FW記録)7/27)秋田県 十和田湖
シダ野外観察記録
				96/7/27)秋田県 十和田湖 

  十和田湖は青森・秋田にまたがる国立公園ですが、その有名な場所は
 どちらかというと、奥入瀬、休屋などの湖の東側に偏っています。
 観光バス、遊覧船などで人の溢れるこれらの場所と対照的に西側はひっそりと
 して、自然との触れ合いには向いている感じです。
 和井内は、明治時代に和井内貞行がヒメマスの養殖に成功した場所で、
 発荷峠の麓にあります。今も孵化場があります。
 鉛山は字の通り、鉱山のあったところ、この西側の外輪山から小坂町にかけて
 は黒鉱と呼ばれる金銀銅鉛亜鉛などの金属鉱床が分布していましたが、今は
  終掘しています。
 
 【日 時】  1996年7月27日(土) 10時30分〜12時30分
 【場 所】  秋田県鹿角郡小坂町 和井内〜鉛山(十和田湖畔西側)
 【天 気】  曇
 【環 境】  標高500mくらい。原始林脇の観光道路

【見られたシダ】

[トクサ科]     ・スギナ
[ハナヤスリ科]   ・ナツノハナワラビ
[ゼンマイ科]	   ・ゼンマイ
[キジノオシダ科]  ・キジノオシダ ・ヤマソテツ
[コバノイシカグマ科]・ワラビ
[ホウライシダ科]  ・クジャクシダ
[チャセンシダ科]  ・トラノオシダ
[オシダ科]  ・ジュウモンジシダ ・ツヤナシイノデ ・リョウメンシダ
	    ・ホソバナライシダ ・オシダ ・ミヤマイタチシダ
	    ・シラネワラビ
[ヒメシダ科]	・ミゾシダ ・ミヤマワラビ ・ヒメワラビ 
        ・ミドリヒメワラビ ・ハリガネワラビ
[イワデンダ科]・クサソテツ ・イヌガンソク ・イワデンダ ・ヘビノネゴザ
	    ・カラクサイヌワラビ ・ヤマイヌワラビ ・オオヒメワラビ
        ・ミヤマシケシダ ・ホソバシケシダ ・シケシダ
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【補足】
 ・秋田に住んでいた頃はシダといえば、ゼンマイ・ワラビ・コゴミなど山菜主体
  のシダしか、知らなかったので一体どんなシダがでてくるのか、楽しみでし
  た。
 ・和井内のバス停留所を降りたところの緑地の中でこれらの2/3を観察でき
  ました。
 ・一発目に迷ったのが、イヌガンソク。単羽状・浅裂の、しかも厚ぼったい葉、
  もしかしたらナガサキシダかナガサキシダモドキかと思ったのが、近くに
  展開しきった深裂した葉があって解決。
 ・クサソテツが圧倒的に多い。さすがは、山菜王国秋田。
 ・ヘビノネゴザが多いのも当然。十和田湖の観光写真を見ると、御倉半島の赤い
  岩崖が見られますが、これは鉄分の多い証拠。観光バスガイドは、「大蛇と
  偉いお坊さんが戦ったときに流された大蛇の血の色」と説明しています。
 ・オシダも多い。リョウメンシダより大型ではるかに分布が優勢でした。 
  ソーラスは灰黒色の大型で美的感覚に劣る。葉の上部に付く。
 ・オシダの近くに、同じ大きさの、よく似たシダがあり、裂片がイヌワラビ型
  に尖っている。すわっ、ヘビネゴなどとの雑種かと慌てましたが、鱗片をみる
  と大きな丸い鱗片。ツヤナシイノデでした。
  ソーラスの付きかたが、葉の上部に偏っており、隣のオシダもそうなので混乱
  させられました。
 ・カラクサイヌワラビも多い。ヘビノネゴザより多いと感じました。
  葉軸は紅紫色が多い。鱗片はツートンカラー。
  典型的なものは裂片の耳が大きくて、羽軸を覆う位です。羽片の軸と裂片との
  分岐部にトゲがわずかに観察されます。(目で見る他に指で逆撫ですると感じ
  られる。 タニイヌワラビはトゲがもっと顕著であったと思います。)
 ・ミドリヒメワラビ、ヒメワラビ、オオヒメワラビ、 と近くにあったので、
  小羽片の軸の付きかたの比較がよくできました。
 ・シラネワラビは那須山で見てから2回目。最下羽片の第一小羽片が大きい。
  鱗片は幅が比較的広くてツートンカラー。これで葉が厚くてツヤがあれば、
  ミヤマイタチシダに近い感じもするけれど、この葉の柔らかさでなんでオシダ
  科なのか。
 ・このほか、クジャクシダ、ホソバナライシダ、など大抵のシダが同じ種類の
  小群落をなしていたので、人手の入らない場所はこうなのだ、と感じました。
 ・房総などと比べて、ヤブソテツ、ベニシダ、ヤマイタチシダなどの一般的な
  類が全く見当たりませんでした。イノデも見たのはツヤナシだけ。


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