写真は、扇沢から大観峰、大観峰から立山駅と、分けて掲載してあいますが、文章はどちらのページでも同じです.富山県側はこちらにあります. |
長野県の大町市扇沢より、北アルプスを横断して富山県立山に抜ける、アルペンルートは、観光のために整備された交通機関を梯子することによって
日本アルプスの壮大な景観を足を駆使することなく味わえるコースである.私がこのコースに出かけていったのは、平成一年の七月、もう15年以上前で、大学の夏休みのことだ.
当時、アルペンルート内の搭乗券に、出発地までのJRの往復分の切符が一枚になった周遊券のようなものが発売されていたので、これを利用しての旅であった. 長野側の入口扇沢へは、大糸線JR大町駅よりバスが利用できる.新宿駅で、がらがらの急行アルプスで大町駅に向かう.冷房の効き過ぎの車内は、寒くてさっぱり眠りつけない. 結局ねむらないまま、大町駅という名の駅に初めており立った.改札を出て始発バスを待った.駅前の道路を地元のお年よりたちが集まってきて清掃を初めた.箒で路面を掃く音が、 まだ静かな町に響いていた.昼になれば、観光客が押し寄せてくるのだろう.そして、バスで扇沢にむかったのであるがこの区間は眠気ゆえにかあまり記憶にない. アルペンルート最初の区間は、トロリーバス.かつては都市部でも運行され、現在では環境に配慮された新たな交通機関として見直されている電気で走るバスだ. 黒部第四ダムの工事用に掘られた関電トンネルを走る.北アルプスの真っ只中を貫通させる工事は、破砕帯に悩まされた「黒部の太陽」 で知られる難工事の末開通した.昭和38年ダムは竣工し、資材運搬という本来の目的を達成し終えたトンネルが、観光用に利用されているのである. トロリーバスを降り、トンネルを出るとまぶしい日の光の下に巨大な湖面が現れる.巨大な黒部第四ダムの放水口は開いていた.すごく奇妙に感じるのは、虹をかけ吐き出されていくダムの 余剰水が、これから秘境で有名な峡谷を流れていくことになることだ. このダムの名を知ったのは、たぶん日本最大のダムと習ったときのことであろう.高さ186メートル、今そのそのダムの上に今立っているのだ. アーチ型のダムは、堤長492メートル、その上を歩いて対岸に渡ると黒部湖駅がある.ここで、遊覧船に乗り、ダム湖を一周、ケーブルカーに乗り黒部平へむかう.黒部湖から先は立山越えということにな る.立山の中腹にある大観峰までロープウェイで一気に渡る.海抜2300メートルを越えているから夏とはいえ肌寒い.西側の室堂まで立山の山体を貫通させたトンネルの中を専用バスが走る.私が乗ったときには、トンネル内に エンジン音が響かせ、通常のバスが走っていたのだが、現在はここもトロリーバスになったようだ. 室堂に抜けると初めて間近にみる雪山の風景.展望もよく、ホテルもあるアルペンルート観光の中心地で、ここからは 美女平間は1時間近くのバスの旅、さわやかな高原のドライブといった感じで下った.厳しい冬、アルペンルートはもちろん閉鎖されている.道路は春を迎えるとバスの高さの何倍もあるような積雪を除雪し開通する.垂直に切られた壁にはさまれてバスが進む 映像は毎年恒例のニュースだ. 美女平でバスを降り、立山駅までは再びケーブルカーに乗らなくてはならない.このコース、なんとも交通機関の乗り換えに忙しいのだ.そして、アルペンルート富山側の入口である立山駅に着いた.国内最大の高さを誇る称名の滝行きのバスはこの駅から運行されている.このときは、時間もなくそのまま帰路を急ぐことになった. アルプスの旅を早くも終えてしまったことを惜しみながら、まだ山岳地の余韻を味わえる富山地方鉄道に揺られ富山駅に出た. |
アルペンルート富山側、大観峰から立山駅間の写真は、こちらのページにあります.称名の滝については、別にページを開設しました. |
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大町駅 | トロりーバス扇沢駅 |
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トロリーバス(黒部ダム駅) | 黒部ダム |
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黒部湖 | 黒部湖 |
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黒部湖(上流部) | 黒部沢方面 |
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黒部ダム下流側の黒部沢 | 黒部湖駅(地下ケーブルカー) |
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黒部湖から見た立山方面 | 黒部ダムと湖 |
関連するページ | 本場アルプスの旅 | 白馬 | 南アルプス |
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立山黒部アルペンルート公式サイト | ||||||||
大町市観光協会 | ||||||||
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黒部峡谷鉄道株式会社 | ||||||||
Masashi Koizumi |