私の探し求めてきた滝の姿に、ついにに出会ったと感じたのがこの滑川大滝を知ったときである.高さ、水量の多さは荒々しさを与え
滑らかに削られた岩肌を複雑に流れ落ちていく流水の見事な調和は美しさを感じる.待ちに待った6月の日曜日、ついに私はこの滝に訪れることができた.
山形新幹線開通の影に寂れてしまった峠駅から始まる緑豊かな林道、ブナ林からなる静寂なアプローチ、念願の滝の訪問を終え、温泉で汗を流してから駅に下る
帰路のなんともいえない充足感は、思い出に深く残ることになった.
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奥羽本線峠に停車する電車は朝は2本のみであった.東京から日帰りで訪れるためには、東京駅を始発の新幹線に乗り、
福島駅で8時台の米沢行きに乗り換えるしかない.福島駅で奥羽本線に乗り込み、約30分で無人駅の峠駅に着いた.駅から1時間ほどかけて林道歩いていけば、沢の轟音が聞こ
えはじめ、滑川橋に着いた.轟音は橋のすぐ下にある無名の滝のものである.高さこそないが、滑らかな岩肌を流れ落ちる姿は美しく、立ち止まって鑑賞した.この橋の右側で滑川
に注ぎ込む沢が、これから訪れる大滝を持つある大滝沢である.林道はもう一方の本流の前川沿いにつけられていて、橋をすぎて、じきに秘湯として名高い滑川温泉の一軒宿福島
屋の前に出た.宿の脇を川沿いに登っていけば、東大巓への登山道のつり橋があり、ここを渡って 林間の歩道を登る.20分ほどの登りで尾根の上に出て、ここから滑川大滝を遠望
することができた.登山道をわかれ左に続いている下降道を沢まで下っていく.大滝沢の川原まではどうにか道があったが、そこから先は沢沿いを遡行することになった.まもなく大
滝の直下に出た.
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大滝を直下から見あげる | |
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滑川温泉には4Km | 新緑の林道を歩く | |
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奥羽線峠駅の古くなったスノーシェッドは廃工場のような外観だ.建物は大きいが山中のこの駅を利用する人はほとんどない. |
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Information
<地形図> 吾妻山( 5万分の1)
<On the Web> 米沢商工会議所,山形の滝
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