はじめに鮎の友釣りは実におもしろい。一度とりこになってしまったらもう止めることはできない。毎年鮎釣りの時節になるのを心待ちにしている。最近の情報の伝達は多種に渡り、幅広く行われている。鮎の友釣りに関しても本・雑誌・スポーツ新聞・テレビ・ビデオ等盛り沢山である。こういった情報の内容を見るとき、鮎の友釣りの高度な技術が追い求められてばかりいて、初めて鮎の友釣りをしようとする人には、鮎の友釣りは非常に難しく、易しくできないという観念を植え付けてしまっているようで残念でならない。最近の鮎の友釣りは一昔前とはずいぶんと違ってきている。掛かった野鮎の取り込みは水面から引き抜き、玉網で受けるのが主流になってきている。一昔前には掛かった野鮎はバレるのに注意し、静かに手元に引き寄せてから玉網にすくっていたものである。ましてや、掛かった野鮎は次のオトリ鮎になるものだから、大事に扱っていたものである。高度な技術を求め、鮎の友釣りの競技に参加し腕を競うのもそれはそれで楽しみがあってよいと思う。もう一方、もっと易しく気軽に楽しむ鮎の友釣りがあってもよいのではなかろうか。鮎の友釣りのおもしろさを強調し、いろいろな人にすすめてみるのだが、次の点でちゅうちょしてしまう。
(1)川の中に入るので健康を害するのではなかろうか。
(1)川の中には絶対に入らない。
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福島県庁の裏を流れる阿武隈川。ここでも天然の鮎が遡上し、鮎の友釣りができる |
最近の川の汚れはひどいものである。私の住んでいる近くの川もご多分に漏れずひどいものである。川にさわやかさがなく、ドブの悪臭の匂いがする。これでも天然の鮎が遡上して居つくのであるから驚きである。しかし、このまま川の汚れがますます進めば天然の鮎は一匹もいなくなるだろう。一匹もいなくなる前に是非とも川の汚れをくい止めなくてはならない。それには一人でも多くの人に川をきれいにするという意識をもってもらうことである。子供や大人の人、男性女性を問わず、少しでも多くの人に鮎の友釣りを行って頂き、川をきれいにするという意識をもつ人が増えることを願ってやまない。特に子供には将来のことを考えればそうした意識を強くもって頂きたい。現在は遊びといえばファミコンで家に閉じこもり勝ちで、自然に接する時間も少なく、川の汚れなど気にしないのではなかろうか。また、川の汚濁の原因の一つとして、生活排水が関わっていることから、主婦の人にも強く川をきれいにするという意識をもって頂きたい。 鮎の友釣りを子供のときからやれば、大人になったときには相当技量が上がるはずである。川の中に入らなければ、安全であるので子供や女性の人でも安心してでき、充分楽しむことができる。大人の人でもはじめて鮎の友釣りをする人は是非とも子供や女性の人といっしょにやって頂きたい。家族みんなで楽しんで頂きたい。
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河川敷の公園。このような場所では家族みんなで楽しむことができる |
最後に、今までいろいろな人と出会い、鮎の友釣りに関して、御指導頂き感謝致しております。今後とも良き御指導、御鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
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