風
04・・#060・・・風
05・・#088・・・三味線
06・・#094・・・三味線 合方
07・・#201・・・かもめEnding
08・・#201・・・終り拍手
09・・#322後・・ビンが割れる音
10・・#339・・・M March
11・・#460 ・・・pop
12・・・・・・・・シンセ+Na02
13・・・・・・・・カーテンコール

・Qシート音響「楽屋 流れ去るものはやがてなつかしき」スタッフ用
音楽0 客入れ音楽
Q1開演。幕が上がり 客入れ音楽 FO シンセ音楽 FI
Q220秒程音楽を聴かせてから Na CI
Q3#01 終りで 音楽1  FO
Q4#02 「灯りをともしている」 にかぶせて 音楽3  FI 小さく(ピアノソロ)
Q5#02終り 女優C、下手へ走り出して音楽3  FO
Q7#51 女優B中央平台へ音楽4 #51マクベス夫人の台詞にかぶせて 風CI
Q8#60 女優A中央平台へ音楽5 #60マクベス夫人の台詞にかぶせて 風CI
Q9#88始まりで 女優A 大鏡の前へ出て音楽6 三味線CI
Q10#94の終りにかぶせて音楽7 音楽6とクロスで三味線02 CI
Q11#101終りで音楽7 三味線02  CO
Q15#200終りにかぶせて音楽8 かもめENDING FI
Q16#201終りに音楽8 かもめENDING FO
Q18#322と同時 女優C、ボトルをとり女優Dの頭部にふりおろす。音楽9 ガラスの割れる音CI
Q21#339終り 女優C、化粧台のプレイヤーに手をのばす。音楽10 CI
Q25女優C、プレイヤーをとめる。音楽10 CO
Q28女優B、プレイヤーにかけよりレコードを選んでかける。音楽11、CI
Q32暗転のなか、三人退場して 音楽12 音楽11とクロスしてFI 音楽13 Na02 音楽13 FO
Q34拍手を聴いて カーテンコール 音楽14 CI
Q35役者引っ込んで 幕下りる 客電FI 音楽14 FO クロス 客だし曲CI

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