茅ケ崎市自然環境評価調査no.1

茅ケ崎市・パシフィックコンサルタンツ・平塚市博物館生物学芸員が
平塚市を利用して進める茅ケ崎市自然環境評価調査


小林




 平成15年から17年までの事業として、茅ヶ崎市自然環境評価調査事業が取り組まれている。平塚市博物館生物学芸員が座長として、ワークショップにより市民意見を集約し、専門家、コンサルタントと協力し「生きもの地図」を用いた調査方法で積極的に取り組んでいる。しかし、この事業は茅ヶ崎市(甲)が作成した茅ヶ崎市自然環境評価調査業務仕様書に基き、プロポーザルによりパシフィックコンサルタンツ(乙)が20475000円で委託契約し進めている事業である。茅ケ崎市委託業務契約約款によると茅ヶ崎市自然環境評価調査業務仕様書に基き、「第7条 乙は、委託業務履行期間内におけるその業務全体の管理及び代理人、使用人等の行為につき、すべてその責に任じなければならない。」とあり、個人参加している平塚市博物館生物学芸員は、企業の業務にボランティアで献身的に従事している事になる。また先の茅ヶ崎市の仕様書において、資料収集の責任は乙と記されているのに、平塚市博物館の器材を調査に使用し、調査後の標本は平塚市博物館で保管する約束をしている。つまり平塚市博物館が、パシフィックコンサルタンツの業務を担っているのである。これは平塚市民の税金で運用され市民の公益を目的とする博物館の設置趣旨に違反している。平塚市は茅ケ崎市に対し、博物館の利用を差し止め使用した物品の代金を請求するべきである。
 市民が地域の生物の生息を調べ地図上に記入し地域の環境を調査する「生きもの地図」による環境調査は、平塚市民が博物館と協力して1978年から2003年の26年間に約460名が参加し取り組まれてきた結果、社会に認識された手法である。昨年の平塚市博物館夏期特別展では、茅ヶ崎市民と熱心にワーックショップを進める生物学芸員は平塚市では参加者と話し合いをせず神奈川県植物史調査会に展示を手伝わせた。平塚市の生きもの地図は調べたままの放置した状態で、茅ヶ崎市で生きもの地図の手法を基に自然環境評価調査事業として成果をとりまとめようとする学芸員の人間性を疑う。ちなみに学芸員の書いた夏季特別展図録p52には、「茅ヶ崎市の場合は、生きもの地図を通した環境評価が模索されています。」とある。
 また、平塚市でも平成16年度4月から丘陵地域の自然環境評価調査事業が取り組まれている。生物学芸員も事業決定に参加しているが、学芸員が自分でまとめる茅ヶ崎の事例は報告せずアジア航測の提案に従う主体性のない方法で行われている。情報提供を怠ったこと、出来るのにやらないなど職務専念義務違反である。
 そして茅ヶ崎市の自然環境評価調査事業は「生きもの地図」の手法で行なわれているが、それがパシフィックコンサルタンツの企画提案書に基くとすれば、平塚市の「生きもの地図」の手法がパシフィックコンサルタンツの技術となり、平塚市の公共知的財産を企業が自分のものだと主張している事になる。そのためにコンサルタンツの企画提案書の情報公開を求めたが、平塚市でパシフィックコンサルタンツの提案書は簡単に入手できたが茅ヶ崎市は不開示だった。平塚市民が長年取り組んだ手法を用い、平塚市博物館学芸員を座長にすえ、平塚市博物館の器材を使い、成果はパシフィックコンサルタンツ、茅ケ崎市、平塚市博物館生物学芸員の手柄として今後注目されるだろう。しかし長年の平塚市民の労力で形作られた「生きもの地図」による環境調査を踏み台にして、前述の三者に良識はないのだろうか。平塚市博物館を企業の下請けとした茅ケ崎市環境政策課の取り組みに関する調査に対し、茅ケ崎市環境政策課職員は、茅ケ崎市自然環境評価調査業務仕様書「第16 疑義の協議について 本仕様書に明示されていない事項又は疑義が生じた場合、その他必要なときは、甲乙協議の上、甲の指示に従うものとする。」となっているにもかかわらず、「委託したその後の内容は関与しない。それによって市民が知ることが出来なくてもかまわない。」と回答した。平塚市は市民の知的共有財産を守るべきである。また平塚市職員は、市民の善意を踏みにじる行為はやめていただきたい。

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