秋田家の愛知万博体験記


この物語は、少しでも多くのパビリオンを見ることに情熱を燃やす男と、そのアホらしい情熱に振り回された家族の物語である。
<目次>
  1. 事前予約大作戦
  2. 直前の不安と次の作戦
  3. いよいよ当日
  4. 入場
  5. グローバルハウス
  6. トヨタ館
  7. ランチタイムとグローバル・コモン3
  8. 長久手日本館
  9. グローバル・コモン4
  10. サツキとメイの家
  11. 軽い夕食とキッコロゴンドラ
  12. 最後の追い込み!
<事前予約大作戦>
 その大作戦が始まったのは春休みの4月2日に万博に行こうと決めて、最初にホームぺージを見て事前予約制度があることを知ったときでした。
 我が家では、とりあえず2割引の前売券を手にしていたので、予約枠の2パビリオンとして目玉のマンモスが見られるグローバルハウス(オレンジホール)と360度映像の長久手日本館を選びました。それから、予約枠外で予約可能なサツキとメイの家の予約を目指すことも決めて、予約ができるようになる1ヶ月前を待ちました。
 さて、事前予約がスタートして予約状況を見てみると、トヨタ館がすぐ埋まる以外には慌てなくても大丈夫な感じ。ただ、サツキとメイの家の入場枠が1日800人しかないことに気付き、前売り入場券が800万枚売れている現実から、かなり厄介そうと予想し、予約開始と同時にローソンに飛び込む必要ありと判断しました。(この判断はまったく正しかった。)予約時間は、目指すパビリオンの位置関係より、朝にマンモス、昼に日本館、夕方にサツキとメイの家を取って、間の時間を移動の動線上にあるパビリオンを見ていこうという作戦にしました。予約担当は、パソコンのパビリオン予約は私(和之)、ローソンに飛び込むのは美和です。
 サツキとメイの家の予約は本当に大変だったようです。(他人事...)10時の予約開始からいきなりLoppiは大混雑でつながらず、40分粘ってやっと予定の時間を確保できました。でも、それが話題になり、5月分は最初から頑張っても取れない人が続出し、ついに6月からは抽選制になったという事実を考えれば、これが最初で最後のチャンスだったと思われます。非常にラッキーでした。
 グローバルハウスと日本館の予約もサイトが混雑して多少苦労しましたが首尾よく目論見の時間を確保−しばらくして予約システムがダウンしてシステム変更を余儀なくされたのもご承知の通り−し、首尾よく、10:05グローバルハウス、14:00日本館、17:00サツキとメイの家の予約を確保できたのでした。
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<直前の不安と次の作戦>
 予約は確保しましたが、内覧会あたりからかなり混雑の状況が明確になってくるにつれ、多少の不安がよぎりました。パーク&ライドを利用する予定だったのでリニモの混雑はそれほど問題にならないとは思ったのですが、入場に30分も1時間も待たされたら、開門30分後のグローバルハウスの予約がフイになってしまう危険が。開幕後は、内覧会の混乱を教訓に状況は好転したようなので多少ほっとはしましたが、やはりスムーズに入場する必要は感じましたし、人気パビリオンの長蛇の列を回避する作戦も考える必要があります。
 愛知万博には事前予約の他に当日予約システムがありますが、当日予約は時間が指定できないし、事前予約の時間帯と前後2時間以上の余裕が必要(そんなこと最初から書いてあったのだろうか?)であることが判明し、10時と14時の事前予約を取ってしまった状況では実質的には使えません。ならば・・・と思って予約措置をまとめた表(万博のHPにあり)を眺めていると、トヨタ館が午前中に11時から14時あたりまでの整理券を出すことが判ったので、できればこれを狙おうということに決めました。パーク&ライドの三好駐車場に開門時間の8:30の直前に着いて後は頑張るという作戦を立てました。 
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<いよいよ当日>
 今回は義弟と義父、義母も含め7人の一行で、義弟の名古屋郊外の家から出発。みんな早起きの人たちなので、ちょっと早いが行きしょうかということで、まだ三好駐車場の開門時間には間がありましたが出発、7:30頃到着すると、あれ、既に駐車場は開門していて既に300人くらいの列がバス乗り場にできていました。東名インターに近い駐車場なので、ほとんどが他県ナンバー。並んでいると見る間に列は長くなっていく。早めに出てこれもラッキー。着いた時には、最初のバスの出発時間が8:40頃とのアナウンスがあり、しばらくして、次々とシャトルバスがやってきました。しかし、列があまりにも長くなったので、8時過ぎには前の人からバスに乗せ始め、最初のバスは8:15頃出発。我々は6台目のバスで8:25頃出発。高速を使って20分もしないうちに東ゲートに到着。バスの車窓から見た北ゲート(リニモでアクセスするとこのゲートになる)は既に長蛇の列。ちょっと不安になりましたが、実際にゲートに並ぶと、前にいるのは14-15人くらい。全体で400人前後。東ゲートには、他の駐車場や名古屋駅からのシャトルバスも着くはずなのに、前に並んでいる人数は三好駐車場のそれとあまり変わらない、てことは、三好駐車場にした選択も正解ということ。瞬間に頭の計算機をスイッチオン、トヨタ館の整理券は1回700人で4回分配るから...と考えると、これは行けると判断。
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<入場>
 9:20頃に予定より10分程早くゲートが開きました。荷物検査は聞いていたほど厳しくなくチラッと見るだけ、なんと5分ほどで入場終了。あちこちで「走らないでくださーい」との声が響く。トヨタ館整理券の列に最初に並ぶのは義弟のお仕事。競歩の練習をした方がいいようです。東ゲートからトヨタ館までは直線距離は近いが実際大回りさせられる。ただ、北ゲートは人数が多く、距離のハンディーはそれほどでもなさそう。トヨタ館の前では既に長い行列ができていましたが、すぐ整理券を配り始めたので列はどんどん含む。そのうち一行全員が追いつき列に加わり、あっという間に整理券(11:20入場、11:40開始の回)をもらうことができました。これで人気パビリオン4件確定!
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<グローバルハウス>
 整理券をもらった時点でグローバルハウスの予約時間まで約20分。すぐに向かいましたが、整理券配布の関係でかなり大回りさせられ、結構ぎりぎり。でも整理券配布の長い列を横目にみながらどんどん進むのは気持ちがいい。程なく、オレンジハウス入場待機の列に加わることができました。入場前に、スーパーハイビジョンカメラで入場待ちの観衆を撮影。(後でスクリーンに出てくる。)予定通り10時過ぎに入場。しかし、ここからがやたら長い。スーパーハイビジョンシアターに入る前にやたらくどくどと説明や注意事項を聞かされる。立ち詰めなのでちょっと辛い。やっとハイビジョンシアター(10分)が始まったのは10時30分ごろ。事前に撮った入場者の映像や、ひまわり畑など、さすがに映像はきれい。(面白くも何ともない感想ですが。)それよりもトヨタ館の入場時間が気になる。次に、グローバルショーケース。その前に、抽選で当たった人には写真入の新聞を作ってくれるサービスがあり、当たったのは7人中2名でしたが、結局全員一緒に写って2部の新聞をもらいました。ただ、おかげでグローバルショーケースをじっくり見る時間がない。とりあえず、マンモスの復元模型や月の石などの目当ての展示物中心にざっと回りました。
 オレンジホールを出ると、マンモスラボへの通路がありましたが、全くのがらがら。動く歩道で1分ぐらいで終わるのですが、これなら動く歩道にする必然性はないですね。頭と足1本の展示、これも有名ですからいちいち説明する必要はありませんね。
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<トヨタ館>
 トヨタ館への戻り道は近道なので、i-unitそれほど苦労はなく、集合時間の10時20分には余裕。入ってみると、意外や意外、数十の空席がある。いいかげんな予約をする人が結構いるんですね。まずはプレショーの楽器の演奏。最近の二足歩行ロボットは良くできていて、実はメインショーよりこっちの方が面白かった。メインショーはi-unitという一人乗りの車を利用したパフォーマンスですが、ショーの中では一切説明がないので、何がすごいのか良く判らない。ただ、演出はさすがに良くできていましたね。
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<ランチタイムとグローバル・コモン>
 こんなにスムーズに来ても、トヨタ館が終わったらもう12時半。ランチタイムを含めて日本館入場まで1時間半しかないということで、一気に欧州や北アフリカのパビリオンが並ぶグローバルコモン3へ。グローバルループを歩いていると、後ろから「トラムが通りまーす」との声が、良く見ると、グローバルトラムの前には必ず先導役のお兄さん、お姉さんが叫びながら歩いている、ということは、これにお金を出して乗っても決して移動時間の節約はできないということ、間違いない。グローバル3に行くと、一番人気はドイツ館で約80分待ち。次にイタリア館で30分程。やはりライド型のドイツ館は人気がある。
 昼食は、European Cafeでフランス風ピザを買い、路上で食べる。店員は全て?フランス人らしく(日本語通じるんかいな?)、イタリア館前にていくつかの店でほとんど同じものを売っています。ちょっと大き目のピザ風パンが千円。結構いけるが、いくらなんでも高い気が。昼食を済ますと、そのあたりの空いているパビリオンに手当たり次第に入りました。まずはギリシャ館で10分弱くらい待ちましたが、横で大道芸をやっていたのでそれほど苦痛ではなく。特に目玉と言える展示はないが、こぎれいにまとまっている感じ。次に待ち時間なしでモロッコ館。工芸の実演と御土産屋。土産屋のお兄ちゃんが「「日本人にはまけるよー。交渉して買うのも面白いよー。」と叫んでいました。そして、チュニジア館。(待ち時間なし)特に何もないが、エキゾチックな映画セットと言う感じで、カフェを模した一角で写真を撮ってもらいました。ブルガリア館(これも待ち時間なし)は、観光案内所+レストラン。イタリア館に行きたかったが待ち時間が長すぎるのであきらめ、10分待ちでスペイン館に。いくつかの小部屋に分かれているが、科学関連の展示の後で野菜が出てきたり、ごった煮みたいな感じ。さらに、フランス館。入館は待ちなしでしたが、内部のシアターは列ができており、時間の関係で断念。何の意味かはわかりませんが、ある一角に人が立つとスポットライトが当たり追いかけてくる展示があり、ちょっと遊べます。
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<長久手日本館>
 これも予約があったので、当然入場はスムーズ。まずは、映像の部屋を抜けて、次に動く歩道で戦後の生活物資(電気製品、雑誌、レコードなど)の発達の展示。これを見て懐かしいと思うのは年取った証拠でしょうか?そして、目玉の360度映像(わずか2分間。)これは、できるだけ両端に陣取って見た方が迫力があります。映像の動きにつれて、自分が動いているような錯覚を覚えます。最後に、森林空間を模した広い展示場。ナノバブル技術で鯛と鯉(他にも金魚とか海水熱帯魚とかも)が一緒に泳ぐ水槽が興味を引きます。なぜ、ナノバブルならそんなことができるのか?それは聞かないでください。外に出ると、今度は日本の伝統的大道芸。(傘をつかったあれです。) 
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<グローバル・コモン4>
 サツキとメイの家への通り道(実際はそうではなかったが後述)である、グローバル・コモン4で欧州のパビリオンを。ここの一番人気はイギリス館、次いで、スイス、ルーマニア館が人気。まずは、待ち時間なしの北欧共同館に入りました。展示中心でそれほど面白い内容ではありませんが、レストランとショップはセンスも良く賑わっていました。次いで昔お世話になったよしみでオランダ館。ここはいわゆる混雑による待ち時間はありませんでしたが、シアターの入れ替え制だったので7分待ち。館内は、世界最大の手描きタイルに囲まれていますが、真ん中の足元にスクリーンがあるだけのがらんどう。ここに映像が映り、池に変身するという趣向。ゴルフ場も運河だらけ(昔相当ボールを取られました。)というオランダに相応しい内容です。さらに、マンモスの骨格標本を目当てにロシア館。ここは、館内が空いていたのに何故か入場制限をかけていて10分待ち。入るとフリーの動線なのでゆっくりできます。マンモスと宇宙船の展示が目立ちます。後述しますがマンモスの牙の公式グッズは品切れ寸前のようなので、どうしてもマンモスの牙製品がほしければここが穴場かもしれません。(ただし、値ははります。)さらに、ただ空いていたからという理由でリトアニア館。DNAを模したらせん状のオブジェに映像を写すという趣向で、スナックもあるので休憩場所としてはいいかもしれません。 
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<サツキとメイの家>
 サツキとメイの家へは、グローバル・コモン4からExpoドームの裏手を回り、森の自然学校経由で行く予定を立てていましたサツキとメイの家の縁側が、HPやガイドブックの地図では問題ないはずなのに、Expoドームの裏手にここからは行けない旨の表示がありました。これは不親切、ちゃんと地図に書いておくべきです!結局、西エントランスまで戻り、日本庭園経由で延々1km以上歩く羽目に。行ってみると、受付とテントがあり、受付で入場札とパンフレット、昭和30年4月2日の読売新聞復刻版が配られて時間待ちをします。1回(1時間当たり)の入場者(約100名)は先着順約25名ごとに4グループに分けられ、井戸最初の30分で2グループが見学、さらに、見学中は、12分交替で1グループが内部見学の時は、もう一つのグループは庭などの外回りを見学するというシステム。我々は、最初のグループだったので、まず中に入れてもらいました。屋内はただの家には違い家の全景ないのですが、昔の生活物資がちゃんと置いてある。ふすまを開けると昔のおもちゃや布団。たんすを開けると服。水屋を空けるとさらや調味料や古い缶詰など。また、五右衛門風呂にはセルロイドの石鹸箱やブリキの洗面器など、気が利いています。(ハンカチには、サツキ、メイの刺繍が。)これらのものは自由に手にとって見ることができます。自分が小さい時に使っていた(今も実家にある)植物の図鑑もあり、懐かしく思えます。外は、トンボや蜂の巣の模型まで。井戸は子供に人気。(これも、小さいころを思い出す、といったら年がバレる?)映画で出た穴の開いたバケツもあり、子供たちが遊んでいました。トトロファンの知穂が喜んでくれて、苦労して予約した甲斐がありました。 
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<軽い夕食とキッコロゴンドラ>
 サツキとメイの家の見学を夕方5時半ごろに終えたので、また西エントランスまで戻ってここの2階のフードコートで各人適当に好きなもの(中華とトルコ料理)で軽い夕食。子供たちがトルコのアイスクリーム・ドンドルマを面白がって食べている間に美和と義母の女性陣は公式ショップへ買い物に。(後で合流)公式ショップはすごい人ごみ。
 夕食、買い物の後は、グローバル・コモン4に戻り、キッコロゴンドラに乗って会場の夜景を楽しみました。ゴンドラはがらがらで待ち時間はなし。ゴンドラが愛地球広場の上を通ると、夜のイベント(お祭り風?)が真っ盛りで少し得した気分になりました。
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<最後の追い込み!>
 ゴンドラで企業パビリオンゾーンに戻ったのが夜7時少し前。早速、日立館や三井・東芝館などの人気パビリオンをチェック、と思いきや日立館は誰も並んでいません。故障で閉鎖したらしいということでこれはあきらめ。(後で聞くと、2時間並んだ挙句帰された人もいるらしい。カワイソ。)三井・東芝館も90分待ちなのであきらめました。(今更並んでもね。)まずは夢見る山のシャチハタ館へ。待ち時間は全くなかったが、肝心のスタンプのワークショップが終わっていたのでスタンプだけ押して出て行き、ワンダーサーカス電力館(その時は30分待ち)に並ぼうとしました。
ところが、JR超電導リニア館で呼び込みをやっていたので、まずはそっちの方へ。入れ替え待ちの10分で入場。(このパビリオンは予約必要ないね。)ただ、グローバルハウスと同じく、ここも前置きが長い。19:05、3Dメガネを受け取り入場し、しばらく人ごみの中で待たされた後、そのまま延々説明とプレショーのビデオ(7分)鑑賞。やっとシアターに入場したのは19:30ごろ。この間ずっと立ちっぱなしで一日歩き回った足には多少辛く感じます。12分の3Dシアターの内容は、リニアモーターカーがひたすら走りまくるというもの。これは、乗り物好きの人とそうでない人で評価が割れるのもなるほどという感じです。個人的には、リニアにも飛行機のような収納可能な車輪があること、これも飛行機のような空気抵抗を利用したブレーキがあること、そして、ポイント操作が複雑なことが初めて知った事実でした。
 大多数のパビリオンの閉館時間である夜8時半が近づいてきました。8時ちょっと前にワンダーサーカス電力館へ。列は先ほどよりかなり短くなり、館外の列はほとんどなし。20分ほど並んでフク丸エクスプレスが出発。これはよく出来ています。上り下りの変化があったり、車両が展示物を見やすいように方向を変えたり、会場の風景が上から眺められるところがあったり。祥平(+義父)いわく、「これが一番面白かった。」そりゃそうでしょう。これは、遊園地のアトラクション。愛知万博のテーマなど関係なしにひたすら楽しみましょう。
 最後に、JR館のリニア車両を待ち時間なしで見学し、リニアモーターカー北ゲートの公式ショップで再度買い物。目的は先ほどの公式ショップで見つけられなかったマンモスの牙を使ったグッズ。しかしそれにしてもすごい人です。マンモスの牙グッズをやっと見つけましたが、もう売り切れ寸前で、店員ももうあまり入荷しないかもと言っていました。とりあえず牙のかけらがついたストラップをつかんで、あとお菓子の追加、絵葉書、グラスなどをカゴにいれいざ精算と思ったら、なんと店の外の列に並ばされました。ほとんど30分くらい待ってやっと精算終了。皮肉なことに、ここが一番の待ち時間。
 この時点で、ぽつぽつ雨が降り始めてきました。夜9時ごろ退場。たっぷり歩いて疲れましたが、結局サツキとメイの家も含めて17パビリオンに入場。この日の入場者数は開場以来3番目(実際は最高入場者数とほとんど変わらず。)でしたが、人気パビリオン4つを含めこれだけ見られたということで、満足の一日でした。



 おまけ:翌日新世紀名古屋城博に行き、しゃちほこに触りました。しゃちほこのない名古屋城は珍しい...



名古屋城金シャチドーム





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