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アフターレポート:JGC 2000

少し真面目な考察−事前予想と準備〜あるいはセキュリティー〜−


少しコアな話しを。

イベントを行う際において、必要なのはある程度の事前予想能力である。JGC 2000を見るにおいて、数々の失態は、JGCの運営サイドの人間の事前予想能力が致命的なレベルで欠落している事を示している。

多少でも物事を予想できる能力があるのなら。金曜日の開会式の直後にモンコレ先行発売などもってこないし、フリープレイ卓も遅れない。菊の間においても、他のイベントにおいてもしかり。もっと全体の運営がスムーズに行くはずである。
今回見ている限り、ほぼすべてのトラブルは、私は事前に予測できていた範疇内であった。ほぼ、というのは、いきなり食事が禁止になるなどの、突発的な事象もあったためである。もっとも、それを聞いた瞬間に、それによるトラブルの予想は出来たし、案の定そのとおりに事は進んでいったのだが(虹の間で食事を取っている、等)。

というか、いくつかのトラブルは、そもそも準備不足が招いたものであって、本来トラブルにすらならないものである。言い方を変えれば、事前準備の致命的な不足がトラブルを作り出した、といえる。

状況的にやむをえない部分について、私は文句を言うつもりはない。それは例えば広さによる制限であったり、スタッフの人数という人的資源の決定的不足による制限であったり、資金不足による制限であったりする為だ。無論それを可能な限り回避する努力は必要だが、場合によっては諦める事もまた、必要である。ある一つに固執するあまり、他が疎かになっては意味が無いからだ。
が、JGC 2000において、ほとんど全てといっていいトラブル(予備軍)が、事前に予想されうるべき範疇内であり、準備ないし回避が可能な事象である。

「古庄さん。それは考えすぎですよ」

便利な発言である。これが実動部隊の人間から出た台詞なら、私は気にしない。せいぜい、セキュリティーの重要さを説明する程度である。
しかし、イベントを仕切る人間がこの発言をするのなら、その人間の能力を疑う。いや、疑いはしない。単純に能力が「全くない、あるいは致命的に欠落している」のが明白なだけだから。

セキュリティーにおいて、必要なランクがいくつかある。その中で最低なのが「善意によるセキュリティー」である。
つまり「何も無かったから問題無いんだよ」。
最低である。こんな事をもし考えているのなら、悪い事は言わない。とっととJGCの運営など止めてしまえ。そのうち事故って、パニックを起こすのがせいぜいだ。そんな事を考えている人間がイベントの運営をしているなどという、おぞましい冗談はもう二度と見たくない。

どんなに事前に準備をしても、現場ではどうせ突発的な事はいくらでも起きるものである。そのためにも、運営側は可能な限りの事前予想と準備を怠ってはならない。そして、それは必要十分なものでなければならないのだ。まぁ、よもや社会人にもなって「努力したんだからそれは認めてくれ」などという戯言を本気で言い出すとは、さすがに思えないのだが。

それにしても、今年の実行委員会は、正直、最低といえるだけの出来事を大量に行っている。誉めるべき点が、ほとんど見つからない。0に等しい。
せいぜいが、アルバイトスタッフが努力をしていた程度だ。それですら、見方を変えれば「人事まわりの準備が欠落している」事の現れでしかない。

まがりなりにも株式会社が社名を出して請け負っているんだ。イベントに素人だとは思えないのだが。が、やっている事は素人以下だ。
JGC参加者の人数は年々増えている。つまり、イベントを廻す技量がより高いレベルで要求されていく。もう少し抜本的に何かを考え直した方がよくはないか? せめて、本格的なトラブルが起きる前に。まぁ、目にみえにくいトラブルはすでに十分な数と質で発生しているのだが。



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