うーん、のっけからダークなカンジが恐怖心を煽りますね

夜光虫GB

Produced by (c) アテナ
1999.10.22 発売 (\.3800)

弟切草に端を発するサウンドノベルのひとつで、SFCでリリースされた『夜光虫』をGBCに移植したモノ。


夜の海って怖いよね

主人公は某貨物船の船長。婚約者を残し、一路船旅に出たまでは良かったのだが、その先には思いも寄らない事件が待っていた・・・というのが、大まかなストーリーです。皆さん御存知の通り、選択肢によってストーリーが変わっていくというシステムなのでシナリオは色々なパターンが用意されており、悲しいモノから、なんじゃいそりゃ!というモノまで盛りだくさんです。ただ、個々のシナリオ自体の設定というか背景がイマイチ練り込まれていない部分もあり、そういう矛盾に気付くと興ざめしてしまう可能性アリ (弟切草くらい徹底的に変なシナリオになってたりすると良かったんですけど (笑))。まぁ、全てのエンディングを見ると後日談が出てきたりしてナカナカ凝ってるとは思います。


もう少しフォントが見やすければ・・・

システムは、先ほども書いた通り、ストーリーに合わせて出てくる選択肢を選んでいくだけなので、純粋に物語を楽しむことが出来ます。ボタン一つで前のページに戻ったり、背景だけの表示、文字だけの表示という風に画面を切り替えられるのも良いです (選択肢までの自動スキップがあると、更に良かったのですが)。あと、低年齢層のユーザーを意識したのでしょうか、画面中の漢字のふりがなを表示する機能も付いています。もっとも、そういった機能を必要とする人間は最初からこの手のゲームで遊ばないような気もするんですけどね。
それ以前に、画面を見てもらえば分かる通り、フォントの関係上、普通の文字ですら読みにくいという有り様。ふりがなに木を使う前に、文字自体を見やすくしてくれってカンジです。しかも、他のコンシューマーの同種のゲームと違って、背景の絵の上にベタで文字を表示してるのでせっかくのグラフィックも見にくく、画面の統一感も無くなってしまっています。GBの仕様上、仕方の無いことだとは思いますが、それならばSFCからのベタ移植ではなく、GBの画面に合わせたアレンジをするべきでしょうね。


このゲーム以降、サウンドノベルというジャンルはGBではリリースされていません。やはり、テキストが最も重要となるゲームでは、GBのハード性能はあまりに非力だったのでしょう (もちろん、ユーザー層の問題もあったと思いますが)。ワンダースワンで同種のゲームが数多くリリースされているのを見ても明らかです (WSの画面から1度に得られる情報量の多さはこの手のジャンルには大きなアドバンテージ)。今後、この手のジャンルがGBでリリースされることは無いと思うので、貴重といえば貴重なソフトではありますが、残念ながら定価で買うほどの価値は無いと思います (私は発売日に定価で買いましたけどねぇ (苦笑))


お買い得度:★★☆☆☆(2)
この手のジャンルが好きならば買っても良いけど・・・
WS買った方が良いかも (ぉぃ)