出演者は私の知らない人ばかりだが、みな好演。特に主役級の少年二人、ノリミチとユースケ
が相異なるタイプで良い。少年達パートの騒々しさと少女絡みのシンとしたところとの緩急が
巧い。ロケも、どの地方なのか判らないが良い雰囲気。冒頭走り抜けた後に遠く見える岬、ナ
ズナと行く駅、灯台も見えぬ長く続く道。
この作品のポイントは、夏の一瞬。季節であり、気持ちであり。きらめいて、はかないもの。
正直言ってナズナの方がどういう気持ちなのかよくわからんが、夜のプールのシーンに集約さ
れるような、神々しいもの?を仰ぎ見るような?「少年の感じたもの」は伝わってくる。それ
は、最後の最後を締めくくるあの花火をみんなが仰ぎ見ることでも反復され、だれもが夏の終
わりに抱く胸をかきむしるような感情がよみがえる。久し振りに映像の力を再認識させてくれ
た作品であった。観ることが出来てうれしい。