マイチケットについて

【メディア掲載記事ー日刊ゲンダイ】

 

 

 

 

 

 

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日刊ゲンダイ 1996年12月7日

「市場トップ」にのし上がった 大阪中小企業の マル秘 アイデア
オルタナティブ もうひとつ の海外旅行で年商3億
従業員4人、大手が取り扱わない異色ツアーを次々と企画

 

 大阪・淀川区に「マイチケット」(山田和生・代表)という、小さいが存在感のある旅行会社がある。1982年設立で、発足以来、「オールタナティブ・ツアー」を手がけ、この分野ではシェアを独占している。

海外旅行業界は、ここ数年、景気低迷の長期化、阪神大震災にともなう需要の落ち込み、価格破壊による安売り競争というトリプルパンチを受け、厳しい状況が続いている。

 

 バブル時代、大型豪華海外旅行ブームが巻き起こったが、それに浮かれていた中小エージェシトはどんどん潰れていった。客から旅行代金を受け取っておきながら、トンズラした事件がマスコミをにぎわせたりもした。しかし、「マイチケット」のように小さくでも確固たる〃経営哲学〃を持っているところは至って元気である。

 オールタナティブは「ちよっと違う」「また別の」といった意味の言葉である。世界の名所旧跡をパックツアーで巡るような海外旅行ではなく、ハッキリとした目的意識を持った、一味も二味も違う中身の濃い旅行である。したがって現地に入って、現地の人と出会う旅が中心となる。

 同社が企画したベンボスタというスペインの子供共和国へのツアーは大好評で、すでに4次にわたって子供から大人まで100人を超える人が現地を訪れている。

 ペレストロイカからソ連解体という歴史的な転換を遂げたロシアのノボシビルスク、イルクーツク、サンクトペテルブルグ、モスクワなどを訪ねホームステイするツアーも、すでに8次に及んでいるという。

 ハワイでは、バブル時代、日本企業がむちやくちやな開発をした結果、ポリネシア系原住民が経済的に窮地に追い込まれ、ホームレスになる人も出るという事態が生じたが、そんな日本企業の乱開発に反対する現地の人々との交流ツアーも組んだ。

 日本軍による真珠湾攻撃50周年には日本、アメリカ、ハワイ、さらに太平洋諸島の市民が集まって平和集会を持ったが、それへの参加ツアーも呼びかけた。この時、ピースセンターをつくろうという話が出で、タロイモ基金をつくって募金を呼びかけた結果、原爆投下50周年の昨年8月6日、「ハレ・オ・マルヒア(平和をつくる家)」としてオープンしたという。

 韓国にパンソリ(日本の義太夫のような語り歌。浪曲や演歌のルーツとも言われる)を聴きに出かけるツアーを組み、韓国観光公社から「韓国観光商品企画優秀賞」をもらったこともある。

 このほか、タイやフィリピンを訪れて、日本の海外進出や収奪の実態を知るというツアーもあれば、米のルーツを探ってミヤンマー、インドネシア、中国の奥地を巡るという企画もある。

 もちろん、こうした企画ツアー以外にも、いま脚光を浴びているディスカウントチケットも、早くから取り扱つている。

 ヨーロッパでは、緑の党の若者たちが、こうしたオールタナテイブツアーをワーカースコレクティブ(共同出資し共同運営する事業体)をつくって事業化したりしているが、日本ではなかなか育たない。

 大手の旅行会社が、ニーズが結構あることに目をつけで、手を出そうとしたこともあるが、結局は撤退している。「大手は、世界で何が問題になっているのかを知らないし、どこに出かけで、だれに会えばいいのかも分からないから、企画すら立てられない」という。

ある大手旅行代理店の支店長がこう感心する。

「マイチケットさんのようなツアー企画をわれわれも商品化したいど思うが、あそこまで現地に詳しくはないからどてもダメです。リスクも大きいだろうに、ホントよくやっていると思いますよ」

同社の山田代表は、世界中どこへでも飛んで行き、そこの人々と繋がりをつくってくる。これが「マイチケット」の強みなのである。

(株)マイチケット 代表・山田和生、
設立1982年、資本金3000万円、従業員4人、年商3億円。
大手旅行会社が決して取り扱わない「オールタナティブ・ツアー」を次々と 企画し、脚光を浴びている。


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