開聞岳
Mt. Kaimondake

開聞岳
薩摩富士、開聞岳


 日本各地には富士と名のつく山々が数多くある。開聞岳は日本最南端の富士山であろう。 私がこの山の名を知ったのは、中学校あたりの時、使用した地図帳にこの山が載っていたからである。 等高線から山の形がイメージしやすい山であるから、そのような例として取り上げてあったのではないか と思う。
 子供が描く山のように単峰で高く突き上がった、山としての理念形を示す開聞岳は、本家富士山と 同じく火山活動によってできあがった山である。実際には、2段階にわけて形成されたから、勾配の異なる2つ の円錐が積み重なっているのだけれど、遠目にはみごとなまでの円錐形を見せる。
 そして噴出した場所が海であったことが、1000mにも満たないこの山をより名峰にしている理由だ。 富士は独立峰でなければいけない。船上から見ると、この山は海面から天に向かう、絵に書いたような独立峰である。
 ちょうど錦江湾の出口に位置していて、南の島々に向かう航路上である。以前、屋久島に向かった私は、 この山によって、いよいよ大洋に出ることを知り、帰路では鹿児島に帰ってきたことを一足早く感じた。 これらの大洋に散らばる島々に住む人々や、もっと長い旅をしている人たちにとって、その思いは、私などと違って もっと深いものがあるのであろう。
 なじみの深い山であるけれど、登るとなるとけっこう面倒だった。薩摩半島のほぼ先端にあるのであるから 鹿児島市からはけっこう遠く丸々一日を要する。鹿児島にきたついでに寄るには少し遠すぎたし、百名山にもあげ られているほどの名峰とはいえ、そのためだけに航空運賃と宿泊費を出してまで遠征する気にもなれなかった。 機会があればと思いながらも、日だけが過ぎてきたのであるが、今年は奄美大島に行ったついでに 帰路、東京にもどるのを一日遅らせて、この山を目指すことにした。
展望の良い5合目
眺め 開聞
頂上 9号目からみた頂上
山頂
山頂 三角点
岩の間を登ると山頂に出た。やはり三角錐のてっぺんは猫の額ほどしかなかった。岩の上に立ち,霧の晴れる瞬間を待ち続けた。 遮るものもなく吹きつける風は強く肌寒い。時々、霧間に池田湖が覗く。
池田湖 茸山
下山
 登山路を下り終え時計を見ると14時だった。下りは1時間強しかかっていない。行きに降りたバス停から山川行きのバスも出ていたけれど、せっかくだから15時17分発 のJRを利用することにした。開門駅に向かい30分間荒れた無人駅のホームで待ちエンジン音とともに入ってきた列車に乗り込んだ。
 途中の西大山駅は日本最南端の駅と表示されていた。9日間の夏休みの最終日。今晩鹿児島空港から東京に向えば、今日は久しぶりに自宅のベッドで寝ることになる。 午後3時まだ日本最南端の駅を出た列車に乗っているのが不思議に思える。
開聞駅
開聞駅
訪れるにあたって
<地形図> 開聞岳 (二万五千分の一).
<交通機関> 西鹿児島駅からJR指宿枕崎線.山川駅から先にいく列車は少ないので山川駅で下車しバスに乗り換える. 山川駅まで所要時間は1時間30分.指宿止まりなど山川駅に達しない便も多いので注意. 山川駅から枕崎駅行きのJRバスに乗り、開聞岳登山口下車.帰路は往路同様にバスを使用するか、時間があえば開聞駅からJRに乗る。
所要時間の目安
山川駅 >>35分(バス)>> 登山口 >>30分>> 三合目 >>20分>> 5合目 >>20分>> 7合目 >>30分>> 9合目の上の展望のよい場所  >>15分>> 山頂 >>70分>> 車道 >>30分>> 開聞駅


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