FW記録)岩手)焼石岳〜南本内岳
シダ野外観察記録

                     98/7/19) 岩手)焼石岳〜南本内(ミナミホンナイ)岳


焼石岳8合目から焼石沼方面を望む

 焼石岳は、岩手県の名山のひとつで、今回は秋田県東成瀬村から登りました。
 往復9時間の長いコースですが、起伏が比較的少ないので案外楽に行きました。

【日 時】 1998年07月19日(日曜) 7:10〜16:10
【県 名】 岩手県
【場 所】 焼石沼〜焼石岳鞍部〜南本内(ミナミホンナイ)岳(1492m) 
【天 候】 快晴 (岩手山から鳥海山まで展望できる)
【環 境】 亜高山
【観察者】 素路

【観察した草花】  (無注釈は、花が咲いていたものです。)
 〔タデ科〕    ・イブキトラノオ
 〔キンポウゲ科〕 ・ミヤマカラマツ ・ミヤマキンポウゲ ・モミジカラマツ
          ・リュウキンカ  ・オクトリカブト ・オオレイジンソウ
 〔ナデシコ科〕  ・タカネナデシコ  ・センジュガンピ
 〔オトギリソウ科〕・イワオトギリ
 〔メギ科〕    ・サンカヨウ(実)
 〔ユキノシタ科〕 ・ズダヤクシュ ・エゾアジサイ
          ・ダイモンジソウ  ・ウメバチソウ
 〔モウセンゴケ科〕・モウセンゴケ
 〔マメ科〕    ・イワオウギ
 〔フウロソウ科〕 ・ハクサンフウロ
 〔バラ科〕    ・オニシモツケ ・ヤマブキショウマ
          ・シロバナトウウチソウ  ・ナンブトウウチソウ 
                    ・ノウゴウイチゴ(実)
 〔イチヤクソウ科〕・ギンリョウソウ
 〔サクラソウ科〕 ・ヒナザクラ
  〔セリ科〕        ・イワテトウキ ・シシウド ・シラネニンジン ・アマニュウ
                    ・ハクサンボウフウ
 〔アカバナ科〕    ・ミヤマアカバナ
 〔ツツジ科〕   ・ハクサンシャクナゲ ・ウラジロヨウラク  ・アクシバ
 〔サクラソウ科〕 ・ヒナザクラ 
 〔リンドウ科〕  ・ミヤマリンドウ  
 〔ミツガシワ科〕 ・イワイチョウ 
 〔アカネ科〕   ・オオバノヨツバムグラ
 〔リョウブ科〕   ・リョウブ(蕾)
 〔ゴマノハグサ科〕・クガイソウ  ・エゾシオガマ
 〔シソ科〕    ・イヌトウバナ
 〔キク科〕    ・ヒヨドリバナ  ・ヤマハハコ  ・クモマニガナ 
                    ・シロバナクモマニガナ ・ミヤマコウゾリナ 
                    ・ミヤマアキノキリンソウ ・マルバダケブキ
                    ・ミネウスユキソウ  ・オニアザミ  ・ガンジュアザミ
  〔キキョウ科〕   ・タカネツリガネニンジン(ハクサンシャジン)
 〔ユリ科〕    ・タケシマラン(実)・ネバリノギラン ・キンコウカ
          ・タカネアオヤギソウ  ・タチギボウシ  ・クルマユリ
          ・タマガワホトトギス ・
 〔カヤツリグサ科〕・ヤマタヌキラン
 〔ラン科〕    ・ハクサンチドリ ・ホソバキソチドリ

【観察したシダ】
[トクサ科]    ・スギナ  ・オクエゾスギナ
[ヒカゲノカズラ科]・ヒカゲノカズラ ・ホソバトウゲシバ  ・マンネンスギ
[キジノオシダ科]  ・ヤマソテツ
[コバノイシカグマ科]  ・ワラビ
[ホウライシダ科]  ・クジャクシダ
[シシガシラ科]   ・シシガシラ ・ミヤマシシガシラ
[オシダ科]        ・サカゲイノデ ・カラクサイノデ ・ホソバナライシダ 
                    ・リョウメンシダ ・ジュウモンジシダ   ・シラネワラビ
                   ・シノブカグマ    
[ヒメシダ科]      ・ミゾシダ  ・アオハリガネワラビ ・オオバショリマ
[イワデンダ科]   ・イヌガンソク  ・イッポンワラビ ・サトメシダ
                    ・ヤマイヌワラビ ・オオサトメシダ ・ミヤマメシダ 
                    ・ミヤマヘビノネゴザ ・ヘビノネゴザ 
                    ・カラクサイヌワラビ  ・ミヤマシダ

【登山ルート 備考】
 ・登山ルートは下記の通りです。
   国道397 横林道入口〜三合目横林道(これより登山開始)〜五合目釈迦懺悔〜
   六合目与治兵衛〜七合目柳瀞(これ以降、ほぼ平坦な道)〜八合目焼石沼(大
   草原湿原に出る)〜(急坂なれどお花畑と眺望抜群で気にならない)九合目焼
   石神社〜(湿原を絡んでいく)南本内岳(1492m) 
 ・今回は快晴でしたが、焼石沼の大湿原では、土の出た道が無く、トラロープや赤
   いリボンで取り敢えずの道標をしたものがあり、ちょっと迷いました。幸い、見
   晴らしが良いのと、登山客も多かったので助かりました。ガスのある日は慎重に
   歩かないと迷うでしょう。
 ・これぞ高山植物という花の殆どは八合目焼石沼(大草原湿原)〜九合目焼石神社
   までの間で見たものです。

【花の部 備考】
・八合目焼石沼(大草原・湿原)〜九合目焼石神社〜南本内岳(1492m)が今回の
  最大の見所でした。タカネナデシコ、ハクサンフウロ、クガイソウ の紫の花、
  ことにタカネナデシコの深紫色は圧巻でした。これに黄色のマルバダケブキ、
  白のイワテトウキのアクセントがきいていました。
  コバイケイソウには花はついていませんでした。
・今回はセリ科にこだわろうとしたのですが、イワテトウキは葉を揉むと、独特
  の薬臭いというか、カレー粉というか匂いがします。葉は他のセリ科より艶が
  ありました。これとシラネニンジンははっきり分別できましたが、あとのシシ
  ウド、アマニュウ、ハクサンボウフウ はちょっと怪しいです。 (^_^;) 
  アマニュウは熊がこの根を好んで掘り返して食する、とのことで葉を揉んで嗅
  いでみましたら、やや甘っぽい感じでした。
・ナンブトウウチソウは赤い穂で、シロバナトウウチソウと明らかに違っている
  ものでしたが、図鑑によると、早池峰山にしか無い、ということなので????

【シダの部 備考】
・ミヤマヘビノネゴザは八合目以上のガレ場や湿原の岩場で見ました。確かに下部
  が縮小しており、鱗片もツートンカラーです。葉身は10cm程度で弱々しく縮れ
  て小さいです。 もちろん普通のヘビネゴもありました。
・マンネンスギも稜線のガンコウランなどの生えている岩場でようやく見ました。
・ミヤマシシガシラを鳥海山に続いてここでも見分け方を確認しました。葉軸の裏
  が深紫茶色です。
・ミヤマメシダは三合目を過ぎたあたりで早や出現しました。
・カラクサイノデは六合目与治兵衛付近で見ました。
・オオサトメシダは二つのタイプがありました。
  ひとつは、葉軸は緑でサトメ様で、裂片はヒワヒワな感じで、先端がノギ状になっ
  ている感じ。裂片の中肋にはトゲがある。 (ヤマイヌにもトゲはある)
  包膜の周囲はもちろん、毛羽立っている。
  もうひとつは、ヤマイヌ様で、葉軸は黒紫。裂片はヤマイヌ様。包膜の周囲は毛羽
  立っているが、前者の程でもない。(・・・これもヤマイヌ?)


                                素路(KFE00630)

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