忍野地区での具体的なフライフィッシング

 

 前の所でフライフィッシングの全体像を案内しました。ここでは釣場で起きてることをもう少し具体的な例題を通して見てみたいと思います。

「始めに」の所で説明しているように「自分がどのようなフライフィッシングをしたいのかを明確に持ち、深く探り続けること」そして個人個人が主役であると説明しています。ですからここからのご案内は個人的な考えや、捉え方がが大きくなってきます。また水生昆虫の知識も素人が本やインターネットの資料から推測したり判断したもので、正確さを欠く所も多く有ると思います、その辺の所を前提に見て頂くことをお願いします。

 データーの元はストマックポンプで採取した情報を元にしています。ですから実際の流下やハッチがあっても、魚が他のものを意識していたり、たまたま釣った魚の個性等で必ずしも流下物のデーターとは一致しない所が有ります。一方魚が実際に補食していたモノと言う捉え方も成り立ちます。


     8月の夕マズメのストマック


 ここで紹介するフィールドは山梨県桂川の最上流、忍野地区の2011年から21014年の情報になります。

忍野では2011年の秋に大水が出て川の様相が大きく変わりました。具体的には水生植物が大打撃を受け、多くが流失してしまいました。それによる水生昆虫への影響も甚大なものだったと思われます。



「魚が食べてるモノに真似た毛鉤で本物と同じように釣ろうとする」というフライフィッシングの核心部の所で、釣り人として一番気になる所は「何を食べているのか」と言う所と、その食べてるモノをどうフライに表現するべきか、という事になると思います。

魚は色々なものを色々な状況で口にします。ここではその多くの中から個人的に優先的と考えたモノや判断しやすいモノを選んでいます、決してこれが全てでは有りませんし、個人的にもっと多くの昆虫を調べてみたいと思いますが時間が足りません。



ストマックの内容から判断したレベル分け

レベル1  1匹のみ

レベル2  2~4匹

レベル3  他の物よりいちばん多く5~9匹入ってる

レベル4  食べたばかりの物で10~19匹入ってる

レベル5  ほとんどそのモノのみで、食べたばかりの物が20匹以上入ってる


      極小のユスリカピューパがレベル5の状況





表)月別ストマック内容





この表から何を見て行くかはそれぞれで違ってくると思いますが、以下私が見て感じた事です。

ストマック内容レベルのデーターをまとめ、月別にどれだけ重要かを5段階の表にしたものです。



このようにして見ると、限定的にはなりますがある範囲が見えてきます。

月別の特徴や、水生昆虫の生態等から読み取れる時間的な状況を推測していくとその日、その時何をして行くべきかは、概ね方向が見えてきます。まずこの辺のフライフィッシングのベースになる所を共有する事でフライフィッシングがスタートします。

たとえば、3月の日中に流れがあまり無い所で、静かなポワーンとしたライズが有れば、小さいユスリカのピューパを補食してると推測します。

6月から9月迄の夕マズメはクシゲマダラを一番意識しています。

7月8月にとりあえず魚をヒットさせる事を優先したい時は、木が生茂るポイントでテレストリアルパターンを使い、ポイントを次々に替えながら釣って行くという事をやってみます。ヒゲナガではシーズン中の夕マズメ、激しいライズが信号になると考えています。

もちろんいつも同じと言う事は無く、上手く行かない事は多く有りますがこの積み重ねが面白い所です。

 このような釣場の情報や状況はフライフィッシングにとって、とても重要で価値のある物だと思います。

本来は釣場を管理運営している所や近くのショップから、この辺の情報が発信される事が必要だと思いますし、その釣場の価値が出て来る事だと考えます。

 何センチの魚が釣れたとか何匹釣れたとかの話題ではなく「何処どこの釣場では今、何々カゲロウの流下レベルが4~5で、ライズレベルも4ですごい状況になってる」等の釣場の季節感や自然の営みを共有する事が、フライフィッシングの基本中の基本だと思います。このことが無いとフライフィッシングは始まらないと考えています。



ストマックのレベル分け以外で使用してる各レベル


ライズの頻度レベル

レベル1  ほとんどなし。あっても1時間に1回程度

レベル2  10分に1~2回程度

レベル3  1分に1回程度ある状況 数匹がライズしてる

レベル4  途切れることなく数匹がライズを繰り返している状況

レベル5  多くの魚がポイント全体で一斉にライズしてる状況






 フライに求める6の要素 釣り場でフライを替える時の要素

1 サイズ (大きさ 長さ)

2 プロポーション (シルエット ボリューム)

3 水面との絡み方(浮き方) 水面付近での振舞い方

4 動き 自然に流すことと、魚にアピールする動きを加えることの両方がある

5 色と模様 水面付近で使い、水中の魚にどう見えるかを考えた色と模様

6 質感


 時間帯の分け方

朝まずめ=夜明け前1時間から夜明け後1時間

早朝=朝まずめ後から8:00ごろまで

午前中=早朝後から12:00ごろまで

午後=13:00から17:00ごろまで、シーズンにより変動する、日が陰るまで。

夕マズメ前=午後の後から夕マズメ前までトップシーズンは17:00~18:30位

夕マズメ=薄暗くらる頃から完全に暗くなって1時間程度トップシーズンは

 18:30から19:30ぐらいまで



 シーズンを通して意識する水生昆虫やその昆虫にあわせたフックサイズも概ね明確になってきます。

たとえばクシゲマダラの夕マズメを想定した時、サイズは#22と#24。スピナーパターン、溺れたダンパターン、CDCダンパターンをメインに、ニンフパターン、を用意しています。実際には暗くなってる所で小さいサイズのフライを交換するのは、出来るだけ少なくしたいと考えているので2種類、多くて3種類位のフライ交換をしています。

 ユスリカのポワーンとしたライズを釣るとき、流下してるピューパのサイズにフライを合わせる事は重要ですがそれよりももっと重要な事が有ります。それはティペットが水面に浮いてる事で起こる水面の歪みを魚は見ているという事です。

フライが合っていても魚が口にする事は時間の経過とともに少なくなります。

ティペットのサイズが6Xでも10Xでもこの水面の歪みは同じです。

 このティペットの太さをどうするかと言う基準は、フライのサイズとのバランスをとる事が必要になります。



  このライズの流下物は下のユスリカピューパです。


 魚が釣れるという事は 総合的な事。個々がどこをどう見てどう組立てるか、色々な事柄や繋がりの先に有る結果だと思います。

対象にしてる魚の事や食べられてる昆虫の生態、それらを取巻く自然環境。そして自分自身の考えや求めるもの等の、繋がりを意識した組立てをして行く事が、その結果につながって行く事だと思います。

ですから、単にデーターを取り、表になって来た事だけではなにも判りません。ひとつの参考資料にすぎません、ここから先が重要で面白い所です。






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