ども、たむろです。どういう訳か、私も会報の原稿を書くことになってしまいました。なんでも、前編集長からほるす編集長に私(たむろ)にも原稿を書かせるようにとお達しがあったとか無かったとか…(^_^;)。ま、私自身も今回は何かやらなきゃいかんと思ってはいたんですけどね(^^;)。
んで、何ができるかと考えたのですが、漫画は描けないし、スタッフ等についての論評も書けないし、データもたいした物は持ってないし…と、な〜んにもネタが無い!。あれこれと考え、「フィギュアについてならなんとかなるな」という結論に達したのであります。各馬ゲートインから一斉にスタート、第2コーナーをまわったところで…(c)「はしれコータロー」って、誰も判らんて(^_^;)。
えーと、話を戻して。そんな訳で、今回はるーみっく関係のフィギュアについてあれこれ書いていきたいと思います。ま、ほとんどの方はフィギュアのことは御存じないでしょうし、あまり細かいことを書いても誰も判らないと思いますので(その前に、私が書けませんが(^_^;))、「こういうものがある(あった)んですよ」と皆さんに紹介するつもりで簡単に(手抜きとも言う(^_^;))いきたいと思いますので、あまり難しく考えずに最後までお付き合いください(^^)。
現在るーみっくのフィギュアというと、ムサシヤさんのGKを思い浮かべますが、それは後回しにして、まず大手模型メーカーが発売していた物を紹介していきたいと思います。
1982年12月、バンダイからラムちゃんのフィギュアが4点発売になりました。まず「きらめきラムちゃん」と「いとしのラムちゃん」が、その後1〜2週間して「ときめきラムちゃん」と「ハイ・スクールラムちゃん」が発売になりました。これはサンデーグラフィックの裏表紙に広告が載っていますので、ほとんどの方は見たことがあると思います。サングラの7には作例も載ってましたね。出来は…ですが(^_^;)。
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なんと言っても広告中のコピーが傑作なので抜粋して紹介しよう(^_^;)。 |
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1/12 いとしのラムちゃん(総パーツ数24) \500 |
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1/12 ときめきラムちゃん(総パーツ数29) \500 |
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パッケージは、まるで小学生の頃に使っていた国語辞典のような(^_^;)ブックレットタイプで、内箱の裏に「いとしの〜」のみテンで、他はあたるが漫画形式で組み立て方を説明しています。当然バンダイの人が描いたんでしょうが、似てないんだ、これが(^_^;)。まあ、あたる、テンだということは十分判るんですけどね。
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バンダイ製のキットが発売されてから2年後、'84年にはツクダホビーから「ジャンボ・フィギュア・シリーズ」(以下、JFS)の1つとして、るーみっくキャラが多数商品化されました。このJFSはその名のとおり、1/6というビッグスケール(最近のGKでは、これくらいは普通ですが(^_^;))で「キャプテンアメリカ」等のアメコミキャラや、アニメのキャラを発売していたシリーズです。
以下は、JFSのるーみっくキャラのリストです。
1984年
10月 |
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5月 |
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このシリーズ、フィギュア自体の出来はなかなか良いのですが、モデラーの間では不評でした。というのも、一部を除いて新素材(なんでも、プラスチックとソフトビニールの中間のような物とか)が使われていたのですが、これが「接着できない、塗料がのらない、ヤスリがけができない」という、とんでもないものだったのです(^_^;)。瞬間接着剤をはじめ、各種接着剤ではしっかりと接着出来ず、塗装しても、そのままではすぐに剥がれてしまう。表面処理をしようと耐水ペーパー(紙ヤスリの一種で、水をつけて使います。これを使うことによって、表面が滑らかになります)を使うと、逆にケバ立ってしまう。当時のフィギュアモデラーは、かなり泣かされたようです(^_^;)。どうしようもないので、多くのモデラーはシリコンで型取り、キャストで複製した物を作っていたようです。
このシリーズでは、他にも「ザ・超女」のマリスが企画されていた('86年7月頃)のですが、結局発売されなかったようです。広告に試作品の写真が載っているのですが、それを見る限りではなかなか出来が良かっただけに残念です。
大手模型メーカーから発売されたのは、この2つのシリーズだけです。あらためて考えてみると、1つの作品でこれだけフィギュアが発売されたのって、うる星だけなんですよね。それだけうる星の人気があったという証拠でしょう(今更言うまでもないことですね(^_^;))。
最近はすっかりGKに押されてしまい、大手メーカーからフィギュアが出ることはほとんどなくなってしまいましたが、なんとか頑張って出して欲しいところです。やはりGKは高いですし、特殊な(^_^;)模型店に行かないと入手出来ないこともあって、ちょっと取っ付きにくい面がありますからね。まあ、最近のアニメやマンガにキット化して元が取れるような魅力のあるキャラがどれだけいるのか疑問ではありますが…。
さて、大手模型メーカー編はこのへんにして、GKの方に行きたいと思います。
☆GKとは?
やはり、GKってのは一体なんなのかってのを説明しておかないといけないでしょうね。
GKとは、ガレージキットのことです。終わり。
…………も、もちろん冗談に決まってるじゃないですか。やだなぁ、みんな恐い顔して(^_^;)。んじゃ、真面目にいきます。
大手メーカーでは金型を作って、それに溶かしたプラスチックを流し込んでキットが生産されます。その金型を作るには莫大な費用がかかりますから、ある程度売れる見込みがある物でないとキット化することができません。
しかし、キット化されない物の中にも極一部(^_^;)で人気がある物もあります。また人気があっても、諸事情から製品化されないということもあるでしょう。
では、どうすればいいか?。そこでモデラーは考え、一つの結論を出した。「無けりゃ、自分達で作ればいーじゃん」と(^_^;)。
ようするにGKとは、メーカーが作ってくれないものを自分たちで作って、それを型取り複製して販売している物のことですね。なにしろ手作りですから、5個や10個といった少量生産も可能なので、その気になれば、どんなマイナーなものでもキット化出来る訳です。ただ、手作り故、値段が高くなってしまうのですが…。
日本では、HJ(ホビージャパン)'79年8月号に「君もメーカーになれる」という見出しで、SF映画「禁断の惑星」に登場したロビーをスクラッチ(自作)し、それを型取りして複製するという、当時としては画期的な記事が掲載されました。これが日本におけるGKの元祖と言えるかと思います。
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当時は現在のようにキャスト(正確には無発泡ポリウレタン樹脂)なんてありませんでしたから、歯科用レジン等が使われていたそうで、10セットを抜くために60セット分のボツパーツが出るなど、色々と苦労もあったようです。
この記事をきっかけに色々と手製のキットが作られるようになり、HJ'81年9月号に「これが大阪のガレージキットだす!」と、初めてGKの広告が掲載されました。「ガレージキット」という言葉が雑誌で使われたのは、この時が初めてだそうで、これが広まってそのまま定着したようです。ちなみに、「ガレージキット」というのは、その昔(といっても、10年ほど前ですが)ガレージ(もちろん、車庫のこと)を工房にして作られたことから「ガレージキット」と呼ばれるようになったと言われてます。
そして'82年には(株)ニッシリから模型用に型取り/複製が簡単に出来る「シリコンゴム」と「プラキャストU」が発売になりました。これによってGKの制作も容易になり、しだいに数も増えていきました。
るーみっくキャラのGKは'84年頃には既に存在していたようですが(私も店頭で見掛けたことがあります)、これは小学館の許可無しに(今以上にマイナーだったGKに許可がおりる筈もありませんが(^_^;))販売していたもので、正式に版権を取得した物としては、'88年の夏に「あいどる」が出した物が初めてということになります。
1988年
7月 ※少年サンデー'85年38号の表紙のラムを立体化した物。腕、脚が脱着可能になっており、交換することによって(腕と脚がそれぞれ2種類ずつ付いてます)、ポーズの変更が可能。
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この1年後、ムサシヤから「らんま1/2」がキット化されます。
1989年
1990年
この年の12月から、いよいよ「うる星やつら」がキット化されます。元々、ムサシヤさんはるーみっくキャラが作りたくてGKを始めたらしいので、正式に版権を取ってのうる星キャラのGK化は、まさに「究極の目標」だった訳です。
1/6 ラム'91 \6,500
※これは、すっげー出来が良いです(^^)。
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「ラム'91」キャスト製 |
1991年
※「ルミコレ」とは「ルーミック・コレクション」の略。HGは「ヘビーゲイジ」という造形グループのこと。このシリーズは後に「HGコレ」と名称を変更します。
12月
1/6 右京 \7,300
1/6 らんま(良い子バージョン) \6,800
1/15 ルミコレHG 乱馬とあかねのクッキークッキング \3,800
※乱馬とあかねのセット
1/4 ラム(バニーガール) \19,800
※キャスト版、限定400個。これも、すっげー出来が良いです(^^)。
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1992年
2月 |
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発売予定
1/15 HGコレ・ラムとあたる \3,800 1/4 ラム(バニーガール) ? |
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バニーガールラム
1/4 ソフビ製 |
1/6 ラム・マルチタイプ ?
※あいどる製ラム同様、パーツ交換によりポーズ変更が可能。10数通りの組み合わせがあるらしい。
1/6 シャンプー ?
以上、1991.11月末日現在のデータです。
以下、上記リストの補間データです(作成:1996.08.22)。
1992年
3月 1/6 ひなこ先生 ¥6,800 |
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4月
1/8 ラムとお雪(ロック・ザ・プラネット版) ¥9,800
※2体セット
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8月
1/8 弁天(ロック・ザ・プラネット版) ¥6,000
1/8 ラン(ロック・ザ・プラネット版) ¥6,000
9月
1/6 らんま'94 ¥7,800
※限定400個
12月
1/8 なつめ&くるみ(2体セット) ¥11,000
1995年
このシリーズ、私は今のところ一つも買っていません。値段が高いということもあるのですが、キット自体の出来にも不満な点がありまして(もちろん、良い物もありますが)…。それは、うまいとか下手とか、技術的なことではなくて、原型制作者の志の低さとでもいいましょうか、本来ならもっと良い物が作れる筈なのに、「それなり」の出来で満足してしまっている物が多く見受けられるからです。
これはGKの中でも、特にアニメキャラのフィギュア全体について言えることでもあります。どこが気に入らないかと言うと、そのほとんどが「***(キャラの名前)の形をしたキャストの塊」になってしまっているからです。とにかく「人間に見えない」のです。
いくらアニメキャラとはいえ人間なのですから、もっと実際の人間の動きをよく観察して作るべきだと思いますし、そうしなかった物は、まず間違い無く「ただのキャストの塊」になってしまいます。といっても、別に実際の人間とまったく同じにしろという訳ではありません。アニメキャラ独特の体形というのもありますしね。
人間に見えない大きな原因として、顔が「板に目鼻」になってしまっている、腕や脚が棒のようになってしまっていると、この2つが挙げられます。ようするに、不自然なのですね。だから、どうしても違和感を感じてしまうのです。ところが、アニメフィギュアモデラーの多くは、それで納得してしまっているのです。また、買う方も「アニメフィギュアはこんなもんだろ」と、出来を判断する基準をかなり低いところに設定してしまっています。そういったものがGKの大半を占めているのですから、モデラー以外から変わった目で見られるのも仕方のないところです。モデラーである私でさえちょっと変だと思うのですから(^_^;)。
アニメフィギュア以外の特撮やロボット物は、かなりレベルが高いです。特に特撮関係は原型制作者のこだわりがビシバシ感じられ、正に「マニアのパワー、恐るべし!」といったところです。ところが、アニメフィギュアの場合、一部を除いてそのこだわりが全くと言っていいほど感じられません。金儲けに走ってしまい、原型制作者の自己満足的な物ばかりでいやになります。それを承知の上で買う人がいる訳で、商売として成り立っているのだから、それはそれで良いのかも知れませんが、それでは、いつまでたっても「GKはプラモおたくの物」という偏見は無くならないでしょうし、GKの市場も今以上には大きくならないように思います。
例え、アニメフィギュアだろうとロボットだろうと、こだわりを持って作れば、それは必ず見る人に伝わる筈です。「自分にはついていけない世界の物」ではなく、一つの「作品」として見てくれるでしょう。これは、モデラーとかアニメファンとか、そういったことは関係無しに、です。GKが、世間一般に認められ、「趣味は?」と聞かれて「模型です」とは恥ずかしくて言えない(笑)今の状況を変えるためにも、もっと「作品」として見ることの出来るGKが増えること(というより、「原型制作者の自己満足」的な物が減るように)願うばかりです。
いや、願うだけじゃ駄目だな。自分も何か行動を起こさなければ…。
何か堅くなってしまいましたね。読み辛いし、フィギュアの話の筈が、GK全体の話に変わってるし(^_^;)、言いたいことが100%表現できたのかも不安だし(^_^;)。何度か書き直してみてどうもうまく書けないので「諦めて、この部分は削除してしまおう」とも思ったんですが、「やっぱり、言いたいことを腹の中に溜めておいては健康に悪い」という訳で(^_^;)入れました。そんな訳で、判り辛いところがあったらごめんなさい(^_^;)。
愚痴も書きましたけど、GKって変な物(良い意味で)もあって、なかなか面白い物ですから、暇があったらHJ等で見てみてください(^^)。
では、これにて御免!