大義なきイラク戦争にどこまで?


横浜市 西岡




 小泉政権が憲法をおかしてまで自衛隊を派遣し伴走する、ブッシュのイラク侵略戦争が泥沼化してきたことは誰の目にも明らかだ。
 米軍が行っている残虐行為の相手は過激派ばかりか一般市民さえ見境なく、今やアラブ民族の生存をかけた抵抗運動へイラク全土が戦場と化しているという。
 日本の大手メデイアによって伝えられるニュースは、合衆国史上はじめて本土攻撃を経験した9.11以来、すべてブッシュ政権のフイルターがかけられているため、多くの日本人には真実が知らされていない。
 そもそも9.11が何のために、誰によって仕組まれ、実行されたかからして疑惑だらけ。
 個人のネットを通じてもたらされる最新情報では、もっぱらブッシュ政権による「自作自演」説が有力なのだが。
 国際貢献と人道支援の名目で派遣された日本の自衛隊がイラクで行っている仕事の内容をご存じだろうか。不足している清浄な飲料水をイラク市民に提供するために汗を流しているはずではなかったか。実態は1日に150トンの浄水を作り、半分は自衛隊員が入浴やトイレに使用、残りの70トンをイラク市民に提供しているという呆れた事実。サマーワのどんな人達が安全地帯にいる自衛隊員の手から水を受取ることができるのだろう?一方、市内では日本円にして1リットル30円位でペット入りの水が売られているということだ。
 私が米軍によるイラク人虐待の詳細な事実をいち早くり知り得たのは、恒常的に人道支援を行っている国際的なNGOや現地で命を張って取材しているフリーのジャーナリストを通じてもたらされるニュースだった。5人のNGOとフリージャーナリストが人質になった事件では、ネット上で繋がる面識もない多くの仲間が行動を共にした。首相官邸や政党のホームページにアクセスして人質救出を国家の義務として遂行するよう要請し、自衛隊撤退のアピール行動へと永田町や外務省へ駆けつけたのだ。しかし欧米のように大規模の抗議行動に発展しなかったのは、情報が一部の市民にとどまっており、大部分の無関心層に伝わらないという事実がある。私はその原因をリベラルな市民の力不足とは思わない。日本政府の報道機関と化し、これらの市民の行動を報道しないメデイアのふがいなさをこそ問いたい。
 日本のメデイアは自衛隊を海外の戦場に派遣していることで、日本は今まさに、戦時体勢下にあるという認識をもっているのだろうか。年金法案をめぐって混乱する国会や幼い子どもによる痛ましい事件の影に隠れて、国民の知らぬ間に自衛隊の国連軍への参加などという、とんでもない事態への更なる一歩を私は危惧する。
 ブッシュ政権を誕生させてしまったアメリカのリベラルな市民は、大きな悔恨とともに11月の大統領選に向けて熱い闘いを繰り広げている。就任以来、日本国民を戦争ヘと導く法案を次々に成立させてきた小泉政権を、打倒する知恵を私たちもこの参院選に結集せねば!

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