黒滝(千葉県君津市)
Kurotaki
黒滝  侵食の激しい房総の渓谷は、露出した岩肌と、繊細な水の流れの見せる水辺の光景は格別である。 人里からも離れていない山々の中にあって、これほどまでの自然の美が展開されていくのが不思議なくらいである。
 今回訪れたコースは、房総の数ある渓谷 の中でも最良のものであろう。そのうえ最も容易に訪れられる。久留里線亀山駅から歩いて行けるのでアプローチは非常によいし、前半は渓谷に沿った整った林道で あるから散策するのも気楽である。その上、途中の黒滝など見るものにも事欠かない。


黒滝
コースの核心部である黒滝は、最初のトンネルを越えるとすぐ右側にある。
川原まで下りるのは困難なので、林道上から見下ろす。
コース案内
アプローチ:JR木更津駅で久留里線に乗り換え、終点上総亀山まで乗車。駅を出たら、藤林隧道を越えて坂畑方面に向かう北側の道路を進む。20分ほどで、R465に出られる。駅から亀山湖 側に歩いてもよいだろう。十字路を、渡ると南側に細い道路が続いているから、100mほど進む。 道はここで2つに分岐する。進路は左にとり、歩くと、亀山湖に面する遊覧ボート乗場が現れ、湖をまたぐ折木沢橋に着く。ここが林道歩きの起点となる。駅からここまでの所用時間は30分であった。
黒滝へ:橋を渡り、林道を歩き始めて30分、最初のトンネルが現れる。房総半島ではよく見 かける素堀のままのトンネルである。トンネルを抜けると、このコースのハイライト黒滝が左側に現れた。林道から沢までの崖は急で下ることはできないので、林道から滝を鑑賞し、再び林道を歩き始める。林道は、沢を渡り、左に曲がって進んでいた。 このあたりでは、沢との高さの差は小さくなり、沢に下りるのは容易である。沢幅いっぱいに、岩肌上を薄くながれる水に、太陽が反射して、美しい光景を見せてくれた。
湖面 川原
風景を楽しむことを考えると、このコースは新緑か紅葉の季節に訪れるのがよいと思う。
折木沢橋 素掘りのトンネル 水路トンネル
亀山湖に掛かる折木沢橋 房総ではよく見かける素堀のトンネル 房総では沢もまたトンネルとなっている
歩道入口 分岐
三石山方面の山道の入口はわかりにくい 元清澄山方面の分岐
三石山へ:林道歩きに徹すれば、郷台畑までいってからそのまま戻ればよいのであるが、今回は、山と渓谷社刊 「千葉県の山」の案内にしたがって、三石山まで歩いてみた。 4つの素掘りのトンネルを越える(最初のトンネルを合わせると5つになる)と林道の右脇に歩道の入口が現れる。三石山方面に向かう歩道の起点であるが、見落としやすい。ここから三石山の林道に出るまでの区 間は、コースとして整備されたハイキングコースではないので、必ず地形図を携行してよく確かめながら進んでほしい。行先を指示する標識は ほとんどないし、地形図上にも歩道は記されていないので、歩道の分岐が出現すると、どちらに行ってよいのか迷うことがある。植林の中につけられた歩道は、尾根上まで一気に登るので、10分程度 で高度を稼ぎ、登りは緩くなる。歩道は、稜線上を沢を巻くように南に大きく曲がって進む。沢の最奥部あたりに、元清澄山との分岐点がある。ここでは標識が利用できるので間違えることはない。三石 山の方向に進む。10分ほどで、このコースは、ピークに達し下りに変わる。地形図上では308と記載されているあたりだと思う。次の目安は地形図上の277mのピークである。何カ所か道が分岐していて 判断がいるが、誤らなければ20分ほどで、三石山の林道に下りる急な階段が現れる。
亀山駅 参考:
<2万5千分の1地形図> 坂畑
<ガイドブック> 山と渓谷社刊「分県登山ガイド11千葉県の山」,22〜23頁。
起点も終点も、房総のローカル線久留里線の亀山駅である


もどる 房総半島の散策 週末の散策 滝のページ ホームページ


Copyright (C) 1998 Masashi Koizumi. All rights reseved.