猿尾滝 [兵庫県美方郡村岡町]

Saruodaki


猿尾滝上段 猿尾滝下段
猿尾滝上段猿尾滝下段
 これまで、日本の滝100選に選ばれている滝をいくつか訪れてきましたが、その滝がおかれている状況というものも様々な ものです。前日、私は同じ兵庫県の天滝を訪れていますが、滝までの歩道はハイキングコースとして整備されていました。 このような滝は、地元の人のための身近な行楽地となっているのでしょう。華厳の滝や白糸の滝のような名前がよく知れ渡り、観光地となっています。これらの滝では、 多くの人々が詰めかけゆっくり観賞もできません。反対に、地元に住む人さえ訪れることのまれなものも中にはあります。これまで、私の訪れた中では神奈川県の 早戸大滝がそうでした。
 今回訪れた猿尾滝は、これらのいずれとも異なっていました。集落の裏山にひっそり存在しているという100選に選ばれたなかでは、少し 変わったケースなのです。
 この猿尾滝は、山陰へ向かう主要道路、国道9号線沿いにあります。最寄りの駅は、天滝と同じで、山陰本線八鹿駅です。駅前から、村岡・秋岡方面行き のバスに乗車します。走り始めたバスは駅前の住宅街を通り抜け、国道9号線に入りました。関宮町の中心地、関宮までは八木川に沿って西に進みます。ここから国道は 但馬トンネルを越えて、今度は湯船川に沿って北進していきます。バスもこのルートに沿って村岡町に入ります。スキー場のあるハチ北高原への乗り継ぎ点となっている 福岡バス停を後にすると、笠浪という名の小さな峠を越えます。当然のことながら峠を過ぎれば道路は下りになります。
 日影というバス停で下車すると、道路の50mほど先に、猿尾滝の案内標識が見えます。左折し田畑の中を進む車道を20分ほど歩くと、猿尾橋という名の小さ な橋の元に着きます。この橋からも滝の下段を見ることができます。猿尾滝は、上下2段からなっています。沢に沿ってつけられた歩道を歩いていけば、すぐに、木々の陰 の滑らかな岩肌を流水が滑り落ちていく、下段の直前に立つことができます。上段へは歩道の途中から登れます。こちらは、下段の滑らかな岩肌とは異なり、ごつごつした岩肌で 水が勢いよく落下していく感じです。高さは31mと中程度です。
 ちょうど正午になり、南から日が差し込みはじめした。舞い落ちる水しぶきが照らされ、きらきらと輝いています。再び下段に降りてみましたが、こちらはあいかわらず日もあたらず 薄暗いままです。
 街道にもどりバスを待ちました。屋根着きの待ち合い場が設けられているあたりが今日本海側にいることを実感させてくれます。これから雪の季節になるのでしょう。 山陰線で豊岡にもどり、但馬空港に向かいました。2日がかりで、天滝、猿尾滝の2つの滝の訪問を終えて、飛行機に乗ればその日のうちに東 京の雑踏の中に舞い戻ることになりました。
訪問のために
<バス> 八鹿駅から全但バス村岡秋岡方面行きで日影バス停留所下車
<地形図> 村岡(1/5万)
<Web> 村岡町のページ
天滝


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