2002年9月


日記の目次に戻る

年寄り(2)
2002年9月1日(日)

いつのことだろう、代々木駅に「落書きコーナー」が出来て

若い人たちが好きなアニメとかのことを必死に書いているのを見たのは。

予備知識なしに、たまたまそれを見た私(中学の頃カナ)は驚いたものです。

趣味を同じくする人たちが意見を発信している・・・!!

意見に対して、横に賛意や、反対意見が書かれている・・・!!

ああ、こんな場もあるのだなあ。

オタクだったけど、幸い(?)周りに同調者がいなかったので、

こういう突っ込んだ応答はなかったんですよね。

・・・

今では、ネットで趣味のBBSに参加したり、自分の意見を発信する
HPを作ったり、簡単にいろいろできるんだよねえ。

こりゃあ世の中変わるわ、とシミジミ思うのであります。

ヒートアイランド
2002年9月2日(月)

ビルの6階から隣のビルを見るとエアコンのファンがずらり。

熱、出してるよ。出しまくってるよ。

暑い、冷房、熱放射。

キリないっす。

日本の代表産業かい
2002年9月3日(火)

東京を歩くと、ティッシュペーパーをたくさんもらいます。サラ金の。

上を見上げると雑居ビルにサラ金がいっぱい。

外国でもサラ金ってこんなにあるのか?

洋画で、主人公が消費者金融でカネ借りるシーンとか
取立て受けるシーンとかあまり観た記憶がないな。

日本映画ではたくさんあるんだけど。脚本家の関心事項なのかナ?

「太陽を盗んだ男」ではジュリーが西田敏行に取り立てされてたネ。

玉ちゃん
2002年9月4日(水)

鶴見川のアザラシは現われなくなり、
海に帰ったものと思われている。

「タマちゃん」といったら、
やっぱり国立玉一郎ですよね。「野球狂の詩」の。

「スラッガー藤娘」の回、ルーキーの国立が
代打で出ると ファンの婆さんがスタンドで
「玉ちゃん玉ちゃん」って拝んでるんだよ。

去る者
2002年9月5日(木)

一週間ぐらい前に「ガリ版」のことを書いたら、そのガリ版を
開発したメーカーが昨日倒産したらしい。

うむむむむ。なんともはや。しかし、鉄筆たましいはいつまでも!

雨の金曜日
2002年9月6日(金)

小学校の頃は“金曜日”といえば「太陽にほえろ!」があって

燃える曜日であった。

今は燃える曜日が無いな〜。しいて挙げれば「私立探偵 濱マイク」

のある月曜日か。しかしビデオ録画して別の日に観ることもあるしなあ。

こいずみ ほうちょう
2002年9月7日(土)

小泉総理の北朝鮮訪問まであと10日。

TVで「小泉訪朝」っていうのが「小泉 包丁」って聞こえるんだよな。

だから何・・・って言われるとそれまでだが。

のど自慢
2002年9月8日(日)

昼間NHKののど自慢を見ていたら、高校生がピンクレディーの

「渚のシンドバット」を歌って踊っていた。

俺も中学校の時に歌って踊ったなあ・・・。

「♪セクシ〜」の前で鐘が鳴ってしまったけれど、

あの部分の振り付けは、曲のリリース初期では現存の振り付けとは

違っていたんだよな。って完全ジジイか。

なんにせよ、歌い継がれて(踊り継がれて)ほしい20世紀の

名曲です。

イン・ザ・ヘッド
2002年9月9日(月)

頭の中にある単語が浮かぶと、それに連想した歌謡曲や
フォークソングが鳴り始めます。

やや涼しい日が続きましたが、「夏から秋・・・」と
浮かんだ瞬間、

♪よあけまじか きたのうみは なみもあらく〜
 こころぼそい たびのおんな なかせるよう〜

鳴りました。

♪「なつから あきへ のほ〜ん」

ハイ、石川さゆりの「能登半島」ですね。
大ヒットした「津軽海峡冬景色」の次の曲です。
イントロもそこそこにいきなりサビに入るのが
「アバの『サマー・ナイト・シティー』みたいで
カッコいいじゃん」−と気に入ってた歌です。

「♪のほ〜ん」がイイんだよね!

大脱走(前編)
2002年9月10日(火)

前編

このホームページ
http://www.foxjapan.com/dvd-video/

NEW RELEASE 欄の 2 で流れる

「究極の完全保存版、ついに完成!」

の文字を見て〜 (2002年9月10日現在)

『大脱走 <製作40周年記念特別編>』だっ!!

このようなDVDが出るとは知りませんでした。
昨日、先輩に教えてもらって知りました。。

これを機会に、この映画について
20年以上前から考えていたことを
書いてみようかな。
たぶんうまく文章に出来ないと思うけど。


結論から言うと、この映画の魅力は
「詩」であろう、ということです。


「何?面白いアクション映画じゃないの」
と言われてしまいそうですが。

確かに、滅法面白い映画です。

多分小学校の時にTVで初めて観て、
以来放映されれば必ず観る、釣りで言えば
「入れ食い」状態。これは私に限らず
多くの人も同じでしょう。

多彩な登場人物、ユーモア、サスペンス、
アクション・シーンの切れ味の良さ、
スターの魅力、音楽の素晴らしさ・・・。
前後編放映で、とにかく後編が待ち遠しい
ものでした。

一般的な評価は、良くも悪くも
「脱獄をスポーツ感覚で描いた
 いかにもアメリカ映画的な
 上出来の戦争アクション作品」
というところでしょうか。

「良くも」というのは
・戦争映画に特有の“情念”的な描写は
 そこそこに、エンターテインメントに
 徹して娯楽作品として成立している

「悪くも」というのは
・対ナチ戦を“ゲーム”感覚で描いて
 いいのか?

−といった論調があったようです。

あとは、とにかくたくさんの登場人物、
大規模な脱出計画をわかりやすく
面白く描いたジョン・スタージェス監督の
手腕は素晴らしい、という賛辞もありました。

上記の評価にはいちいち納得できますが、
これほどまでに人々の記憶に残る作品と
なったのは、「ストーリーの面白さ」
「エンターテインメント性」だけでは
ない、と断定せざるをえません。

しからば、それらからハミ出した
「大脱走」の魅力とは・・・

私が感じた「詩」とは何か?


前編は以上。次の「後編」をお楽しみに

大脱走(後編)
2002年9月11日(水)

前編のあらすじ

娯楽大作といわれる映画「大脱走」が名画として
後世に残っている理由は何か?

後編

以下、ネタバレを含みます。映画を観ていない方は
ご遠慮下さい。

映画の終盤、捕虜収容所から脱出した男たちは
それぞれのルートで国境を目指します。
それがカットバックで描かれます。
電車、飛行機、ボート、自転車・・・。
場面転換を担うエルマー・バーンステインの
音楽が絶大な効果を挙げており、
興奮させられる展開です。

さて、その中で、観た者の心にいつまでも
いつまでも残るのは、スティーブ・
マックィーンのバイク逃走のパートでしょう。



ほとんどセリフなし

エルマー・バーンステインの音楽の響く中

ヨーロッパの美しい田園風景の中を

マックィーンのバイクがひたすら走る



このパートは、あくまでも

「脱走したアメリカ兵がナチの追撃を
 振り切って国境を目指している」

−という描写であるはずなのだが、
映画のストーリーを完全に超越して、
観客の深層心理に訴えるものがある
ように思われます。

私はこのシーンを観ていると毎回
泣いてしまいます。

つかまるか、逃げ切れるか、という
“お話”の上でのサスペンスはここでは
希薄です(と私は思います)。

意味を考えると、
この美しい田園に何故に国境があって、
この美しく疾走するものが何故に命を
奪われようとしているのか?
という概念も 少しはあるが、
これでは説明し切れていない。

何に対して心が動くのか?
それはこの画面から

「自由」

という概念を感じるからです。
ここでいう「自由」は、戦争の捕虜として
拘束されていることからの解放、とは違う。

何だろう?
運動会の400Mリレーを見ているときや
散歩の犬が野原で全力疾走をしているのを
見る時に、鼻の奥がツンとする あの感覚に
似ているがやはり少し違う・・・。

秋の澄み切った空をボンヤリ眺めている時に
感じるものだろうか?

バレエを観ている時の感情が近いのかも
しれない。心躍る音楽、美しい背景、
この世のものならぬ美しい体の技・・・
それは語りつくせぬものがあります。

現実から解き放たれた美しい瞬間が、
第二次世界大戦を舞台にした
ハリウッドのコテコテの商業作品に
忽然と登場したことに驚くほかはない。

ともあれ、バイクで最後の大ジャンプ、
鉄条網に突っ込んだところで観客は
ハッと眼が覚めるのである。

眼が覚めた後、何の夢を見たか
覚えていない。

美しい
「詩」
を読んだときに
浮かぶ実体のないイメージと
精神の高揚。それは、ページを
閉じれば消えてしまうが、
またページをめくれば
まざまざと浮かんでくるのである。

マックィーンはアクション俳優で
あったが、観客の心に「自由」の
概念を書き込んだ詩人であった。

ジョン・スタージェス監督の
演出の意図を超えたものがあったと
思います。

それが、「大脱走」という映画が
製作後40年を経ても愛される
理由ではないかな、と私は思っている
のであります。

やっぱり考えていることを
うまく文章化することは出来なかったなア・・・

キリが無い
2002年9月12日(木)

「大脱走」に続いて、DVD発売に関連して。

家に帰って、ポストにささっていた夕刊1面の広告を
見て、脈拍が恐らく倍の値になった。

私がそこに見たものは・・・


「おれは男だ! DVD-BOX 1」


である。DVD6枚組み、シリーズ前半24話収録
とのこと。12月21日発売予定で、お値段は
34,800円。

うむむむむ、見たいっ!でも値段がなあ。それに
「1」を買ったら「2」も買わざるをえないし。
2は来年の3月21日発売だそうだ。

WOWOWで再放送してくれないかなあ。

どうしようか。
どうしよう。

・・・

やめようか。

そうだね。

いつまでも心に残っているからいいよね。

夕方の再放送で見たんだけど、
やっぱり白子さん・黒子さんの「ロゼッタ洗顔パスタ」
のCMと一緒でないとしっくりしないしね。

そうだよ。

そうだよね。

・・・(涙ぐんでくる)・・・

だけど そんな時でも さらば 涙と言おう

秋の夕暮れ
2002年9月13日(金)

夕方、暗くなるのが早くなりました。

小学校の頃はこんな時、時間的にはまだOKっていうんで
ずっと野球を続けていましたが、思えば真っ暗な中でやっていた
ワケで、たいへん危険だった。かたくなな子供ならではの行動
でしたな。

図書館の本
2002年9月14日(土)

図書館で借りた本を読んで思う。

今年、いつだか新聞で「図書館でなくなった本は一億冊」

だったかな、切り抜きしておかなかったので細かいところは
わからないが、とにかく相当な数の本が失われていると
いう記事だった。

盗むんじゃね〜っ!!

盗んで、その後どうするのかね。捨てるの?それとも
死ぬまで置いといて、死後遺族が捨てるの?

やめんか!

困るんだよな〜。検索して、探しても書棚に無いと。

まったくもう。

プリンセスチュチュ
2002年9月15日(日)

番組が開始されたことを最近になって知り、
やっと観ました。
佐藤順一が“総監督”をつとめるTVアニメ番組

『プリンセスチュチュ』
http://www.imagica.com/shop/tutu/

昨日はもう第五話でした。CSでやっているらしいが
私はテレビ神奈川の放映を観たのです。

“バレエ”を扱ったアニメというのも珍しいなあ、
と期待してみたところ・・・

人間や動物が一緒に住んでいる架空の街で、
アヒルの女の子が心を無くした王子様を助ける話
−であるようです。

クラシックのバレエ曲(チャイコフスキーの
『くるみ割り人形』)を使用してるのが、けっこう
ハマってます。踊るシーンもありますが、ここは
ガチガチにライブ・アクションにしないで雰囲気、
むしろ音楽や背景でバレエの感じを出しています。

子供がバレエへの入り口とするにはいいのでは
ないでしょうか。好感度は高し。

やっぱりアヒルは最後に白鳥になるのかな?
って ついつい見てしまう展開かな〜。

それと、最近のアニメの主題歌ってイイものが
多いですね。この『プリンセスチュチュ』も
良いけど、終わっちゃった『フルーツバスケット』
とか、もうすぐ終わる『あずまんが大王』も
いいしね。冬の時代も終わったか・・・。

忍風戦隊ハリケンジャー
2002年9月16日(月)

人から薦められて見た。
日曜の朝の放映作品、ナンセンス度がUPしている。

東映の“実写・等身大ヒーローもの”(仮面ライダー〜)
“実写・等身大・戦隊ヒーローもの”(秘密戦隊ゴレンジャー〜)
は私はそれほど愛着はないんだけれど、
大学生の時には“宇宙刑事もの”をよく見ていました。
「宇宙刑事ギャバン」は見逃して「シャリバン」の途中から
見て「シャイダー」を一番好んでみていました。シャイダーを
演じた円谷浩さんは若くしてお亡くなりになってしまい
ご冥福をおいのりします。

何を好んでみていたかというと、編集テクニックですね。
東映のアノ手の作品は、必ず「アクション・カット」と
いう手法を採用しています。振り向いたり、見得を切ったり
といった動作の途中でカットを割る手法ですね。
実際に撮った自主映画でやってみると、なかなか
面白い効果があって、うまくやればテンポも良くなるので
好んで使っていました。難を言えば少々安っぽい印象を
与えることですかね。昔の時代劇なんか見ると
アクション・カットでつないでいるので、
現代のヒーローものまでつながる伝統だなあ、と
感じます。
アクション・カットを徹底して、ほとんど
パロディックな域にまで達していたのが
東宝(当時)の岡本喜八監督。生理的快感の
ある編集をされていますので是非みてください。
「独立愚連隊」「暗黒街の対決」ナド。

じこけんお
2002年9月17日(火)

あまりのことに言葉もないです。
日朝首脳会談での、拉致問題の真相判明。

実は、「どうせ うやむやのままだろう」または
「何人かは安否が判明するのだろう」という
事前報道の通りに考えていたのです。

最悪のことは、考えてませんでした。

あまりにひどい。どう考えていいのかわからん。
おろおろしていまします。


樹村みのりさんというまんが家さんがいるのですが、
サッコ=バンゼッティ事件を扱った「あざみの花」
という作品があります。
その中で、最終的な死刑判決が下ったときに
おろおろする助手に女性記者が言う言葉があります。

「わたしたちは わたしたちの 
 なすべきことを しましょう」

とりあえず、今はこの言葉しか浮かばないです。

図書館の本
2002年9月18日(水)

図書館の本は公共のものでありますから
汚さずに読むことが大事であります。

自分はそのような目にあったことは
ありませんが、不届き者が
肝心なページを破ったり、
推理小説で「こいつが犯人」と
書き込んだり、
という悪さをするそうです。

ときどき、勉強に使ったと見え
書き込みがしてある場合があります。
ほんとうはけしからんことであります。
が、面白くて笑ってしまう場合もあります。
誤植を直してあったり、
事実関係について「現在では**と
されている」と補注が書き込んであったり。
「?」と余白に書き込んである。
自分も ここは意味不明だなあ と
感じたので同意したり。


別件ですが、今では使われていませんが
「図書カード」というのもさまざまな
ドラマを生んできましたね。

映像作品では
アニメの『耳をすませば』
岩井俊二の『love letter』
とか。

自分も高校の時、読もうとする本の
ことごとくに同じ名前が貸出しカード
にあって、誰だろうなあ、と思った
記憶があります(男でしたよ)。

横浜ベイスターズの選手の引退
2002年9月19日(木)

野村投手が引退発表。
そして、盛田投手(現・近鉄)も。

ともに横浜スタジアムで活躍を
見た選手。ケガ・病気により
若くしての引退であり残念。

大いに野球観戦を楽しませて
くれてありがとう!

キリが無い(その2)
2002年9月20日(金)

人から「大脱走」のことを聞いたり、新聞で
「おれは男だ!」の広告を見たりと、DVD
の発売状況が気になったので、コンビニで
雑誌『びでお&DVDでーた』を見てみた。
う〜ん、イロイロ出るのね。
買えないまでも、気になったタイトルを列挙!

「うる星やつら2/
  ビューティフル・ドリーマー」
傑作映画なのにレンタルビデオ店であまり
見かけない作品だったので是非再見してみたい。

「星くず兄弟の伝説」
手塚眞監督の35ミリ映画デビュー作。
主演の戸川京子チャンを追悼しよう。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー 3部作」
DVDになってなかったのですね。

「グリース/特別版」
メイキングやインタビュー収録とのことで
これは万難を排して買おう。

他にもあったけど、忘れた。
精神衛生上良くないから、脳が勝手に
メモリー消去してくれたらしい。

ショーン・ペン自らを語る
2002年9月21日(土)

9/11にNHK−BS2で放映された
「アクターズ・スタジオ・インタビュー」
シリーズの一編
「ショーン・ペン自らを語る」。

彼は作家のブコウスキーと親交があるらしく
「演技で大切なことは?」といったような
質問に対して、
「ブコウスキーの書いたもので
 こういうのがある」として

男と少年が列車で同じ席に乗り合わせていた。
列車が走っていくと、海が見えてきた。
海を見ていた少年は男に言った。
ちっともキレイじゃないね。


というエピソードを紹介していました。
「海はきれいだ」というのは先入観であり
そういった価値観にとらわれていては
良い演技は出来ない、ということでしょうか。

ちょっと印象に残る話でした。

大きな古時計
2002年9月22日(日)

平井堅が歌って大ヒットしているとのこと。
この間初めて有線で聴きました。

悪くないとは思いつつ、ちょっと気恥ずかしい
ものを感じますね。
童謡、というかもともと外国の民謡なんですよね。
あんまりシーンとしたところで高々と歌い上げる
ものではないような気もするんだけど。
中学の時に音楽の先生がピアノ弾きながら
歌ってくれたのが思い出されます。


歌とは関係ありませんが、
小学校低学年の頃は教室の時計は
「ネジを巻く」タイプのものでした。
教壇によじ登ってさらにイスを置いて、
その上に乗るとやっと時計に手が届き
パカッと前面のガラス戸を開けて
二つあいてる穴にネジを差し込んで
カリカリ、カリカリ、と巻いたものです。
これが好きで結構頻繁に巻かせてもらって
いました。

ストレンジラブ博士 または・・・
2002年9月23日(月)

9/21(土)の深夜0:45〜3:15
NHK−BS2で放映された
ドキュメンタリー「スタンリー・キューブリック」
(原題 Stanley Kubrick -A Life in Pictures-)
をビデオ録画して観ました。

3回連続の50分番組を連続して放映(150分)。
家族、関係者のインタビュー、
プライベート・フィルムや当時のニュースなどで
構成。
ナレーションはトム・クルーズ、
コメントする映画監督はスピルバーグ、スコセッシ、
ウディ・アレン、アレックス・コックス、
アラン・パーカーなど。

丁寧な作りでとても面白かったです。
未見の方は再放送されたら見ることをオススメ。

キューブリック・・・特別に“ファン”という
わけではありませんが、もう“殿堂入り”って
感じの別格の存在ですよね。

「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」
「突撃」「現金に身体を張れ」などなど、
全作品がスゴイですが、私にとっては−

「博士の異常な愛情」

−これに尽きます。本当の傑作です。
アメリカ空軍基地の将軍が発狂して
ソ連攻撃を指示、大統領や幕僚が手を
尽くすが爆撃機はソ連基地に水爆を
投下・・・。このありさまをコメディ
&戦争ドキュメンタリー調で描く
という破格の作品です。

私がこの作品を始めて観たのは高校
3年の秋です。
受験もまじかに迫り映画を観てる場合では
ない鬱々とした季節でしたねえ。
ある日曜日に下見と称して志望大学(当時)
の学園祭に行ったのですが、
ちょっと不愉快な事があり、
非常にイヤ〜な気持ちでキャンパスを
出ました。
帰って勉強する気もないや。
そこで、同じ沿線にある映画館、
武蔵野推理劇場へ行きました。

自由が丘にあった(今は無い)
この映画館はいつもナカナカ良い
プログラムを組む良い名画座でした。
原田真人監督のデビュー作
「さらば映画の友よ」で登場します。

その時かかっていたのは「未知への飛行」
と「博士・・・」という同一原作による
二本立てでした。
まず観たのがルメット監督の「未知・・・」
(原題はFAIL SAFE)。まあまあかな、ぐらい。
で次に「博士の異常な愛情」を観たわけです。

いやー面白かった。深刻な題材だし結末も
アレなので、面白かったというのもなんなん
ですが、とにかく面白かった。
俺も大学はいったら映画を撮るぞ!と
血潮を燃えたぎらせて家路につきました。

まあ、客観的に見れば「受験生がストレスを
映画で解消した」といえなくもないが、
そうではなかったと思います。

ある種の監督作品には、見た人間の創作意欲を
異様に高める効果があるようです。

キューブリック、ウエルズ、黒澤

・・・といった人たちがそれでしょう。
自分とはレベルが違うけれど、
撮影中落ち込んでたトリュフォーが
「市民ケーン」を観て復活したり、
「マルサの女」撮影中の伊丹十三が
やはりヘコんだ時に「用心棒」を観て
気持ちを高めたエピソードなんかも
思い起こされます。

日本の一受験生の学習意欲(?)を高めた
キューブリック監督。そのあと新作では
「フルメタルジャケット」「アイズワイド
 シャット」の二作しか観れなかった
のが残念ではありました。

今回ドキュメンタリー番組を見て、
中学2年の時にリバイバルの有楽シネマ
で観て以来の「2001年宇宙の旅」
を大画面で観たくなりましたよ。

クロサワ映画
2002年9月24日(火)

DVD全集BOXが発売され、NHK−BS2でも
作品がまとめて放映されている黒澤明監督作品。

私は高校1年の時に友人に連れられて映画館で
「隠し砦の三悪人」を観て以来のファンです。
ファンというか、そういうレベルを超えて
もう「殿堂入り」ですね。多くの人にとって
そうであるように。

たわむれに、MYベストテンを
作ってみましょう。

 1 野良犬
 2 隠し砦の三悪人
 3 七人の侍
 4 天国と地獄
 5 用心棒
 6 酔いどれ天使
 7 姿三四郎
 8 生きものの記録
 9 赤ひげ
10 生きる

現代ものと時代劇とが交互に
なったランキングになってます。
ほとんどの作品を高校生のときに
観たので、ひとつひとつの作品を
観に行ったときのシチュエーション
を思い出すと懐かしいです。
並木座とかフィルムセンターとか。
いちおう全作品を観ていますが、
組合作品の「明日を創る人々」
(だったかな。オムニバス作品)
だけ観ていません。
しかし、10本あげても
「白痴」も「羅生門」も「乱」も
はみだしちゃいました。
すごいフィルモグラフィだとしか
言いようがないです。

あの、とてつもない「画面の力」
っつーのは何なんでしょうねえ。
本当に魅了されました。
自主映画を撮ったときにはマネ
することを止められず、「用心棒」
のワンシーンを丸々パクったこと
もありました。結果は悲惨でしたが。

晩年の作品は、やっぱりバランスが
悪くそんなに感銘は受けませんでしたが
画面を創る力はあいかわらずスゴイなあ
と思いました。遺作になってしまった
「まあだだよ」のラストの映像と音楽
にはシビれました。

実際には?
2002年9月25日(水)

よく言われることに、
「少女まんがには、
美人じゃなくて頭も良くない
目立たない女の子が
ひそかに思いを寄せている
カッコ良くて頭の良い男の子に
好きだと言われる
−というパターンがある」
という言説があります。
私が熱心に読んでいた70年代後半
から80年代前半の「りぼん」
「別マ」にはそれほどあからさまな
パターンはなかったように思います。
講談社系(「なかよし」とか)には
まだあったのかな?そのへんは不明
ですが。

で、「美人じゃない目立たない女の子」
というのは、実際(現実)には
どのような形象なのか?というのを
気にしたことはありますか?

セリフで「美人じゃないし」とは
言っているけれど、まんがの主人公
だから絵は結構かわいいじゃない
ですか。
大和和記さんの絵なんか、髪型が違う
だけで全員同じ顔だし(けなしている
わけではありません)。
どういう風に頭の中で
変換して考えればいいのか、
それとも考える必要はないのか。

バス停とかで、まあ特に美人でも
ないしフツーの女の子がいると
「あのまんがの主人公は、実際には
 こういう感じの子なのだろうか」
とか思ったりします。

「オバQ」が実際に存在したら
こういう質感だろうか−
って想像すると楽しいですよ。
小学生と同じくらいの背丈で、
こういう縦横比の円筒形だと
すると・・・結構大きいです。

季節
2002年9月26日(木)

すっかり涼しくなりました。
一ヶ月前の8月26日にはまだ暑い暑いと
言っていたのに。
日本は四季のある国です。
年をとるごとに、四季のある国に
生まれ育って良かったと思います。
夏には夏の空気、
秋には秋の空気が自分を構成している
何事かを思い出させます。

スティーブ・マーチンの主演映画で、
かれが西海岸のお天気キャスターを
演じた映画がありましたが、彼は
毎日毎日「明日は晴れでしょう。あさって
も晴れでしょう。ずっと晴れでしょう」
といい続けていました。

天候や気候が一定だと楽かもしれないけど
情緒的には少し寂しいかも。

今現在の涼しい日々は、やっぱり学園祭前の
自主映画制作、撮影の日々を思い起こさせます。
夏から撮影が続いていると、夏の季節を舞台に
していると衣装がキツイんだよね。
アロハシャツ着てる役だと、だんだん寒くて・・・
よく観ると鳥肌立ってるとか。

もう過ぎてしまいましたが、夏の盛りは
やはり第二次世界大戦、太平洋戦争、
大東亜戦争の終わり・・・終戦というか
敗戦を強烈に想起させます。
実体験はないけれど、人の語りや
書いたものが感覚に焼きついている。
まあ、日本には夏しか戦争を考える
季節はないのか、とも思ったりしますが。
特に秋口には。

特撮ヒーロー ベストテン
2002年9月27日(金)

爆笑問題が司会をしている、
「決定!これが日本のベスト100」
という番組があります。
ちょっと前ですが9/8の回は
“特撮とアニメ/ヒーロー&ヒロイン”
の回で、そのベストテンは
1.仮面ライダークウガ
2.ウルトラマン
3.ドラゴンボール
4.仮面ライダー
5.秘密戦隊ゴレンジャー
6.仮面ライダーアギト
7.ウルトラセブン
8.ルパン三世
9.百獣戦隊ガオレンジャー
10.ウルトラマンコスモス
でした。平成ライダーは人気があるんですねえ。
驚きました。見たことないので。

ベストテンを提示されると自分でも
作ってみたくなる癖がありまして、
自分の“特撮ヒーロー”ベストテンを
挙げてみると・・・

1.人造人間キカイダー
2.ジャイアントロボ
3.帰ってきたウルトラマン
4.レッドバロン
5.スペクトルマン
6.レインボーマン
7.ウルトラセブン
8.宇宙刑事シャイダー
9.ジャンボーグA
10.緊急指令10−4,10−10

・・・こんな風になります。邪道系ですね。
いちおうカウントダウン式に一言コメント

10.緊急指令10−4,10−10
これは毎回暗い話でねえ〜
オイルショック後の子供向けTV番組は
ダークなムードの作品が多かった!

9.ジャンボーグA
セスナ機がロボットになるという発想が
良いです。子門真人の主題歌が燃える

8.宇宙刑事シャイダー
主演の円谷浩さんはヒーローにしては
下半身がちょっと重い感じだったけど、
その分アニーが活躍してました

7.ウルトラセブン
本当は一位でもいいんだけど、再放送で
見たので・・・。リアルタイムで接した
ものを優先しました

6.レインボーマン
なんつっても、おたふく会が紙幣を乱発して
超インフレになり菓子パン一個が5000円
(だったか)になるシーンが忘れられない。
子供に“経済”への眼を開かせた作品

5.スペクトルマン
公害Gメン − これも陰鬱なムードが
印象に残ってるなあ。許可をもらわないと
変身できないというのが何とも・・・

4.レッドバロン
あのロボットのフォルムが好きで好きで。
特集の『テレビマガジン』を何度も何度も
眺めていたなあ!

3.帰ってきたウルトラマン
初めてリアルタイムで見たウルトラシリーズ
なので。岸田森がカッコ良かった。それに
しても「だって、わたしパン屋だもん!」には・・・

2.ジャイアントロボ
主題歌を日本の国歌にしたい!
子供の時ラストシーンで号泣。
「ロボ〜! 戻って来〜い!!」

1.人造人間キカイダー
良心回路。ギルの笛の音。サイドカー。
ギター。スバルの車・・・
“キカイダーカード”を集めてました


 * * *
10のところで書きましたが、ホントに
オイルショック後の子供向けTV番組は
ダークなムードの作品が多かったんです!
その頃に夢中で見ていたもので、
チープでダークな作品が多くリストアップ
されることとなってしましました。

「決定!これが日本のベスト100」
は今度“アニメ ベスト100”をやる
そうなので、そうしたら私もアニメベスト
書きます。

まんてん
2002年9月28日(土)

「さくら」の次のNHK連続テレビ小説は
「まんてん」というタイトルで、9/30から
始まるそうです。この枠は・・・「ふたりっ子」
以来見ていないけど。

で、この「まんてん」というのは、
宇宙飛行士を目指す女性の話だそうなんです。

この話、何かを思い出させませんか。

何か。

そう、女性飛行士を描いた「雲のじゅうたん」
ですよ!

連続テレビ小説は初めて見たのは多分「虹」だと
思います。「鳩子の海」「マ−姉ちゃん」「ひまわり」
「ふたりっ子」なんかが面白かったけれど、
やっぱり自分的にはナンバーワンは「雲のじゅうたん」
ですっ!!

へばちゃん(浅茅陽子)良かったなあ!大好き! 
中条静男の代表作、空襲の時に屋根の上で「神風よ吹け〜」
って叫んでる姿がわすれられません。

初の成層圏飛行に成功した時の静かなナレーション、
泣けました。ラストシーンがまた泣けるんだ。
海辺で、子供がおもちゃの飛行機で遊んでるのを見る、
老いたまこと・・・。そこに「♪誰だって〜 若いときは〜 
遠い空〜(あと忘れた)」っていう歌がかぶるのよ。

さて、このドラマはたしか私が小学校5年生の時の
放映なので、1976年作品。
それから8年後。大学2年の時にアメリカ映画
「ライトスタッフ」を見ました。宇宙飛行士たちの話。
この映画の中で、サム・シェパード扮するチャック・
イエーガーが飛行機で音速の壁を破るシーンがある
んだけど、見ていて

「これは『雲のじゅうたん』みたいだナ」

と思いました。

「GIVE UP」
2002年9月29日(日)

古いTV番組の話が三日連続になってしまいます。

「ちょんまげ天国〜TV時代劇音楽集」という
CDが発売されました。
どうも、このCDに TVドラマ「浮浪雲」の主題歌、
「GIVE UP」(宮前ユキ)
が収録されるようなのです。

「浮浪雲」、懐かしいですね!渡哲也・桃井かおり主演。
当時、すごく評判が悪くて視聴率も良くなかったらしいの
ですが、私は好きで見てました。
渡哲也、良かったと思うんだけどねえ。
ハナシ的にも好きでした、大滝秀治が「友だちになりたい
なあ・・・」と繰り返す回が印象に残ってます。

「♪あんたたちには もう おてあげだよお〜 おおお〜」
とシャウトする主題歌「GIVE UP」、カラオケに
入ったらゼヒ歌いたいものです。

九月の雨
2002年9月30日(月)

・・・というタイトルで書こうと
今月はずーっと思っていたのだが、
末日になってやっと。
本当は太田裕美や筒美京平の絶賛文
を書く予定だったのですが、
気が変わりました。

♪セプテンバー レイン レイン
 九月の雨は 冷たくて

という歌です。

今年になってやっと気付いたのですが
九月ってけっこう雨の日が多いんですね。

で、雨というと、前にも書いた
9/17の日朝首脳会談の日。
日本では雨が降っていて、
拉致被害家族の人たちは急に呼ばれて
バスで移動。

後からテレビで見ている我々は、
あの人たちが
これから何を言われるか知っている。

雨のしずくがバスの窓ガラスに
流れている

それ越しに見えるあの人たちの横顔

・・・

感傷はイカンと思う。しかし。

映画においては、窓ガラスに流れる雨を
涙の比喩として描いた表現が多々あります。

でもあれは本当に・・・天の涙では

「九月の雨」という言葉は、
これから先、この場面をイメージさせる
でしょう。


繰り返しだが、感傷はいかん。

新聞その他で
「国家というものの非情さを
 あらためて思い知らされた」
という
ような文を何度か見かけた。

私も「あらためて」そう思います。

国家、会社・・・といった人間で
ないものは、結局のところ「情」が無い
ということは、判っているはずなのに
ここまでつきつけられると。

まあ、こういうことを言うと
ナイーブに過ぎる。

良い教師に教わりたい。
反面教師は出来れば遠慮したい。
しかし、もう今回は仕方がないので
反面教師に学ぼうじゃないですか。


♪セプテンバー レイン レイン
 九月の雨は 優しくて
 セプテンバー レイン レイン
 涙も洗い流すのね
 (作詞・松本隆)


日記の目次に戻る