少女まんがベスト10(プラス5)


少女まんがベスト10

私が心の底から「名作」と信じ人に推薦できる作品を選びました。ただし、わけへだてなく
読んでるわけではないので偏向は責められるかも。
推薦なので、現在書店で入手できない作品は挙げませんでした。

『悪い子』樹村みのり
(1980年「プチコミック」8月号掲載)
主人公たる母が娘のともだちに抱いた不信、彼女は悪い子なのか?個的な事件から全ての人間の
心の問題に迫る傑作。最近再刊されました。必読!

『トーマの心臓』萩尾望都
(1974年「少女コミック」連載開始)
評価の定まった名作−と本棚にしまい込むこと無かれ。緻密な構成と深い心理描写に驚く、
今なお新鮮な衝撃作。推理的興趣と、みなまで語らぬ度量が魅力。

『ジョカへ・・・・』大島弓子
(1973年「別冊少女コミック」連載開始)
SF性転換ロマン。余人の真似できぬ独自な世界。この作品の衝撃のラストもこの世ならぬ
不可思議さだ。あるいは『バナナブレッドのプディング』『秋日子かく語りき』

『伊賀野カバ丸』亜月裕
(1983年「別冊マーガレット」連載開始)
忍者を主人公にした学園ギャグ。名前"カバ丸"からして常軌を逸しているが、先の読めない
奇行が魅力。すてばちなギャグと変人群像がたまらない、爆笑巨編。

『オリオン座から流星にのって』陸奥A子
(1979年「りぼん」2月号掲載)
同作家の別作品に入れ替え可能、全作品推薦。初めて読んだ作品を挙げた。"たわいない恋物語"と
の偏見を捨てよう!陸奥A子は厳しい人だ。再評価ののろしをあげるゾ。

『天然コケッコー』くらもちふさこ
(1994年「コーラス」連載開始)
少女マンガルネッサンス。田舎を舞台の少年少女ライフ。斬新な手法で普遍的な感情を描く近年
随一の作品。また史上(私情)最高の「パンダまんが」(読んで確認して下さい)。

『私を月まで連れてって!』竹宮恵子
(1980年「FOR LADY」連載開始)
26才宇宙飛行士と10才エスパー少女のSFラブコメ。『風と木の詩』同様、変種の純愛もの。
シニカルな部分と純真さが渾然とした大人の味わいを古いと言わないで!

『リボンの騎士』手塚治虫
(1953年「少女クラブ」連載開始。他誌リメイク版もあるが、講談社全集の当版を推薦)
説明の要なき古典的大傑作。素晴らしいイマジネーション。ミュージカル映画のような感情の
高揚感がある。読むたびボロ泣きしてしまうのであまり読まないが。

『アラベスク』山岸涼子
(1971年「りぼん」連載開始。第二部は1974年から「花とゆめ」)
ソ連(ロシア)の少女・ノンナを主人公にしたバレエもの。芸能・スポーツもの多々ある中での
ナンバーワン。ライバル対決に堕さない生身の自己成長ドラマ。ユーモアもある。

『はいからさんが通る』大和和紀
(1975年「少女フレンド」連載開始)
おなじみの大正ロマン、大らかな気風の人気作。時代相に女性キャラクターをだぶらせた開放感が
魅力。メロドラマ風になるが、前向きな明るさと隠し味のギャグがいい。


少女まんが「私の」ベスト5

人にすすめたら「どこがいいんだ」と言われそうなのでちゅうちょしてしまうけれど、
やはり挙げておきたい独断のマイ・ベスト作品です。
現在書店で入手しにくいものも入れ、短編もOK−としました。

『ウルグアイからの手紙』樹村みのり
(1973年「ファニー」5月号掲載)
小学校時代のクラスメイトの男の子と再会した少女。非常にデリケートではりつめた空気の
恋愛もの。異色作だが個人的にはオールタイムまんがベストワン作品。必読!

『危険なふたり』森川タマミ
(1979年「週刊マーガレット」連載開始)
「のわんちって」...当時人気ありました。作者の沢田研二趣味、映画「グリース」テイストが
心に響く。週マ的に絵は下手だが、私の思い入れは強い。『危険がいっぱい』もあり。

『ふたつのうた時計』太刀掛秀子
(1983年「りぼん」3月号掲載)
中学生の初恋もの。ナチュラルな惹かれ合いが心打つ佳作。但し、イライラする人もいるかも。
夢だけどな。最近当作品をタイトルに文庫化された。望外の快挙に感激。

『いよっ!勝盛くん』高倉あつこ
(1986年「りぼん」掲載)
明朗学園ギャグ。のちヤンマガに転じ『ハゲしいな!桜井くん』がヒットの高倉あつこのデビュー作。
屈折しつつ抜けたキャラクターが最高に魅力的。同工の2作目『とうとつですけど...』も大好き。

『ミセスロビンスンのおじょうさん』大和和紀
(1971年「別冊少女フレンド」掲載)
文春文庫「少女マンガ大全集」で読んだがその面白さに瞠目。秀才の妹と美人の姉のコメディだが、
姉の悩みの常識とのズレ方が尋常でない。やけっぱちみたいなギャグが最高。


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