北品川駅前にて

2000.10.25


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北品川駅前にて

 昨日(10/24)所用があって私の勤めている会社の品川支店へ向かいました。普段は品川駅下車なのですが、今回は、こちらの方が距離的には近いので、京急・北品川駅に降り立ちました。
 改札を出て、駅前の「北品川駅 周辺地図」を見てみたところ、○○寺とか××神社とかが図示されている中で...
赤文字で、小さい怪獣のイラストとともに、
ゴジラ上陸地点
というのが あるではないですか!

 説明の必要もないかと思いますが、1954(昭和29)年公開の映画「ゴジラ」で、南太平洋で出現し伊豆諸島・大戸島で姿をあらわしたゴジラはそのまま北上し、東京湾から夜の品川に上陸、品川駅を破壊し列車を放り投げて海中に姿を消します(これが1回目の上陸。その後2回、計3回上陸)。
 白黒画面の夜景、手前に品川駅の複数並んでいる線路、奥にゴジラがすっくと立っている構図 − は皆さんの記憶にも残っているのではないでしょうか。

 それにしてもこの地図...。公的機関が作ったのかどうか知りませんが、いいセンスだなあ!
 殺伐とした街が一気に豊かな風景に一変するような、日本の文化の豊かさを実感するような、すばらしい英断だと思います。

 欲を言えば、品川といえばフランキー堺・石原裕次郎主演の「幕末太陽伝」(1957年)という有名な映画の舞台となったところでもあり、その "「相模屋跡」" なんていうのも図示されていれば言うことナシなんだけど(八ツ山陸橋から東海道を少し下ったあたり)。

 ともかく、おかげで品川支店の所用もつつがなく済みました。

ゴジラに関して余談

 映画評論家の川本三郎氏の著作『今ひとたびの戦後日本映画』(1994年・岩波書店)に「ゴジラはなぜ『暗い』のか」という興味深い一文があります。ゴジラを第二次大戦の太平洋戦線の戦死者の亡霊ではないかと仮定し、品川→銀座→国会議事堂と一直線に破壊しながら 皇居前でまわれ右して海にかえっていくゴジラの…不思議な行動と心情を推察しています。
 この本は今年文庫化(中公文庫)されていますので、関心があるかたは、短文なので立ち読みでも。

以上


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