2002年11月


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リチャード・ハリス死去
2002年11月1日(金)

俳優のリチャード・ハリス(以下敬称略)が
10/23に死去したそうです。72歳。

最後に観たのは「許されざる者」かな。
イングリッシュ・ボブ。

最初に観たのは、誰も覚えていないだろうなあ、
「黄金のランデブー」というアクション映画。

「オルカ」「ワイルド・ギース」・・・映画館で
観ましたねえ。

私にとってはやっぱり「ジャガーノート」です。
この映画の、爆弾処理班のリチャード・ハリスは
最高にカッコいい! リチャード・レスター監督の
演出によるんだろうけど、最後の
「♪ファロン・イズ・ア・チャンピオン〜(パンパンパン)」
にはシビレました。同じ監督の「ロビンとマリアン」
の獅子王リチャードもシブかったです。

残念だな〜。合掌。

またJR広告
2002年11月2日(土)

この間のJ子ちゃんに続いてですが。
ビューカードの広告で「つげ義春」の
まんがが使われていますね。

大学1年の時、本屋でバイトを始めました。
従業員は1割引きで本が買えるので
ありがたかったです。あるとき、小学館文庫の
「ねじ式」「紅い花」を注文して、入荷した
というので引き取りに行ったら
バイト仲間のK君がひょいと横からやってきて
「何それ?」というので見せたら
「つげ義春? 暗いなあ、お前」
と言われました。

あんまり親しくなかったK君だったのですが
あとで話をしたら、

「おれ、マンガ家になりたいんだよ」

とのことでした。つげ義春は本当は好きなのだ
そうです!
彼はその後、人知れずバイトをやめてしまった
のでどうなったかわかりません。
JRの広告を見て、そんなK君のことを
思い出しました。

その時が来た
2002年11月3日(日)

混雑した電車に乗っていて、
周りが自分より背が低い人ばかりだと
不思議な気持ちにとらわれます。

こんなことがあるなんて!

自分は今身長が168cmなので
現在の高校生の平均身長170よりは
低いとはいえ、まあ普通といえなくも
ないのですが、
小・中学校時代はチビッコでした。
いつもクラスで並び順は前から2〜3番目。
女の子もみんな私より背が高い・・・。

唯一の利点は、中学生になっても
映画館に「子供料金」で入れたことだけ
でしょう。
しかし、開港記念日の休日(平日)に
銀座に「ローマの休日」を観に行って、
余韻にひたって歩いていたら
「きみ学校は」
と警官に補導されそうになりました。
チビが銀座歩くなってことですね。

電車やバスに載ったとき、チビなので
つり革に手が届かない!
手すりにつかまらないと、揺れるたびに
あっちフラフラ、こっちフラフラ。

高校〜大学でありがたいことにそこそこ
背が伸びました。

いつだったかなあ、電車でふいっと
手を伸ばしたらつり革に手が届いたんだよ!

おお!

ついにこの日が来たか・・・

あるまんがのセリフを借りれば、
「あの時の感激は今でも忘れられないわね」
というところ。

あーあ。

11月は・・・
2002年11月4日(月)

この間、ちょっと小汚い大衆食堂に
入りました。
本棚があって、「ゴルゴ13」
とか「おやこ刑事」とかいかにもな
まんが単行本が並んでいたのですが、
なぜかその中に、ポツンと一冊、
小学館文庫の

「精霊狩り」

があるではないですか。
うむむむ。これはいったい・・・。
どのような経路でこの本がここに
収まるにいたったのか。

いろいろなストーリーが考えられて
楽しかったです。

恋について(1)
2002年11月5日(火)

久しぶりに、あべりつこさんのまんが「すえっ子台風」
を読んでみました。何度読んでも良い作品です。

この作品の中で、下原さんって子が言うセリフで

「ねえ、恋ってまるでシャボン玉みたいだって思わない?」

というのがあります。
ふむむ。



ちょっといろいろ考えました。
私の歪んだ(?)恋愛感がどこからやってきたものか
記してみたいと思います。
以下次号

恋について(2)
2002年11月6日(水)

私は年度でいうと 1964年度 の生まれです。

よって、6〜14歳という時期を「1970年代」に
過ごしました。小・中学校時代がそのまま70年代で
あるわけです。

真綿が水を吸い込むように、外界の情報を無意識の
うちにどんどん吸い込んでいった時期、
この時期にどんなイメージが我々にあたえられて
いたのでしょうか。

外界といってもいろいろあるなかで、やはり
歌謡曲・TVドラマ・TVアニメ・・・といったものが
有形無形にいろいろなイメージを植えつけていると思います。

まず歌謡曲。

70年代の歌謡シーンは一言では言い表せませんが
非常に「人工的」なアイドルがガンガン出てきた時期だと
申せましょう。
不自然な振り付けで奇妙な歌を歌う浅丘めぐみなどが
まっさきに思い起こされます。
とにもかくにも、アイドル歌謡曲とは98%が
「恋の歌」であったのではないでしょうか。

具体的にみてみましょう(続く)

恋について(3)
2002年11月7日(木)

例えば、私が一番最初に「このレコードが買いたい!」
と思った歌謡曲は、

キャンディーズの「年下の男の子」

でした。“思った”というのは、レコード屋で
店員さんに「・・・下さい」と言ったら
「ありません」といわれ、それっきりになって
しまったからです。

さて、この「年下の男の子」ですが、曲の内容は
というと、
女の子が自分より年下の男の子の性癖や外見を
こまごまと言い立てて、「でも好きなの」と
結論付ける歌です。女の子の方が好きで、男の子の
ほうは何を考えてるのかわからん、という設定です。

うむむ・・・。男にとって都合のいい曲だな。
今にして思うと。

これより前になると思いますが、やはり「このレコードが
欲しい!」と思いつつ、あまりにも恥ずかしくて行動は
起こさなかった曲があります。それは

太田裕美の「木綿のハンカチーフ」

です。歌謡史上に残る名作ですが、これも曲の内容は
というと、田舎に住んでる男女のうち男が都会に出て、
女は男が好きで待ってるが、男はだんだん都会に慣れて
女のことを見捨ててしまう、というものです。

うむむむ・・・
いずれも、女の人が歌っているとはいえ、詞を書いたのは
男の人ですよね。セールス先も、まあ男性向けですよね。
男の人は、女の人に「好きです」といわれれば、
まあうれしいですよね。
子供の私は、そういう歌が好きだったわけですよね。

・・・

ああ、もう書くのやめようかな。例を挙げていったら
みんな このパターンやねん!

でも、気を取り直して次回へ続く。

恋について(4)
2002年11月8日(金)

フォークソングの流れが、歌謡チャートにも
切り込んできました。
小学校4年生の時だと思いますが、ビッグヒット
曲がありました。

小坂明子の「あなた」

です。これは私もいろいろな意味で驚きました。
非常に失礼な言い方で申し訳ないのですが、
「でぶ」な人がテレビで歌ってる、っていう・・・
いや、今見れば「ちょっと太め」ぐらいなのでしょうが
当時はテレビではそういう人は京塚昌子さんぐらい
しかいなかったもので。それはともかく、
子供の私が聞いても歌がうまく、たとえば
浅田美代子なんかは子供の私が聴いても「へただ」と
思いましたが、とにかく圧倒的な歌唱であったわけです。

で、涙ぐんで私が聴いていたこの曲も、
女性があれこれ家事をしながら男性を待つという
構図なわけですよね。これは夢で、あなたは今どこに?
ということではあるんだけど、
あのこまごました描写・・・「大きな窓」「古い暖炉」とか
「レースのばらと白いパンジー」
これらのアイテムが“新生活”というイメージと一体化して
いる人は多いのではないでしょうか? え、そんなこと
ないって?そうかなあ。

だいたいの恋の歌って、手がつなげればいいとか
目標値はそんなところだったけど、
この歌はイキナリどう暮らすか、というところに
来てるからねえ。
さらに、そうはいっても、そういう夢も叶わぬことも
あるという現実をイキナリ突きつけられるわけでしょ。
子供にはダブルショックだよ。

大ヒットしたのには、そういう子供への啓蒙効果が
あったものと推測されます。

続くかも。

恋について(5)
2002年11月9日(土)

でもって、歌謡曲編についてまとめますと、
やはり男性にとって都合のいい曲が多く、
「あなたが好きすき〜」という世界を
楽しんでいたように思います。

その後、阿木曜子さんみたいな女性の作詞家が
活躍するようになったり、
フォークからの流れで「ニューミュージック」なる
定義不能な一群が現われ、ともかくも女性シンガー
ソングライターが活躍するにいたって、
多様な価値観が提示されるようになったけれど、
私の好みはゆるぎないものになってしまって
いたのだよね・・・。


しんどい。書くのが。


でも、次はTVドラマ編にいきます。

どれみと魔女をやめた魔女
2002年11月10日(日)

さて、連載中ではありますが、きょうはどうしても
書かねばならん出来事があったのでそちらを書きます。

今朝見たアニメ「おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」の
第40話

「どれみと魔女をやめた魔女」

なんだけど、ゲストでなんと女優の


原田知世さん


が声の出演をしていました!!

役の名前は未来(みらい)さんという大人の女性。

察しの良い方はもうわかりましたね。

「時をかける少女」

を意識した、“時間テーマ”の作品でした。


話はこんなのです。
バカ小学生のどれみはある日、まわり道して帰ろうと思い立つ。
時が止まったような見知らぬ町で、どれみは物静かな年上の女性・
未来さんと出会う。彼女はどれみが魔女(見習い)であることを
見抜き、自分も魔女だがもう魔法は使わない・・・と告げる。
彼女の手がけるガラス工芸の作業が珍しいこともあって、
どれみは未来さんのもとへ日参して手伝うようになる。
彼女はお礼にどれみにガラス玉を渡す。夕陽に透かしたガラス
の中の光のゆらめき。未来さんは言う
「ガラスは固まっているようでいて動いている。その動きは
 何十年、何千年も見ていないとわからない・・・」
世界じゅうのあらゆるところで暮らしていたという彼女の元に、
一通の外国からの絵葉書が届く。考えていた彼女は明後日
イタリアに旅立つとどれみに告げる。どれみが作ったガラスの
うつわを明日取りに来いという
「明後日じゃなくて、明日取りに来て」・・・。


ストーリーだと今ひとつ伝わりませんが、いくつかのメタファーが
ちりばめられています。

誰もいない街角、一人歩く少女

二つに分かれた道(どちらかに進まねばならない自分)

赤く頬を照らす夕陽(その先は夜の闇)

美しく輝くかと思うと、像を歪ませもするガラス


ひとつひとつが何かを象徴しているともいえますが、
渾然一体となって、ある時期の「不安」や何かを・・・
表現していた20分間であったような気がします。

眠っていたある部分を、コン、と叩かれたような
感覚を持ちました。


何千年も生きていかなければならない者の哀しみ・・・
というのはたとえば「ポーの一族」なんかも想起させましたが
ガラスは うんぬん、の挿話には誰でも梶尾真治の
「美亜へ贈る真珠」
を思い出すのではないでしょうか。


かつて時をかけた少女の原田知世が未来という役で
現役バカ少女のどれみに、時間というものの切なさを
伝える・・・
たぶん、製作者の人たちは、同世代なんじゃないかな、
と推測します。

バンク(変身・魔法)シーンも全くない、異色の一編
でした。
しかし、日曜の朝にこんな静謐な作品を・・・。

ことに、夕陽の差す中、どれみが分かれ道のどちらに
いこうか迷う映像に ちょっと現代音楽っぽい弦楽の
流れるシーンは、見た子供には強く印象に残ったんじゃ
ないかと思います。

恋について(6)
2002年11月11日(月)

ちょっと補足。

かわいい女の子が「好きすき〜ん」と歌う唄を
否定的に書いたようなところがありますが、
けっして否定しているわけではありません。

幻想を売ることは悪いことじゃないし、
幻想を買うことも悪いことじゃありません。

まあ、イケナイことがあるとしたら、現実の
人間関係で、その価値観を強要することでしょう。
「何で俺のこと好きにならないんだよ!」とか
言われたら気持ち悪いですよね。


さて、TVドラマ編。70年代というのは、
変革の時代であった60年代の熱さも収斂し、
なにか「恥じらい」の時代であったような
気がします。表現様式に、何がしかの「照れ」
を感じることが多かったです。
あんまり「純愛もの」とかはなかったような。

精神主義への対極としてのバカ系熱血青春もの
も60年代からの流としてあって、
村野武範の「飛び出せ!青春」とか
中村雅俊の「われら青春」とかを好んで見ていました。
笑いのタネにされがちな作品群ですが、私は
マジ(本マジ)で没入して見ていました。
この手のドラマでは「友情」「連帯」が主要テーマ
で、恋愛模様はあまり登場しませんでした。

しかし! 私の脳に深く刻印をきざみこんだ
大傑作ドラマは違ったのです。もう何度も書いて
いて恐縮なのですがそれは


「おれは男だ!」


です。以下次号

ただひとたびの
2002年11月12日(火)

連載途中ではありますが、思い出したことが
あるので書きます。


小学校4年生の時、クラスにNさんという
おとなしくて目立たない女の子がいました。

「伏目がちのいしだあゆみ」とでも形容すべき
容貌でしたが、小柄でやせてて、髪ボサボサで、
いつも肘当ての付いたジャケットを着ていたと
いう記憶があります。いつもうつむきかげんで、
笑った顔も見たことがなかったです。

さて、何でか忘れましたが先生に頼まれて私は
「連絡網(住所録)」のガリ切りをしていました。
カリカリ書いていると、先生の下書きで
抜けているところがあることに気付きました。
「S先生、Nさんの電話番号は?」
「ああ、Nんちは電話ないんだよ。連絡は近所の
Hに伝えてもらうから」
とのことでした。
Nさんちは、生活保護を受けていたそうです。

話かわりますが、小学校時代はいろんな友達がいて、
家が裕福でない子もたくさんいました。長屋みたいな
ところに住んでる子も多かったです。

閑話休題。
で、Nさんはいつもおとなしくて、しゃべっている
ところも見たことがなかったのですが、ある時
おどろくべきことが起こりました。

クラス対抗の演劇コンクールで、Nさんが主役の
一人に抜擢されたのです。S先生の指名でした。

だしものは「あまのじゃく」というお芝居。

時代劇の「うりこ姫とあまのじゃく」という劇を上演
しようとしている小学生たち。練習をしていると、
それを妨害する少年があらわれる。演出を担当している
リーダーの男女が、その少年を説得して、最後には
少年は「ぼくがあまのじゃくだった」と改心して、
劇は無事上演される・・・というものでした。

「二重構造」(入れ子)の劇で、小学校4年生にやらせる
にしてはナカナカ凝ったものでした。

で、配役は
あまのじゃくの少年がちょっと不良っぽかったI君、
上演リーダーの男の子が優等生少年のW君、そして
上演リーダーの女の子が、Nさんだったのです。

配役を先生が発表したとき、みんなビックリしました。
「え〜、Nさん?」
「Nさんって、しゃべれるの?」
など、みんな不思議に思いました。


ところが練習が始まって、またビックリ。
Nさん、演技がうまいんだ これが。
初めて聞いたNさんの大きい声、
ちょっと低音だけどよく通る声で、
なにより口跡が良い。

相方のW君は発声はいいんだけど演技がやや一本調子
だったなあ。彼が台本を床にたたきつけて叫ぶ
「ええい、君のおかげで劇はめちゃくちゃだあ!」
というセリフを良く覚えています。

で、W君はそのあといじけてひっこんでしまい、
引き続きI君が改心するよう説得するのがNさん。
具体的なセリフは忘れたけど、こう、心をこめて
語りかけるんだよ・・・すごく巧かったなあ!
練習のとき、みんなシーンとして見とれてたよ。


上演の本番は大成功でした。


こういうことがあったんだけど、その演劇が終わった
あと、Nさんは目立たずおとなしく−の今まで通りの
状態に戻りました。クラス替えがあって、5・6年も
同じクラスだったけれど、変わりはありませんでした。
それから、中学3年の時にまた同じクラスになったん
だけど、まったく変わりなく、クラスでは目立たず
おとなしくしていました。

5年同じクラスにいたわけだけど一言も話したこと無いし、
中学卒業以来、顔を見たこともないけれども、
あのたった一度だけの名演技は強烈に印象に残って
います。

不思議なんだよなあ・・・
あのスポットライトの当たった場所から、
何事もなかったようにもとの場所に戻ってしまう
感覚が。
お調子者の私には理解できない世界を持って
いた人のようです。

演技のうまい彼女は、彼女なりの役割を
日常でも演じていたのかなあ。

後年、小学校の時の卒業文集をみたら、Nさんの
趣味は「まんがを読むこと」と書いてありました。

家では「つる姫じゃ〜っ!」でも読んで笑っていたのかな、
そうだったら良かったなあ、と私は思ったのでした。

恋について(7)
2002年11月13日(水)

TV編の続き。

「おれは男だ!」・・・この作品タイトル。

「!」が付いていて熱いんだけど、思わず
「それがどうした!」と返答したくなることでしょう。

ウーマン・リブを主張する女性と剣道部の主将の男性
(二人は家が隣同士)がことあるごとに対立する
けれども実はお互いに好きでもある・・・というストーリー。

「おれは男だ!」という作品タイトルを聞いた時、
100人中99人までは頭の中にこの言葉が浮かぶはずです。


「ヨシカワク〜ン」


もしくは
「ヨシカワクン、キミハダナア〜」


吉川君。女の人に「くん」付け。
私は、したことがない行為です。
周囲でもあまり聞いたことがありません。
「吉川」でも「吉川さん」でもなく、
「操(みさお)」でも「操さん」でもない。
この呼びかけは、何を意味しているのでしょうか。

「くん」とよびかけるのは、相手が男性の場合です。
吉川操に対して、男性を意味する呼びかけをすると
いうこと。これは、あまりにも相手を「女性」として
意識してしまい、性別意識が100%を超えて200%
に達してしまったために、性別認識を逆転させることで
かろうじてアイデンティティを確保している様子を
示しているにほかなりません。

そう考えると、彼の裏返ったような高音や、
ヤケクソみたいな剣道の練習への打ち込み、
ぎこちない下手な演技のように見える身振りも、
すべて がてんがいくではないですか。

性別を意識し、異性の前でぶざまな行動に
出てしまう人間のありさまを提示してくれた
ドラマ、それが

「おれは男だ!」。

それは「思春期」の前に立つ、私を含む少年たち、
暗い水面に浮かんだ船のような私たちの行き先を
照らす灯台の光のような存在であったのです。


TV編は次で終わります。

恋について(8)
2002年11月14日(木)

前回の補足
誤った光に向かって進んでいくと
座礁しますので気をつけましょう。


さて、TVドラマでもうひとつだけ記しておきたいのが、
NHKで夕方放送していた“少年ドラマシリーズ”の
SF作品です。このシリーズについては最近りっぱな
資料本が出たそうですが、まだ見てません。
このシリーズの中で、SFドラマの、
「謎の転校生」
だったかな、が非常に印象に残っています。

今ではSF小説は全然読みませんが、子供の頃は
好きで図書館で借りて良く読んでいました。
なかでも、
“時間テーマ”
の作品が大好きでした。タイムスリップとか
タイムトラベルとか。いろいろ読みましたが、
最良のものは身近にありましたね。
小説ではありませんが「ドラえもん」。
小学館の学年誌の連載で読んでいました。
これ、タイムマシンのエピソードが多い
ですよね。
のび太が過去に行って、恋人同士のお父さんと
お母さんの仲をとりもとうと苦労する話がありました。
二人がケンカ別れすると、自分の存在が無くなってしまう! 
同一シチュエーションが後年の傑作映画
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でもありましたネ。
自分の存在というものが、かくも奇跡的な偶然によって
成り立っているという好エピソードでした。
これを読んで、自分の周りのいろいろなことを大事に
しようと思ったよ。余談ながら、ニュースで極悪な犯罪が
報道されると、
「この犯人の人は子供の頃『ドラえもん』を読んで
 いなかったんだなア・・・」と思います(←バカ)。

閑話休題。

まあ、時間テーマSFについては別に書きたいと思いますが、
少年ドラマシリーズの「謎の転校生」、主題歌はたしかこんなでした。




ひだまりで ふとみた 

おれの かげ

はなれて きえた

おたがいに ばらばらには 

いきていけぬと しりながら

かげよ おまえは きえた



間違ってたらごめん。まあこんな感じ。
なにかこう、ぞくぞくっとくるイメージがあります。
番組内容は、ミステリアスな転校生がやってきて、
それが実は未来人?だったという話だったと記憶しています。
なんでこれが「恋について」と関係あんの?
と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

時間の流れというのは、過去から未来へ流れていて、
絶対に変えることは出来ません。どんな方法を使っても、
過去に行くことは出来ません。
しかし、SFものでは、やっちゃうんですよね。
多くは、ひっそりと。
これは、「禁断の味」ですよ。
さっきの番組主題歌、本体と離れることの出来ないはずの
「影」が自分から離れていずこへかと消えた・・・どこへ? 
こういった、日常から遊離したイメージのとりこになることは、
何か、こう、「恋に恋する」といった感覚と近いものがあるように
感じられます。
それで、違和感は承知であえて書き加えてみた次第です。

TV編終わり。次から最後のまんが編に入ります。

恋について(9)
2002年11月15日(金)

私の読んでいた「週刊少年ジャンプ」「週刊少年チャンピオン」
では これについて特に印象に残っているものはないんですが、
単行本で読んだ「野球狂の詩」(4巻)に載っていた
水島新司と里中満智子の共作「ウォッス10番」が
良かったですね。有名作品なので詳しい説明も不要と
思いますが、高校野球部の控え投手とおさななじみの
女の子の話です。部分的ではありますが、少女まんが
的なるものとの出合いとなりました。

少女まんが。



さて、今まで書いてきたことを要約すると、
「あなたが好きすき〜ん」という歌謡曲に幻想をいだき
「ヨシカワク〜ン、キミハ〜」という叫びの中に自意識の
芽を見出した、といったところ。
そして、
幼年期の最終章として
“少女まんが”との出合い
があったような気がします。

そりゃまあ、少女まんがにもイロイロあります。
「おはよう!スパンク」もあれば「トーマの心臓」もあります。
しからば、私が出合った少女まんがとは何だったのか。
『りぼん』です。
俗に“おとめちっく”バリバリと言われていた頃の。

前にも書きましたが、良く言われることに、
“おとめちっく”まんがとは
「チビでドジな私が、あこがれの彼から
 実はキミが好きだと言われる話」
というのがあります。
それに近い話も無くはなかったですが、
私が少女まんがを読んで目を見張ったのは以下の2点です。

(1)自らのコンプレックスへの決着のつけ方

(2)人間関係(恋人・友人・家族)の形成・維持への努力

まあ、その当時そう意識していたわけではないですが、
後から考えると、そういう関心で読んでいたように思います。
(1)については、「チビ・ドジ」に象徴されていますが、
外見のみならず内面にもいえることです。
(2)についても「あこがれの彼」にフォーカスされていますが、
それも含む、人間関係への考察がなされていたように思います。

一口に「恋の話」といっても、書き手の関心はイロイロなのだ
なあ、と気付いたわけです。

でも、実際にはフワフワした部分も面白く読んでいたんだけどね。

当時(70年代後半)の『りぼん』は書き手も読み手も
やや高年齢化して、作品も浪人生とか、大学生を主人公に
したものが多かったように思います。そんなところも、
少年にとっては興味深いところでありました。
しばらくして、揺り戻しで誌面が低年齢化しましたが。

少女まんがについては、また別の機会に詳しく書きます。

次は書き忘れていたTVアニメの話をして、完結させます。

恋について(10)
2002年11月16日(土)

昔のTVアニメはSFもの・ギャグものが
多くて、しっとりした恋愛ものというのは
なかったですねえ。

しかし、70年代も終わりを告げる79年、
中学三年の私は、幼い頃に見たあるアニメ番組
を思い出すこととなるのでした。

詳しい話は省略しますが 端的に言うと
帰国子女のクラスメートに憧れる私は意外にも、
意表を突いた人物から思いを寄せていただくことと
なったのでした。

この構図というのは、あの

「花のピュンピュン丸」

ではないですか!!

美人の伊賀忍者・さゆりちゃんに気持ちを寄せる
ピュンピュン丸だが、ビジネスライクな性格の
彼女にその思いは届かない。その一方で、ダミ声
の怪少女・ケメ子はピュンピュン丸が大好き。
うっとおしくも思うが彼女に助けられる場面も
多い。世の中は思うままにならぬ。

ピュンピュン丸役の田上和枝さんの声
「ああ、さゆりちゃん・・・」が耳元で鳴る。

ケメ子役の曽我町子さんの声
「ピュンピュン丸さ〜ん」が胸の中でこだまする。

参考までに言うと、この声のコンビは
「オバケのQ太郎」ファーストシリーズで
田上和枝=正ちゃん
曽我町子=Q太郎
であった。

オバQだよ人生は、

といったところか。

かくして、さゆりちゃん以上に美人でスーパーモデル
のような奥さんをもらった(=※注1)私は今
このように思うのであります。

恋の歌謡曲は 空の鳥の声

熱いTVドラマは 遠い水平線 

極彩色のアニメは 空の虹

見上げたり、遠く眺めたりしたものでした。


さて、下原さんのセリフから始まった一連の
文章でしたが、例によって散漫なものになって
しまいました。また出直してきます。
それではこのテーマでまたお会いする日まで
さようなら。

※注1・・・文中、一部脚色をほどこしています。

映画「恋に唄えば♪」
2002年11月17日(日)

優香主演の映画「恋に唄えば♪」が昨11/16に
封切られたので、さっそくきょう観て来ました。

私、金子修介監督のファンなのです。

この新作も、とても面白かったです。

初期作の「みんなあげちゃう」(1985年)と
感じが似ています。

竹中直人がニガ手・・・という人には
おすすめしませんが。

デパートの出てくる映画
2002年11月18日(月)

で、昨日観た「恋に唄えば♪」なんですが、
優香ちゃんがデパートの店員さん、という設定でした。
エンドクレジットで撮影協力として「SOGO」と
出てきます。そごうデパートで撮影された模様。
監督のホームページによると、デパート屋上のシーン
は八王子のそごうで撮影されたそうです。

テレビドラマでは主人公がデパートの人、という
設定がよくあります。

映画でデパートが印象的に出てくるものを
思い出してみます。あんまりないけど・・・

「おとうと」
市川崑監督、岸恵子主演の文芸もの(幸田文の原作)。
大正時代の話ですが、岸恵子がデパートで万引きしたと
疑われるシーンあり。

「天国と地獄」
黒澤明監督の傑作サスペンス。横浜が舞台で、
“横浜高島屋”の配送トラックが権藤亭に
やってくる(偽装で、中には警官)。

「シャレード’79」
ファラ・フォーセット=メジャース主演の
映画。デパートを舞台にした追っかけシーン
があるらしい。ブルーミングデール?(未見)

「マンハッタン物語」
スティーブ・マックイーン、ナタリー・ウッド
共演の青春もの。ラスト、マックイーンがメーシーズ
の店の前でプラカード持ってナタリーに詫びいれ。

「ポリス・ストーリー 香港国際警察」
デパートというか、ショッピングセンターか。
ジャッキーが上へ下への壮絶アクション。

「『さよなら』の女たち」
斉藤由貴主演映画。神戸の夜景でそごうのまるちぎり
マークが写る。ジャマだよ!

「ゴジラVSモスラ」
「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」
ともに、みなとみらい地区で怪獣決戦。
横浜そごうが写る。壊れないけど。

しかし、デパートといったら、
なんといってもきわめつけは

「太陽を盗んだ男」
沢田研二主演、長谷川和彦監督の傑作アクション映画。
渋谷の東急デパートから連絡するジュリー、逆探知で
所在がバレる。警察はデパート入り口を封鎖、
お客はパニックに。ジュリーはデパート屋上から
札束を撒かせ、大混乱に紛れて逃走する。
スゲー。
この撮影を許可した東急デパートはエライ!(注)
俺は一生東急で買い物する、と誓ったよ。
でも渋谷行かないから、近所の東急ストアで
豆腐買うぐらいだけどネ。
(注・たぶん許可してなくて、勝手に撮影されちゃった
 んだと思う・・・)

よりたのしいデパート映画が登場することを願っています。

ジェームズ・コバーン氏死去
2002年11月19日(火)

11/18、享年74歳、とのことです。

「大脱走」のDVD出たばかり、映画では生き残る
数少ない一人なのに。何とも。

映画では、役としては「荒野の七人」が一番カッコ
良かったですね。でも好きなのは、音楽も最高の
「電撃フリントGO!GO!作戦」かな。
小林清志氏の吹き替えがバッチグーでした。

新作で、映画館で観た・・・というのは
「リベンジャー」。ソフィア・ローレン共演の
アクション映画なんだけど。。。誰も覚えてないか
「Mr.Boo!インベーダー作戦」と二本立て。
あとはブルース・ウィリス主演の迷作「ハドソン・ホーク」
にゲスト的に出ていたのを観ました。

一時期、タバコの宣伝に出ていましたよね。
会社の人たちと江ノ島に海水浴に行ったとき、
たばこ会社のキャンギャルの人が廻っていました。
「おなじみの合言葉を言ってくだされば、
 サンプルを差し上げま〜す」とのこと。
うちらのグループはM先輩が応答

「それでは、合言葉をどうぞ!」
「スピーク・ハイライト!」
「ちがいまーす、もう一度どうぞ!」
「スピーク・セブンスター!」
「またまた〜、今度こそ、どうぞ!」
「スピーク・わかば!」
・・・と、ほぼ全銘柄でこれを繰り返し、
海岸に朗らかな笑いを生んでいました。

“Speak LARK”
ご冥福をお祈りいたします。

市川崑監督の誕生日
2002年11月20日(水)

きょう、11/20は映画監督の市川崑さんの誕生日です。
1915年生まれなので、87歳になられました。

今年はTVで「逃亡」「盤獄の一生」「黒い十人の女」が
オンエアされました。
映画は去年の「かあちゃん」が最新作で75本撮られています。

大好きなんですよ市川崑さんの映画。
「ビルマの竪琴」とか「犬神家の一族」「東京オリンピック」
といった大ヒット作は皆さんご覧になっていると思います。

私の今のところのベスト10本&コメント
(今の気分での10本)

「太平洋ひとりぼっち」
 青春・孤独・家族・・・極めてユニークな冒険映画
「私は二歳」
 日本版ベイビー・トーク。初めて観た市川崑映画
「東京オリンピック」
 アンビリーバブルな超傑作ドキュメンタリー
「幸福」
 水谷豊の刑事もの。派手じゃないけど忘れられない映画
「恋人」
 池部良主演。さわやかで、しみじみ泣ける青春哀歌
「犬神家の一族」
 笑って泣けるスーパー娯楽作品
「真実一路」
 TV作品、清水美砂主演の文芸作。好きだ〜
「新選組」
 特殊!空前絶後!のアニメーション青春群像劇
「ビルマの竪琴」
 非常に良い映画という形容を超えた名作

まだまだ
「おとうと」「細雪」「破戒」「赤西蛎太」etc・・・
と、ベスト10なんか5個ぐらいできるよ!

オールウェイズ新作が楽しみで仕方ありません!!

色々なDVD発売
2002年11月21日(木)

はじめてDVDソフトの雑誌を買ってみました。
角川書店の「DVD&ビデオでーた」。

いやいや、色々発売されてますねえ。

1/24「電撃フリントDVDスペシャルBOX」¥5980
追悼版になっちゃいましたね・・・

2/26「007製作40周年記念限定BOX」¥39800
ほしいけど・・・

11/22「ジョン・トラボルタ ダンス・パック」¥9900
すきだけど・・・

12/6「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
 コレクターズ・エディション」¥3800
お値段的にこれは買いたいな


あと、これ知らなかったなア・・・

11/21「どろろ DVD−BOX」¥25000
なんと!これ、出るの。全26話収録で。
見たいな〜!

連想するものは
2002年11月22日(金)

ローラー付きシューズ「HEELYS(ヒーリーズ)」。

靴の かかと部分にローラーが付いていて、小学生が
スーパーとかでツーとすべっているのを見ると驚く。

これで思い出したのが、昔の映画「ノストラダムスの大予言」。

公害?かなにかの影響で、ある地方の子供の歩くスピードが
異様に早くなってしまう、という現象が描かれる。
これがお笑いで、どうみても何か(台車?)に乗って
ツーってすべってるだけ!

まじめな映画なんだよ・・・。

許せん
2002年11月23日(土)

混雑した電車の中で、携帯メールを使ってる人がいます。
その人はたいてい、ニヤニヤしながら(たぶん)メールを
見て、そのあと横や後ろにいる人をジロッと眺め
「私のメールを見るな」という目をします。

見てね−よ!!

見られて困るもんなら電車で見るんじゃねーよ!

頭来ます。パブリックな場所にプラーベートな空間を
持ち込む輩が増えるのは困ります!!

アイ・リメンバー・イエスタデイ
2002年11月24日(日)

アニメ「おジャ魔女どれみ」(1stシリーズ)の
OP主題歌でイントロから歌に入るところのフレーズが
何かに似ているなあ、なんだろうなんだろう・・・と
長らく考えていたのですが、やっと判りました。
ドナ・サマーの
「I REMEMBER YESTERDAY」
のイントロ最終部分に似ていたのでした。
別にパクリじゃなくて、偶然でしょう。

ドナ・サマー、好きだったんです。大学受験の前によく
聴いてたなあ。
当時、やっぱり好きなバーブラ・ストライサンドとのデュエット
「No More Tears」が突然リリースされ感激、
毎日のように聴いてました。あの酸欠寸前・絶唱バトル曲。

後に思ったのが、「No More Tears」を訳して
曲名にいただいたのが鈴木蘭々の「泣かないぞェ」だったのですね、
ということ。

どららああーーーッ
2002年11月25日(月)

コンビニで売ってる廉価版コミックで

「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
 クレイジー・ダイヤモンド編」

が刊行された。
第4部がしばらくリリースされるものと思われる。

困るんだよな。単行本持ってるのに また買ってしまう。
罪つくりだよ集英社。やめてほしい。でも新書サイズより
少し大きいから、買っちゃうんだよね・・・
どうせなら「スラムダンク」みたいにちゃんとした
大判の単行本で出して欲しい。たのむ。

マイブーム・川崎苑子
2002年11月26日(火)

今年たまたま古いマーガレットで
「あのねミミちゃん」
を目にしたことから20年の時を経て
川崎苑子熱が再発。
唯一出ている文庫「土曜日の絵本」を読み
感動カンバックトゥーミー。

妹が嫁に持って行った単行本を取り寄せる
こととした。
読むぞ!

ブックオフで100円で買って
2002年11月27日(水)


先日、「電車で携帯メールすんな」と
書きました。

わが身を振り返ってみました。

私は混んでる京浜東北線の車中で
萩尾望都の「ローマへの道」を読んで
いましたが、これはOKでしょうか。

そういう姿を見たくないという人も
いるかもしれませんな。

気になる・・・
2002年11月28日(木)

この間映画館で、お正月映画の「ピーターパン2」
の予告編を観ました。
「日本語吹き替え版」があるそうなのですが、
あのフック船長の声は誰がやるのでしょうか。

大塚周夫以外の選択肢があるのでしょうか、
いいえありはしない。

以前、カラオケで歌手の五十音順を見ていたら
「大塚周夫」とあってビックリ。
曲は「ブラック魔王のうた」でした。もちろん
唄いましたとも!!!

しかし、「ピーターパン」の「2」って一体・・・。
ありなんですか、こういうの。

仮に「ピノキオ」の続編を作ろうとしても、
オネスト・ジョンの声をアテた山田康雄氏は
もうこの世にはいないのです・・・。
よって、「ピノキオ2」は不可よ。

紅白歌合戦
2002年11月29日(金)

・・・に中森明菜が出るそうですね。
わーい、見ようっと。

♪げらっげらっげらっげらっ
 ふぉーりら〜

じゃなくて、唄うのは百恵ちゃんの
曲?コスモス?らしい。

やや不満。

武満徹全集
2002年11月30日(土)

11月刊行開始、
世界初!武満徹の全作品を全5巻(CD55枚+書籍5巻)
に完全収録。

全巻一時払い特別定価:本体120,000円+税
          (2002年12月末日まで)

じゅうにまんえん。

消費税が6千円だ。これだけなら払えるが・・・。

一生インポッシブル。残念ナリ。


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