潮騒の島


金券ショップで買った近鉄のキップの有効期限が近づいていたので使わなければってことで、
伊勢湾に浮かぶ三重県の離島” 神島 ”へ行ってきました。
この島は三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった島でもあります。


2001/07/19(木)

神島行きの市営船
八代神社
青い海とオニユリ
神島灯台の向こうは伊良湖岬が
観的哨跡
八丈島

前日に神島へ渡る船の時間を調べたら9:40には鳥羽に着かなければならないので、6時前に家を出てJRで名古屋駅へ。平日なので名古屋駅はけっこう人が多い。6:51発の近鉄急行に乗り、伊勢中川で一度乗り換え9:04に鳥羽に到着。

駅の売店で昼食のおにぎりとお茶を買って徒歩5分の鳥羽・佐田浜港市営船のりばへ。今回行く神島をはじめ答志島、菅島、坂手島は鳥羽市内になるので鳥羽と島を結ぶ市営の船が運航されている。切符売り場で神島への切符と、島の案内地図を貰って桟橋へ。桟橋では島観光の高校生?らしき15人ほどの団体や釣り客の姿が見える。

9:50発の菅島経由神島行きの船に乗りこみ出発。後部のオープンデッキもよさそうだったが冷房の効いている船室で流れる景色を楽しむ。菅島で半分以上のお客さんが下りて船室内はけっこうスッキリ。

正面に神島が近づいてきて、鳥羽から約50分で神島港に到着。船に乗り込む時は船の中央のドアだったが、下りる時は後部のデッキからだと言う。何でだろう?と思ったけど、理由は帰りに分かりましたので後ほど。さて神島への第一歩!天気がいいので暑く感じる。

島の地図を見ながら時計周りで歩くことにした。まずは八代神社へ向かう。集落の細い道を進み急な階段を登ると鳥居が。ここから214段の階段を進むと、木々に囲まれて蝉の鳴き声が響く八代神社に着いた。この神社は海の神様『綿津見命(わだつみのみこと)』が奉られている。また毎年の元旦の夜明けには『ゲーター祭り』とゆう祭りが行われるそうだ。

長い階段を登ってきたので疲れてのんびりしていると、港の方のスピーカーから「○○さ〜ん、××さ〜ん、△△さ〜ん、荷物が届いてま〜す」と聞こえてくる。なんだろ?と思ったがこれも後ほど。

神社を出て緩やかな登り坂を進んでいくと道の真ん中に猫の親子が寝転んでいる。近づくと子猫は逃げていったが親猫はジッと睨みつつ動かない。「ゴメンネ〜」といいつつ横をすり抜ける。しばらくして前方に伊良湖岬が見えてきた。伊良湖水道には数隻の大型船も見える。

道を進み前方に白い灯台が。この神島灯台は明治43年5月に初灯し、現在のは昭和42年に建てられた高さ11m、水面下114mの灯台だそうです。ここには監視小屋もあって人が常駐してるようです。この小屋の周りにも猫がいっぱいでした。しばらく灯台の横でボ〜っと海を眺めてから観的哨へ向かう。

階段状の道を進んで灯明山との分かれ道からは下り道になる。そしてほとんど廃虚状態の観的哨跡に着いた。ここは戦時中に伊良湖から撃った試射弾の着弾点を観測した所だそうで、小説「潮騒」のクライマックスの場所だそうです。自分は小説を読んでないので???なのですが・・・。ただ、壁には意味の無い落書きがいっぱいあったのには残念です。

下り道を下りていくとグラウンドが見えてきた。ここは神島小中学校だ。でも授業中?だったのか静かでした。この学校のすぐ横にはカルスト地形がある。石灰石が風化してできたものでこの周辺の岩が白く目立っている。この先に屋根付きの休憩所があったのでここで昼食のおにぎりを食べることにした。カルスト地形のすぐ下はニワの浜と呼ばれる小さな浜になっいて海風も通って波の音が気持ちいい。

ゆっくり休養してから島の南側の祝が浜と呼ばれる砂浜に出た。この浜の右手には八丈島と呼ばれる大きな岩ある。でも何で八丈島って名前なんだろ?。左手の岩場には鍾乳洞もあるそうなので岩場を登ってみたがルートを間違え海側へ出てしまったので諦めた。祝が浜へ戻り砂浜沿いの歩道を歩く。八丈島の先は古里の浜がある。テトラポットが多いので浜って感じではないが釣りをしている人もチラホラ。

浜を離れて山道へ入り集落へ戻る。昔、水道が各家に無かった頃の洗濯場跡を越えてもう一度八代神社へ寄り、朝登った階段の上から集落を眺める。この島は平地が少ないので家々が港周辺にギッシリだ。

階段を下り、昔は島にここだけしか時計が無かったとゆう時計台跡を見ていたら近くの家の玄関からおばあちゃんが出てきて「お兄さん、カメラマンなの?」と声をかけてきた。「いえいえ違いますよ〜」「カメラぶら下げてるからそうかと思ったわ、しかし暑いね〜」「そうですね〜」なんて少し話をしてから一輪車を押して行ってしまった。その後、集落内をブラブラ歩いてから港の前へ。

船の出発まで時間があるので伊良湖の見える丘まで行き、のんびり船を眺める。この丘のすぐ横にはまだ新しそうな海水プールがあるのだが、島の子供たちは港で泳いでいました。集落へ戻り日陰に座っていると正面の家に『氷』の旗が揺れている。暑いからかき氷でも食べたいな〜と思ったけど、見た目は普通の民家なので店と違うのかなぁ?と、お茶を飲んでいたら鳥羽からの船が到着した。その船から下りてきた地元の女子高生達が「あっ!かき氷屋の旗が出てるよ!」とその家に走っていった。くぅ〜!やっぱお店だったのか〜!でももうすぐ出発の時間なのでかき氷は諦めました。

すると朝にも聞こえた「○○さ〜ん・・・荷物が届いてま〜す」の放送が。これは船で島人宛てに荷物が届いたことを伝える放送なのでした。島には宅配便が無いので、この放送を聞いた受取り人が港まで引き取りにいくんですね。スクーターや軽トラで来る人、風呂敷き片手のおばあちゃん達が集まり、それぞれの荷物を引き取って帰っていきました。

帰りの船に乗りこむ人がでてきたので自分も切符を買って船に乗りこむが今度は船の中央の入り口から。そうか!潮の満ち引きで海面の高さが変わるから移動桟橋の無い神島港では乗り降りの高さが変わってしまう為か!こっちの疑問も解決しました。

15:30の船で島を離れる。帰りの船は鳥羽行きの最終なので朝の団体に加え地元の人もけっこう乗っている。菅島に寄ってほぼ満員になった船は鳥羽・佐田浜港に16:18到着。近鉄鳥羽駅まで歩き、売店で夕食用に焼き肉弁当を買って名古屋行きの急行で名古屋へ戻った。

本日の移動 家〜新守山〜名古屋〜伊勢中川〜鳥羽〜神島〜鳥羽〜名古屋〜新守山〜家
(万歩計 13259歩)



道の真ん中にはネコが・・・
集落内は階段が多い
蛸壺がズラリと並ぶ

当日は天気も良くてすっかり日焼けしてしまいました。でもちょっと暑すぎたかなぁ?もうちょっと涼しくなってからでもよかったかも。
神島には伊良湖からも不定期船が出ているのでそちらも興味あったのですが、松阪牛弁当の誘惑に負けてしまい・・・ (^^;
日帰りの旅でしたが、こんな近場でも十分楽しめました。


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