昨日の敵は今日の・・・我が身?

レッドアリーマー

Produced by (c) カプコン
1990.05.02 発売 (\.3200)

ストリートファイター2をリリースする前のカプコンは硬派なアクションゲームを作ることで有名でしたが、とりわけ魔界村はその難易度において全国のゲーマーを畏怖させたゲームでした。中でもレッドアリーマーという怪物の脅威の攻撃力によって屍々累々を築き上げていったゲーマーは数知れず (笑)


ザコに限って、こういう横柄な態度をとりますな (笑)

このゲームではそんな憎むべき敵であるはずのレッドアリーマーが主人公であり、しかもプレイヤーが操作するキャラクタとなっています (この時点でこのゲームがタダモノではないという気がしますね)。魔界を離れ一人 (一悪魔?) で修行をしていたレッドアリーマーの元に魔界からの使者が訪れる。謎の軍団により魔界が壊滅の危機に瀕しているらしい。レッドアリーマーは単身魔界に戻り、この窮状を救うべく戦いを開始する・・・というストーリーになっているこのゲーム、単なるアクションのバックボーンでストーリーを用意しているというだけでなく実はちょっとしたRPGっぽいシステムも取り入れています。RPGのように2Dマップ画面上を歩いているとランダムで敵と遭遇し横視点のアクション画面に変わります (このアクション部分に付いては後述)。また、要所要所には敵キャラが配置されており、勝つと新たな道が開けたりアイテムを得ることが出来ます。他にも町があって中ではアイテムの売買や情報収集が出来るようになっています。まぁ純粋なアクションを期待している人にはちょっと面倒な部分ではありますが、レッドアリーマーの能力を上げていく上で重要な部分でもあるので我慢しましょう。


ホバリングでピラニアボーンの池を飛び越せ!

さて、敵とのバトルあるいはボスキャラがいる塔の中は画面が一転して横視点のアクションゲームになります。ここでのキモはまず何といってもホバリング能力です。レッドアリーマーはAボタンでジャンプした後にもう一度Aボタンを押すと空中浮遊 (ホバリング) するのです。この時、左右方向に移動する事も可能です。ただし、体力の限界を超えるとホバリングが保てなくなり落下してしまいます。この体力 (というか、ホバリングの耐久時間といった方が正しい) は右下にメーターで表示されています。最初は非常に短い時間しかホバリングが出来ませんが、アイテムを取ることでレッドアリーマーの能力が上がるとホバリングの耐久時間も延びます。また、ホバリングの最中にAボタンを押すと落下するのですがメーターが残っている場合には更にAボタンを押すことでホバリングを続ける事が出来ます。こうすることで少しでも飛距離を延ばせるというのもポイントです。ステージ中には、落ちるとダメージを受けるトゲが並んでいたりするのはもちろん、上下にトゲがあるトンネル状のルートを進まなければならないこともあります。ホバリングを開始する地点 (タイミング) が非常に微妙で上手く切り抜けられた時にはホントに声を上げてガッツポーズしたくなります (いや、そんなことしてたらミスしちゃうんだけどさ (笑))。とにかく、このホバリングを使いこなしてステージを進んでいくのがこのゲームの醍醐味といって過言ではないでしょう。


ガムボールで足場を作りつつジャンプしてホバリングして・・・

また、レッドアリーマーのもう一つの特徴としてヘルクライムという能力があります。これは文字通り壁に張りつく能力のことでジャンプして壁に張りつく、というのを繰り返すことで通常のジャンプでは届かない所まで昇ってしまえるという能力です。これは何も移動に関する長所というだけでなく、壁に張りついて横方向から攻撃を加えるという風にも使えます。また、ホバリングと組み合わせる事で深い谷底を渡りきるような場合にも威力を発揮します。ただ、基本的な動作なのですが、あくまでも普通の壁であることが前提となってます。後半、左右がトゲで出来ているステージが出てくるのですが、このトゲは前述のように触れるとダメージになるのでまともに移動することは出来ません。そこで、出てくるのがガムボールというショット。レッドアリーマーは3種類のショット (ゲーム開始時は1種類しかないが成長すると使えるようになる) を自由に切り替えて使えるのですが、このガムボールは威力は弱く敵を倒すのには向かないけれども、壁に張りつくという特徴を持っています。すなわち、トゲの壁にガムボールを当ててその地点にヘルクライムすれば壁を昇ることが出来るのです。ただし、ガムボールは時間が経つと消えてしまいますので、素早い動作が要求されます。操作自体は難しくないんだけど、タイミングが合わないとダメというアクションの複合の具合が絶妙に良いです。


このゲームもやっぱりカプコンのゲームらしく結構難易度は高いです。ただ、バイオニックコマンドーと違って操作のクセというよりもタイミングの方にウェイトがあるのでそれさえ掴めればゲームを進めるのはラクだと思います (バイオニックコマンドー は、まず操作を覚える所から始まりますからね)。なお、このゲームも現在 Loppi で書き換え可能になっています。

お買い得度:★★★★★(5)
RPG部分がダレるけど、アクションに関しては文句ナシ
これがGB初参入ソフトとは思えない出来