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TVシリーズ編


■ラムよ帰れ我が胸に…
 非常に印象深いタイトルだが、うる星やつらTVシリーズの正式なタイトルではない。
 アニメージュ1984年4月号のうる星やつら特集においてこの幻のタイトルが確認されている。また、同1984年2月号P72〜73のもりやまゆうじ個人特集の中において、129話絵コンテの注釈として「127話ラムよかえれわが胸に(仮)」の絵コンテより…との記述がある。またアニメック1984年6月号の紹介記事においても「押井監督のうる星やつら最後の演出「ラムよ帰れ!わが胸に」はTVシリーズ中では久々の傑作と…(略)」との記事が掲載されている。
 実際の放映では前後編2話に別れ、タイトルは既知の通りであるが、「ラムよ帰れ〜」についてはコンテの段階での仮題、もしくは本来劇場版うる星やつら2の脚本として書かれたときのシナリオタイトルかもしれないとの見方もある。真実は不明であるが、このタイトルの持つ雰囲気に加え、上記アニメージュの表紙はついに劇場版の作画にタッチすることのなかった遠藤麻未氏による傑作なだけに非常に印象深いものである。なおこのアニメージュ1984年4月号については車内吊り宣伝ポスターも存在するとのこと。なお余談であるが仮名と言えば、リメンバーマイラブの当初タイトルも「オーバーザレインボー」であった。
 
■面堂終太郎の元ネタ?
 面堂終太郎は平井和正作「ウルフガイ」の羽黒獰をパロったキャラ?。
 
■謎の作画監督
黒田佐武郎:林隆文
伊達真紅郎:林隆文
朝刊太郎:もりやまゆうじと言われているが確証はなし。
なぜ別名を名乗っているのかは不明。
 
■諸星あたるのルーツ
 諸星あたるの名前の由来は、高橋留美子さんが大ファンでもある漫画家諸星大二郎氏から取られている。氏のマンガは大変面白いので一読をお勧め。
 
■「春遠からじ 寂しがりやの妖精物語」
 ファンクラブ(KAC?)において原作募集したもののアニメ化であるが、入賞した応募作品とはかなり内容が違っている。応募作品のタイトルは確か「冬きたりなば〜」で始まるもの。またこの応募者本人によるコメントがとある同人誌に掲載されていた。コメント内容についてはここでは掲載を避ける。
 
■4人組の名前
 メガネがサトシ、パーマがコースケ、チビがアキラは有名だが、ではいったいカクガリの名前は?。
 答えはヒロユキ。カクガリ、実はチビよりもマイナーか。
 
■ランちゃんのCV変更の謎
 TVシリーズ当初のランのCV(キャラクターボイス)は井上瑶さんだったが、放送途中から小宮和枝さんに変わった。この理由は井上さんが個人的事情によりかなり長期に渡ってインドからヨーロッパ方面へ渡航したため。余談だが、井上さんはその際に知り合った男性と後に結婚している。なんでもインドで初めて出会い、その後偶然にもスイスで再会した事がきっかけであるらしい。相手の男性はオーストラリア人。帰国した井上さんには再度ランの声をと言う依頼もあったそうだが、「それは小宮さんに対して失礼にあたる」ときっぱり断られた。まさにプロフェッショナルである。
 
■ラムのラブソングのOPのラムはどうしてピンクなのか?
 サンデーグラフィック7巻のコメントによると南家こうじさんの原作に対するイメージから来たもの。これはこれで可愛いラムである。
 
■うる星やつらでナウシカのパロ?
 これは見れば誰でもが気付くもの。第185話「大魔人現わる!ラムの危険なお買物!?」を参照のこと。
 この手のパロディについては、実に多く存在するので特に記述するものでもないのだが、かなり目に留まったものとして記しておく。
 
■うる星やつらに某アダルトアニメのパロ?
「謎の坊さん登場!鐘つきバトルロイヤル」参照。当時は話題になった。しかし、今の若い人はアニメファンの煩悩を爆発させてしまった禁断のクリー×レ○ンなんて知らないだろうか。
 
■うる星やつらのパロは本格的?
 北斗の拳もよく扱われていたが、某キツネの回に登場した北斗君は別格。CVもちょうどいい具合に調達可能であったためかもしれないが、「出すだけならどこでもやるだろうが、作画と声優に凝って、演出までしてしまうのはうる星くらいだろう…」と感心を通り越して呆れられていた?。
 
■シナリオ(脚本)のタイトルは仮題が多い?
 脚本アップの時点でのタイトルが変更になる事は少なくないようだ。全ては確認出来ないが、例えば172話「友情パニック!わいはフグが好きやねん」のシナリオでのタイトルは「フグ鍋許すまじ!友情に国境はない!!」、また192話「刺激的だっちゃ!恐怖の頭上クーラー」のシナリオタイトルは「アイスクーラー・リラックス」。最も、アフレコの段階では絵は線画のみ、もしくはタイミングをとる模様のみって事もあるようなので、この程度は可愛いほうなのかも。
 
■関東オリジナルなうる星やつら再放送
 93年4月より「ラムのベストセレクション」と題して関東ローカルでうる星やつらの再放送が行われた。このセレクションは本放送の際に視聴率が27%を越えた作品を対象にセレクトし、さらにその中から25回分を放送したもの。しかし特筆すべきは、これが単なる再放送ではなく、メガネ役の千葉繁さん脚本による、新録音でのオリジナル予告編がついていたこと。地方では放送されることがなく、ファン垂涎の的であった。因みに鉄人28号FXの後番でありl鉄人最終回において第1話用の予告編も放送されている。予告編の画像は次に放送されるものから使用され、また出演するキャラも次に主に登場するキャラからピックアップされていた。ナレーションの内容はまさに千葉さんらしさのオンパレードであった。
 構成・録音演出 千葉繁
 監修      落合茂一
 プロデューサー  堀越徹
 
■ハッピーバースデイマイダーリン放映日の謎
 あたるの誕生日を題材にしたこの話、本放送時はあたるの誕生日である4月13日に合わせて放映の予定であった。しかし、特番の関係で1週間づれてしまい、放送は4月20日となってしまった。なんとももったいない話である。
 
■いのまたむつみのラムちゃん
 「戦慄!化石の僻地の謎」では原画にあのいのまたむつみさんが参加。今後のうる星やつら参加を期待されたが、ついに再度登場することはなかった。しかしそのいのまたむつみさん描くオリジナルラムを見る事が可能な書籍がある。
ジ・アニメ特別編集版「いのまたむつみ Lovely Collection」 近代映画社 59/06/30
 この本の30ページに、さすがの猿飛の魔子ちゃんとともにいのまたラムがカラーで描かれている。この本、まんだらけあたりではまだ入手可能(もちろん古書)と思われるので、こだわりのある人は探してみてはいかが。
 
■平野文さんのガヤ
 ガヤとはその他大勢のキャラクターを出演している声優さん達が思い思いに充てるものだが、平野さんはガヤが苦手な様であった。もちろんうる星やつら中にも平野さんがガヤを充てているシーンはたくさん存在するが、見分けやすいのは71話「ザ・面堂兄妹」のAパートでクラスメートの女の子の絶叫シーン。普通はもうちょっとわからない様に演じるはずなのだが。文さんらしい。
 
■O島タヌキのモデル
 解説するほどもない有名な話であるが、O島のモデルは当時の高橋さんの担当であったサンデー編集部の大島さん。
 
■うる星と裏番組
 「宇宙カゼパニック」に登場した「インフルエンザトラジマSSX」。当時の裏番は松本零士物のアレだったか?。
 
■セル盗難事件
 第100話から変更される予定だった「Dancing Star」と「夢はLove me more」であるが、用意していたセルが盗難にあい、放送が1週間延期された。いつの世にも道を踏み外したファンと言うものは存在する。そのセルにどれだけの価値があったとしても、自ら作品を汚すような真似はしたくない。まあ、そう言う輩にはその様な感覚自体が欠落しているのだろうが。
 
■隠れ島本須美
「旅の雪ダルマ情話」の雪ダルマ役や雨森露子。他にもあるが(例えばBDの大きな帽子の少女)、エンディングテロップにはクレジットされていない。理由は色々あるらしい。
 
■「必殺、立ち食いウォーズ」の秘密
 どっからどう見ても押井さんの趣味丸出しの話であったが、不思議な事にエンディングテロップには脚本にも絵コンテにも演出にも押井さんの名前はクレジットされていない。しかし、いくらなんでも押井さんの発想以外に思いつかないのであるが…、やはり演出の鈴木行氏によると、どうやら押井監督からかなりいろいろな事を言われ続けながらこの作品を完成させたらしい。ファンからの質問があっても二言目には「いや、押井さんのセンスですよ」と述べていたとか。
 関連する話題だが、押井さんによる「立ち食いのプロ」が初めて登場するのは「逆転イッパツマン」14話。あのお銀さんも、また「だるまさんがころんだ」も既にここで登場している。押井作品に「立ち食い」はつきもので、「紅い眼鏡」や「パトレイバー」「しあわせのかたち」などにも登場するが、存分に楽しめたのはやはりうる星やつらか。
 
■たった3人
 うる星やつらのキャストの数では最小記録か。作品は「大金庫決死のサバイバル」。出演は、あたる、ラム、面堂の三人のみ。
 
■豪華女性声優陣
 たった三人と最少を記録した「大金庫決死のサバイバル」の翌週には、うって代わったように豪華な女性声優陣が目白押しとなっている。因みに、平野文、島津冴子、小原乃梨子、三田ゆう子、井上瑶、鷲尾真知子、田中真弓、小山茉美、佐久間なつみ。97年で見れば涎が出るほどの超豪華キャスト。ここまで並ばれると壮絶である。前回で余った予算を叩き込んだのだろうか。
 
■立ち食いのプロ10人衆
 けつねたぬきの竜、牛丼の牛五郎、ホットドッグジョー、大盛りのマサ、ハンバーガーの鉄、回転焼きの甘太郎、中辛のサブ、クレープのマミ、たこ焼きのめぐみ、そしてけつねコロッケのお銀。しかし、たこ焼きのめぐみはすでに亡い。それぞれが壮絶なる逸話を持つ伝説のプロ達…。
 
■「恐怖トロロが攻めてくる」の元ネタ
 往年の名特撮映画「マタンゴ」。
 
■メガネの成長
 押井守氏によると、メガネと言うキャラクターについては完全な脇役で、最初は他の三人と区別はしていなかった。しかし、千葉氏の演技によってだんだんにあのような形になったらしい。
 
■うる星やつら2
 BDの事ではない。TV版うる星やつらの新シリーズの話題が92年9月当時まことしやかに囁かれていた。しかしこの噂の出元が本家本元の某小○館方面からだったために、この話題が瞬く間にネットを駆けめぐったのは言うまでもない。
 
■だっぴゃ星人
 高橋さん本人によると「ただの半魚人」。


97.09.12追加分

■NHK衛星でうる星やつらテレビシリーズ放映
 劇場版に続いてNHK衛星テレビでうる星やつらTVシリーズが放送された。94年1月18日より衛星第2において18時より全39話。ナディアに続いて案内役のお姉さんがどういう事を喋るのかに期待が集まった(笑)。
 放送は第1話「うわさのラムちゃんだっちゃ」(94/01/18)より第74話「階段にネコがおんねん」(94/03/31)まで。その後は97.09.12現在まで放送されていない。

■94年8月当時のうる星やつら再放送一覧
北海道テレビ    月〜土 06:00〜
青森朝日放送    月〜木 17:00〜
東日本放送     月〜木 17:00〜
山形テレビ     月〜土 06:00〜
新潟テレビ21   月〜木 17:00〜
テレビ金沢     月〜金 17:30〜
静岡朝日テレビ   月〜木 06:00〜
テレビ新広島     日  06:30〜
長崎国際テレビ   月〜金 17:30〜
くまもと県民テレビ 月〜金 17:30〜

■幽遊白書の作画になじみの顔
 幽遊白書に高橋資祐氏、遠藤麻未氏が作画として登場している。


97.09.16追録分

■変更された台詞
 LD50では、本放送時のものから変更されている台詞が1つある。それは、スペシャルとして放送された「修学旅行!くの一よ走れ」で、あたるに聞かれて答えた、かえでの電話番号である。LD50では"007-009"と言っているが、本放送時には、"くの一"をもじった番号であった。これが実在する番号だったらしく、電話が殺到したらしい。その為、プロデューサーの落合氏が謝罪に行ったということが、氏の著書「僕のプロデューサー○秘かけだし日誌」のどこかに書かれていたと記憶している(サブタイトル等は書かれていなかったが、おそらくこの時のことであると思われる)。
 ちなみに関西地方では、スペシャルが放送された年の12月に再放送されたが、その時は既に変更されていた。おそらく本放送以外では、全て"007-009"に変更されていると思われる。

■諸星あたるのルーツ その2
 諸星あたるの名前の由来が、漫画家「諸星大二郎」氏から来ていると解説したが、「あたる」の名前は元巨人軍江川卓投手の弟さんの名前が由来であると言われている。因みに、高橋先生は阪神ファン。