透視座標変換は、2つのステップで行います。まず物体の3次元座標系から、 これを視点で眺めた3次元の視点座標系へ変換し、次に2次元のスクリーンに 射影した透視座標系へ変換します。 視点座標E(ρ,θ,φ)が与えられたとき、視点から見た座標系への変換 を次のように行います。以上で、視点座標系が構成されました。これで視点から注視点を眺めた座標系が できました。 この座標変換は次の方程式で表現されます。
- 注視点Oを視点Eへ移動する(距離ρの平行移動) 物体の中心座標である注視点を、視点へ移動します。この場合、距離ρ の平行移動ですから新しい座標系の3軸は、元のそれらと互いに平行です。
- Z軸まわりの回転(θ回転) 新しい座標軸のZ軸のまわりに負の方向(時計回り)に π/2 - θ 回転 する。このとき、Y軸は注視点と視点を結ぶ直線OEの水平成分と一致し、 X軸の方向はOEに垂直になります。
- X軸まわりの回転(φ回転) 次に、X軸まわりに正の方向に π- φ 回転することで、Z軸をEOと 一致させます。
- X軸の反転(X --> - X) この段階で、視点座標系のZ軸は視点から注視点方向を向き、 Y軸は上向きになります。ところがX軸は左向きとなっています。最後に このX軸を反転させて右向きに換えます。
次に、透視効果を考慮した透視座標変換を行います。透視の効果は視点 から遠くのものは小さく、近くのものは大きく見えるということですから、 座標値のスケーリングを行います。これは、次式で与えられます。
ここで、視点座標のx,y成分に掛かった係数が透視の効果を表します。 つまり、分母のZ成分は物体の遠さ(近さ)を表す変数で、ρはその比 較の基準となる尺度です。 また視点が無限遠(直交射影)の極限では、この係数は1となり、こ れは視点座標のX、Y成分そのものです(Z成分は関係しません)。
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