あるた〜ねいてぶ

キャラクター(PC)の作り方

 TRPGでは、まず大抵PCが出てきます(呼び名はともかくとして)。
 もちろんルールによってPCの作り方にはいろいろあるのですが、全体を通して、共通するであろう留意点がある。そんな風に私は思います。
 今回は、そんな「全体を通して共通するであろう留意点」について言及してみましょう。

1.背景/設定としてのPC
 PCを作る場合、まず第一に考えたいことは「どんなPCを作りたいか?」ということです。
 又、「そのPCが得意とする分野」というのをはっきりさせておくのはよい事です。セッション内で、どこか活躍の場を作るチャンスが訪れやすいので。
 ちなみに、活躍の場を作る、という事を念頭に置く場合、尤も望ましくないのは「あれも出来てこれも出来て」という設定です。PCの得意分野の焦点がぼやけてしまい、結局「何も出来ない/目立てない」と言う自体に陥りかねません。

 補足。
 「あれもこれも出来る(ゼネラリストな)」PCの最大の問題点は「自分は弱点が無い」と言う思想の基に作る場合です。
 したがって「いろんな事が出来るけどどの分野も専門家にはかなわない」と言う認識がしっかりある場合、面白いPCを作成することも可能でしょう。
 もちろん、それ以外のデティールも大切です。が、あまり細部にこだわりすぎると、時々「手かせ足かせ」になるので気を付けましょう。
 「父親が何者かによって殺されてから、その復讐のために剣を取った」という設定はそれなりに柔軟性があり、GMがその設定を使う事も(比較的)容易でしょう(今回のボス−或いは中ボス−或いは協力者−を仇にしておこう、とか)。
 が、「父親は**派閥の△△によって殺された。その裏には−膨大な設定−があり、さらに−もっと膨大な陰謀−が渦巻く中、私は○○と□□の町で−大袈裟な冒険−を行い今にいたる」では、GMが「自分のシナリオに取り込む隙」を見つけにくい物です。
 もちろん「自己満足に浸りたい」のなら止めはしませんが、どうせなら設定は「人に見せびらかしたい」と思いませんか?
 まぁ、一番よいのは「マスター、こーゆー設定を考えてるんだけど、どう?」と聞いてしまう事でしょう。両親、姉妹、恋人、妻、子供などは、GMが「どーにかする事」を望む、抜群のアイテム…もとい存在です。GMにその気があれば、ほぼ確実にどんなシナリオにも絡ませる事が可能でしょう。
 GMの目の奥を見て、ひとかけらでも「邪悪な光(闇じゃねぇのか?)」が見えたら、迷わず設定に盛り込みましょう。もちろん、あなた(のPC)はその存在を溺愛しているのです。当然です(殺したいほど怨んである、というバージョンもあり)。
 これで、少なくとも「1シーン以上」、あなたの見せ場が回ってくるはずです。

2.システム的な側面からのPC
 次に考えたいのは「設定をシステム的に反映する」事です。
 たとえば「剣の技能は、一流どころなら6は欲しい」という数値感覚のルール(システム)があったとしましょう。
 あなたがどんなに設定上で「こいつの剣は一流だ」と叫んでみた所で、キャラクターシートの剣の技能の欄に「3」と書いてあれば、そのPCの剣の技能は決して一流ではないのです。もちろん、思い込むのは自由ですが(GURPSだとそうもいかないか?)。
 思い込みではなく、本当にその設定を活かしたいのであれば、剣の技能が6になるように工夫するべきです。GMに相談してみましょう。
 で、GMが「無理だ」と言ってきたら、(理由をしっかりと聞いた後で)設定を変更したほうがよいでしょう。例えば「いつか一流の剣士になってやる、と言う目標を持っている」とか。
 交渉系の技能に関しては難しい部分もあります。プレーヤーの口のうまさがそのまま利用されてしまう場合が多々あるからです。
 まぁ、GMから「君のPCはそこまで交渉はうまくないよ」と言われないように、交渉の技能をそれなりにあげておくのは一つの前向きな手段です。「私のPCは交渉の技能がこれくらいあるからこれくらいの交渉はできる」と言い訳できるようにしておきましょう。
 もちろん、PCの能力がそれなりに高ければ「GM、こういう意図で交渉したいんですが」という一言でうまく交渉できる可能性があります。交渉関係が苦手なプレーヤーは、技能を高くした上で「GMを利用しましょう」。

 TRPGがゲームである以上、システムの側面は(基本的に)無視できない物があります(無視できるシステム、という最近の流行もありますが)。
 背景や設定を活かせるようなPCを作るためにも、ある程度システムに対する勉強をしておくのは、決してマイナスにはなりません。

3.背景/設定とシステム的な部分の融合
 最終的に、PC作成はここに帰結します。
 背景/設定とシステム的な部分のどちらを先に作るのであれ、最終的には、ある程度融合していなくてはならないでしょう。
 特に、ルール的に比較的細かいものの場合、気を配ったほうがよいでしょう。システムを読み込んでいないので、あまりルールが細かくないといわれている一部のシステム(熱○専用とか番長学○とか)についての言及は避けますが。
 例えばPCの設定が「内気」で、システム的に非常に高い交渉能力がある場合。その人物がどうして「内気なのに交渉能力が高いのか」をきちんと理由付けしておく必要があるでしょう。

 結局の所、PCの作成は「自分が行いたい事を表現する」事に尽きると思います。で、その方法には「文章による設定」と「システム的な数字など」という二つの方法があり、そのどちらも決して軽視できない(はず)の物なのです。
 TRPGがGMと他のプレーヤー達との共同作業だとすれば、意思疎通のために共通の言語が必要になります。
 その一つが「設定」であり、その一つが「ルール」なのです。

 自分のPCを、二つの言語を使って縦横無尽に語ってみませんか?

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